約束の日です 「グラレージュ」其の弍
おわっ!∑(゜Д゜)PVが今日だけで15,000超えたぁ!!
「そうか!そうか!一緒に商業ギルドに登録した仲か!これもまた面白えめぐり合わせよ!」
ガッハッハと豪快に笑いながら話すのは「グラレージュ」商店の会頭さん。今は、ジーク君とドイル君と初めて会った時の話をしています。
ええ、僕の商いの杜撰さに会頭さんが鋭く出会いを聞いて来たんですよ。「余りにも安すぎる」と言うお言葉付きで。
「なるほどなぁ。それじゃ金の流れは知らねえよなぁ。で、持っている物は一級品。そりゃ、事情を知れば守らにゃならんな。なぁ、ティアにガレムよ」
「ちょっと、その含みを持たせた言い方やめて頂戴。看破スキル持ちに隠せる事なんてあるわけないでしょ」「(頷き)」
いやいや、ティアさん何気に凄い事言ってましたね。会頭さんも看破スキル持ちですか!?って事は僕のギフトまで見えてるって事ですよね?
「見えてもわかんねぇものがあるんだよ。なんだ「亜空間ホテル」っつうのは?と言うかこの商品はそれに関係すんのか」
と、どんどんネタバレされていきます。看破スキル凄すぎです。もはやジーク君もドイル君も会頭さんに流れを任せているみたいですし、僕もただ軽い気持ちで来たんですけどねぇ。
「……そうねぇ、トシヤちゃん。こうなったら親父さんもホテルに連れて行きましょうよ。って言うか元々そのつもりだったし」
ティアさんサラッと爆弾発言です。
「商いはトシヤには無理だ」
ええ!ガレムさんからも追撃が!まぁ、知ってましたけど。
「おいおい、話の流れが変わったなぁ。お前ら俺を巻き込む気満々だったんだろうが。ジークとドイルって言ういい口実できたしなぁ」
「あら、親父さんの得にもなるはずよ、トシヤちゃんは」
「……ふむ。どうだ?トシヤって言ったか。お前さんはどうなんだ?」
おお、矛先が僕に向きましたか。うーん、確かに商いの助けは必要なんですよねぇ。特にホテルの外は。それにみんなが信頼している人ですし、僕に異存はないんですよねぇ。
「まずは見て判断してもらえますか?で、宜しければ、ティアさんの言うように僕に協力して貰えると嬉しいですね」
もう商才がないのはどうしようもないので直球でいきます。あ、ジーク君とドイル君も是非に!
「ガッハッハ!正直に来たか!よし、ジーク、ドイルも一緒に来い!お前らが繋いだ縁だ。それもお前らの実力のうち。しかも自分達で選んで来たものも上質のカーミヤ生地ときたからには合格だ!お前達のやりたい様にやってみろ」
おお!新人試験も合格ですよ!二人共ハイタッチで喜んでいます。うん、この流れで一緒に木陰の宿に来てもらいましょう。
え?買取の件はどうなったのかって?まだ話だけの段階でしたからねぇ。流れに任せましょう。
********
と言う事で、帰って来ました亜空間グランデホテル!会頭さんとジーク君、ドイル君を連れて。
木陰の宿に入って入館登録をし、正面扉を開けて入った時からキョロキョロしっぱなしのジーク君とドイル君。片や……
「ほお〜、立派なもんだ。亜空間の中ってのはこんな感じになってるんだなぁ」
と余裕の会頭さん。起きて来ていたサーシャさん、ライ君リルちゃんの可愛い歓迎は元より、グランの歓迎にも「ほおー、建物が喋るのか。世話になる」と余裕の対応。
靴を履き替え喫茶店に向かい、「「いらっしゃいませ」」とミック君とキイの歓迎にも「おお、宜しくな」と大人の対応。キョロキョロして驚くジーク君ドイル君の普通の反応が微笑ましいですねぇ。
恒例のキイの挨拶とミック君の初入館キャンペーンのお知らせと、サーシャさんの館内の説明も滞りなくすみ……と言いたいのですが、やっぱり見つかっているんですよ。
「俺の酒飲みの勘があの場所を逃すなと言っている。なに!?宿泊者だけだとぅ!金ならある!払うから飲ませてくれ!」
と怒涛の勢いで詰め寄られ、初宿泊料金をお支払いしてくれましたよ。こちらにも正規の初宿泊者という事でキャンペーンがありまして、二人以上の宿泊はお一人様無料という事になりましたけどね。
という事で三人様ご案内です。いや、一人フリードリンクコーナーに突撃していきましたね。で、休みという事で昼からゆったり呑んでいる「セイロン」のヒースさんや「テラ」のスレインさんが、「お、親父も来たか」「俺がウィスキー作ってやろうか?」と会頭さんを迎えてくれています。
「おお、ヒースにスレイン元気そうじゃねえか。お、ジェイク相変わらず顰めっ面しやがって。ザック、お前呑んでいるのなんだ?」と会頭さんも気軽に声をかけて輪の中に入っていきます。これは会頭さんはあっちに任せても良さそうです。
僕はまだ状況が飲み込めていないジーク君とドイル君を案内しましょう。って言うか二人共なんか浮かれてますね。
「おい、ジーク!ジェイクさんいるぞ!相変わらず渋いよなぁ」「ドイル!ヒースさんだ!凄え、本物!ザックさんまでいる!」
うん、皆さんのファンなんですね。それも含めて楽しんで貰いますか。まずは大浴場に向かいますよ、と二人を誘導するとお風呂上がりのケニーさんと会います。
「やっぱり連れて来たのね。貴方達も楽しんで。私も親父さんに挨拶してくるわ」
にっこり二人に笑いかけて休憩所に歩いて行くケニーさん。「凄え可愛い……」「しかもいい匂いした……」と青少年を骨抜きにしていきました。レイナさんにあったらこの二人どう反応するんでしょうねぇ、と思いながら案内する僕。
脱衣場に着き、その綺麗さと珍しさに子供みたいにはしゃぐ二人は、大浴場を見ると「おおおおお!!!」と感激して叫んでました。ここも初めて使う人には案内が必要ですから、僕も裸のお付き合いをさせていただきました。
すると洗い場には「テラ」のグレッグさんの姿が。
「なんだ、トシヤ。また入館者連れて来たのか?」
と鍛えあげられた裸体を惜しげなく見せています。まぁ僕は別に気にしませんけど。ふん!
するとドイル君がグレッグさんに突撃していきます。
「グレッグさん!貴方の討伐の活躍話が俺の憧れなんです!握手して下さい!」
「うおっ!なんだ、なんだ?」
いきなりファンが押しかけて来て戸惑うグレッグさん。でも握手してあげるなんていい光景です。…… 裸じゃなければ。あれ?ジーク君、君もですか。うん、好きにして下さい。
握手をしてもらって上機嫌な二人に、まず洗い場の説明をし、サウナの使い方と大浴場の入り方を伝えます。その間にグレッグさんはまったりと大浴槽に浸かり「ゆっくり入って来な」と言って脱衣場へ歩いていきました。
その後は全部制覇したい男心でしょうか。僕は泡風呂でまったりしてますが、二人はサウナで楽しんだり、ジェットバスに痛がったりと声をあげて笑っています。全種類試してめちゃくちゃ楽しんでいますねぇ。
流石に落ち着いたのかまったり大浴槽に三人で浸かっていると、ジーク君が僕に話しかけてきました。
「なぁ、トシヤさん。トシヤさんは表には出ない方がいいんじゃないかな」
「あ、それ俺も思った。こんだけ凄え施設を持っているんだ。目立つ事は避けた方がいいんじゃねえかって」
ジーク君の言葉に同意するドイル君。うーんそれはどう言う事でしょうかね。確かに僕は目立ちたくはないですけど。
「ん?と言うと?」
「端的に言うと、グラレージュに商品を委託販売してみないかって事なんですけど……」
委託販売ですか。確かにグラレージュは知名度ありますし、販売実績も申し分ないですね。信用度は今日接しただけでも充分ですし。と僕が考えていると、ドイル君も言葉を重ねてきます。
「俺達じゃ信用ないかもしれないけど、親父さんの腕は確かなんだ。それにグラレージュだけに得があるわけじゃなく、トシヤにだって利益はある。一から築いていく手間も流通経路の開拓も既にこちらにはあるし……」
「それに契約書もきちんと作るし、貴族とも面倒なやり取りしなくても大丈夫ですよ」
流石に鍛えられているだけあって、二人が上手くカバーしながら説得してきますね。でもそうなんですよねぇ。面倒事は避けたいですし、それに……
「そうですねぇ。じゃあ、僕、二人に任せたいのですがそれじゃ駄目ですか?」
「え!?こう言っちゃなんだけど、俺らでいいのか?」
「ドイル!トシヤさんのこの機会は逃しちゃ駄目だ!トシヤさん、男に二言はありませんね」
僕の言葉に少し弱気になったドイル君を、ジーク君が発破をかけます。うん、やっぱりこの二人なら上手くやれそうな気がするんですよね。僕は魔石を買えるだけのお金があればいいわけですし、後はこの二人の手助けになれればそれで良いな、と考えたんです。上手く乗ってくれました。よかった、よかった。
「勿論ですよ。でも手数料は三割でいかせてもらいますよ」
僕の言葉に「当然です!」「勿論だ!」とやる気を見せる二人。いいですねぇ。僕も助かりますし。
またまたお風呂場で重要な話が進みました。
お風呂って凄いですねぇ。
じゃ、あとは会頭に話をつけましょうか。
((((;゜Д゜)))))))また上がってる… スゲエ!
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