約束の日です ー「木陰の宿」「クライム」「テラ」「セイロン」の場合ー
祝!累計PV62,000越え!(T-T)泣ける……
「っっかあ〜!昼から飲む酒の旨さよ!」
「相変わらず飲みっぷりいいな、親父」
「全くだ。旨そうに飲むんだよなぁ」
僕らが気持ちよく大浴場から休憩所に戻ってくると、これまた気持ち良さそうにビールを飲む会頭さんの姿が。同じテーブルで「テラ」のリーダーボルクさんと「セイロン」リーダーゼノさんが飲んでいる姿もあります。
あ、リーダー達も冒険者ギルドから戻って来ていたんですね。
他のメンバーも休憩所でまったり話していたり、ライ君リルちゃんと遊んでいたり、マッサージチェアでくつろいでいたりとそれぞれが自由に過ごしています。
ん?リーヤがキイのところに来てますね。ミック君グラス片付けながら興味深そうに聞いています。サーシャさんは?グランの受付カウンターに座って勉強中ですか。最近彼女の席グランのところなんですよね。頑張っています。
「トシヤ、親父さんの側に行って話そうぜ」
「駄目だよ。これも練習だよ。商談はもう始まっているんだ。雰囲気作りからやっていかないと!」
ドイル君が会頭さんのところへ行こうとするのを、引き止めるジーク君。やはり彼らは二人揃っているといいですねぇ。何やら相談中です。僕はどうしましょうかねぇ、と思っているとレイナさんから呼ばれています。ジーク君達に一言言ってからレイナさんの元へ。
レイナさんは喫茶店のテーブル席で、ティアさんとケニーさんとお茶をしていたみたいですね。
「レイナさん、おかえりなさい。首尾はどうでした?」
「ああ、上々だ。まぁ座れ」
レイナさんがティアさんの隣りの空いてる席を指差します。これは魔石の事でしょうかね。僕が座るとレイナさんが話し出します。
「まずは今回の褒章金が各チーム金貨1,000枚だった。で、ウチのチームは金貨500枚を硬貨で、金貨500枚相当は魔石に変えて貰った。ウチの場合一人当たり金貨100枚ずつ渡す事になる。当然トシヤもだ。ここまではいいか?」
おや、僕も貰えるとは思ってませんでした。ここがこのパーティの良いところでしょうね。
「ありがとうございます。でも現金に関しては僕は討伐してませんし、皆さんで分けて下さい。そうなると僕は金貨500枚お金を用意しなくてはいけないんですね」
僕がそういうと「ほらな」「やっぱりねぇ」と言う二人。ケニーさんは面白そうにみています。ん?なにがですか?
「トシヤ、お前は自分の力を過小評価しすぎだ。私達が最善の状態で戦えたのはお前がいたからだぞ。だが、そういうだろうと思ってお前には現物支給にする事にしたんだ。勿論これはみんなの総意だぞ」
そう言って目の前に魔石の入った大きな袋を出すレイナさん。え?まさか…… 金貨500枚分の魔石全部ですか!?
「考えてみろ。「クライム」メンバーはこれからここを拠点とするんだ。宿代それも酒代まで浮くんだぞ。はっきり言って十二分過ぎるぐらい満足している。だが、まだ快適になるんだろう?だとすれば自分の取り分より設備に使いたくなるのは当然だと思わないか?」とレイナさん。
「そうよお。自分達が稼いだ分だけ家を快適にする為に使うのは当たり前でしょう?」とティアさん。
さらにニコニコ聞いていたケニーさんからも爆弾発言が。
「あ、「セイロン」も同じだからね。後でゼノから魔石受け取ってね」
お菓子を受け取って、みたいな軽さで話されてしまいました。いやいや皆さんそれは僕が取りすぎでしょう!ってライ君リルちゃんどうしました?座っている僕の横に来て、ジッと僕の顔を見て話し出すライ君リルちゃん。
「みんなからのありがとう、もらわないの?」
「おかあしゃんいってたの。ありがとうっていったらありがとうっていうの」
まさかの二人からの言葉に、ティアさん達の顔を見るとニヤニヤしているじゃないですか。これはヤラレました。ライ君達を使うとは…… 勝てません。
「わかりました。皆さんありがとうございます」
僕がこう答えると……
「「「「「「よっしゃあ!」」」」」」「「良し!」」「(頷き)」「ライ君達に勝てる人は居ないわよねぇ」「そうねぇ、最強だもの」「よくやった」
いつの間にか全員が僕らの会話を聞いていました。ヒースさんはライ君、リルちゃんの頭を撫でています。もしかして、仕込んだのはヒースさんですか?
僕が苦笑しながらライ君達をみていると、「テラ」のボルクさんからも「ウチからもだ」とドサっと膝の上に置かれます。
「ええ!「テラ」からもですか!?」
「当然!ウチだってみんなの総意だ。断るなよ」
ボルクさんが言った後「ほらほら、使ってみればみんなの為になるって!」とスレインさん。「やって見ろって」というグレッグさんの後ろで「ゼノー!ウチはどうした!」と叫ぶ「セイロン」ハックさん。
結局僕のところにゼノさんも持って来て、大量の魔石が三袋分。これはみんなの為に使わせてもらいましょう。となると……
「エア、魔石を〈トランクルーム〉へ。魔石総数を数えて下さい」
「エア」からの答えに注目が集まります。
「はい。現在入手出来た魔石数Aランク魔石26、Bランク魔石45、Cランク魔石321、Dランク魔石5,000です。更にAランク魔石は一つに対して通常の魔石1,000個に相当し、Bランク魔石は通常魔石の100個に相当、Cランク魔石は通常魔石50個に相当、Dランク魔石は一つに対し1個に相当します。この数式の元計算しますと、総合計数は51,550個分に相当します。これに元々在庫していた魔石を合わせますと、現在52,350個相当を所有しております」
これには全メンバーが「「「やったぜ!」」」「結構いったな」「これで結構できるんじゃね」「良し!〈こんびに〉が近づいたな」「充電機能だろう!」とそれぞれ希望を口にします。ですが、まずはこれが優先です。
「エア、[パスポート申請機]の設置をお願いします」
「畏まりました。[パスポート申請機]0/1,000(魔石数)を設置致します。残り魔石総数は51,350個相当となりました」
エアが言い終わるとグランの受付近くに、縦長の白い[パスポート申請機]が現れます。
【宿泊】
年間パスポート 16,500,000ディア(MP165)
マンスリーパスポート 1,500,000ディア(MP150)
ウィークリーパスポート 300,000ディア(MP30)
【入浴】
年間入浴無料パスポート 35,000ディア(MP3)
【通行】
年間通行無料パスポート 30,000ディア(MP3)
「オーナー、設置完了致しました。パスポート発行可能です。詳細をお伝えします。宿泊パスポートをお持ちのお客様は、基本その期間の朝食夕食付き、入浴無料、フリードリンクコーナーの使用が可能となります。年間入浴無料パスポートの方は入浴のみ期間内無料でございます。
また、[出張扉]が設置された際に年間通行無料パスポートの発行が可能となり、施設が増えるたびに項目が順次増えていく予定でございます。
更に、パスポートはカード型となり、所持者の魔力を記憶させる事により、盗難、紛失、偽造対策となっております。またオーナー限定で魔力対価により購入可能です」
「ありがとうございます、エア。では早速21名分の年間宿泊パスポートの発行をお願い出来ますか?」
「畏まりました。オーナーのMP3,465消費させて頂き、現時点でのオーナーのMP残量は22,335でございます」
エアの報告が終わると、カードがゴトっと出てきました。購入枚数によってまとめて綴られて出てくるか、一枚ずつカードが出てくるかになるみたいですね。
僕はカードを取り出して、一人一人に渡していきます。「これから宜しく頼みます」と言って渡すたびに歓声が上がり、「任せとけ」「こちらこそ」「宜しくな!」「頼むぜ!」等声がかかります。なんか嬉しいですねぇ。
さて、残りは木陰の宿のメンバーです。リーヤには渡しましたが、残りの皆さんは夜に渡しましょう。
そして問題の「グラレージュ」の皆さんです。
さぁ、ジーク君、ドイル君一緒に会頭を説得させましょう。
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