出発しましょうー「テラ」と「セイロン」紹介ですー
予定より遅くなりましたm(_ _)m人数が増えて時間かかってしまいました。
ビビビビッッ!!
…… 遠くで何か鳴っています。…… ああ、起きないといけないのですね…… いや、もう行かなくて良いんじゃないですか…… そうですよ、僕なんか行かなくても…… 「ぐはぁっ!!」
何かが僕の上に飛び乗って来ました!
「おきてー」「おきてー」
え?この声はライ君リルちゃん?
「げほっげほっ…… なぜに君たちがここに?」
僕の上でキャッキャと楽しそうに転がっているライ君、リルちゃん。僕の疑問にはエアが答えてくれます。
「おはようございます、オーナー。起床時間でございます。なかなか起きて下さらないので、昨日スタッフルームに泊まったライ様リル様にお手伝いをして頂きました」
「いや、お手伝いって…… というかミック君、サーシャさんは分かりますが、何でライ君リルちゃんも?」
「ライいたらだめ?」「リルもだめ?」
僕の上でシュンとする二人。いや、そういう意味ではないですよ!
「因みに、スタッフルームに関しては、スタッフのお客様がお泊まりになる分には無料で御座います。当然ご両親の許可を得た上でのお泊まりとなっております」
僕の考えを読んだのかエアが答えてくれます。まぁ、ミック君もサーシャさんもまだ小さいから、この二人と一緒でも大丈夫でしょうし。いや、それは良いんですけどもしかして……
「エア、現在の入館者を教えて下さい」
「はい、現在スタッフのミック、サーシャ、ライ様、リル様を除いた人数は9名。大浴場を利用して今お帰りになるカルナ様、エル様、メイ様、フラン様と現在喫茶店を利用中のレイナ様、ザック様、ガレム様、ティア様。現在休憩所リクライニングチェアでお休み中のギルド長ブライト様が入館しております」
なんと、昨日からいた人達がほぼいるじゃないですか。ギルド長まで…… 帰るの面倒になったんでしょう。というかクライムメンバーも休憩所に泊まったんですかね。これは早く客室作らないといけませんね。
「ハッこうしちゃいられません!すぐに着替えます。ライ君リルちゃん起こしてくれてありがとうございました。着替えますから部屋のお外で待っててくれますか?」
「「はーい」」
うん、良いお返事です。ライ君リルちゃんは、ぴょんとベッドから降りてタタタッと部屋の外へ向かいます。猫獣人さんですもんね。身軽です。
僕は素早く着替えて朝支度をし、オーナールームの外へ出ます。丁度木陰の宿の女性陣が靴を履き替えているところです。挨拶に行きましょう。
「皆さんおはようございます」
「あ、トシヤ兄」「「おはよう」」「ふふ、まだ眠そうねぇ」
「皆さん凄いですね、もう動き出しているんですから」
「宿屋は朝早いの慣れてるからね。じゃトシヤ兄、ライとリルも宜しくね」
ん?ライ君リルちゃん?エルさん何の事ですか?
「昨日もねぇ、もう泣いて泣いて手がつけられなかったの。そしたらグランちゃんが『このホテル内は絶対安全です。お任せ下さいませ』って言ってくれるから甘えさせて貰う事になったのよ」
カルナさん、それいつの話です?え?グラン?僕が不思議そうな顔をしているとグランが話し始めます。
「昨日、ライ様リル様のご希望によりサーシャ、ミックと一緒にしばらく当館にてお世話する事になりました。まだ小さいお二人には館内に慣れて頂き、設備のご説明の補助を担って頂くご予定でございます。当面ライ様はキイが、リル様は私がメインとなってお世話させて頂きます。後はオーナーの許可さえ頂ければ準備は整っております」
なんと、君達もライ君リルちゃんに絆されちゃったんですか。可愛いし、癒されるから僕は良いんですけど。
「ライ君リルちゃん、お父さんお母さんとちょっと離れる事になるけど大丈夫ですか?」
「ライへいき!」「リルも!」
僕が最終確認しても元気に応える二人。するとエルさんから「その二人、普段からミックとサーシャと寝てるから、かえってミック達と離すほうが大変なんだ」と補足情報が。…… それは仕方ないですねぇ。
「わかりました。きちんと預からせて頂きますね」
「ごめんなさいねぇ。でもみんなの言う事聞く様に言い聞かせてはいるのよ。なんとか宜しくお願いします」
とカルナさんがお母さんの顔で僕にお願いして来るんです。まぁ、心配ですよね。でもお任せ下さい。ウチの子達は優秀ですから。
カルナさん達に「しっかり見ておきますから」と約束し見送りした後、ライ君リルちゃんを連れて喫茶店へ。カランとドアを開けると……
「「おはようございます」」「よお!」「「おはよう」」「(頷き)」とミック君やキイを始め、クライムメンバーからも挨拶で迎えられます。僕も挨拶を交わし席に着くと、ミック君がいつもの朝食セットを持って来てくれます。いやぁ、このタイミングは嬉しいですねぇ。
みんなは既に食べ終わりドリンクタイム。僕も話しながらも急ぎ食べます。すると、「いやぁすまん。泊まらせて貰ったわ」とギルド長が起きて来ました。
ギルド長も僕が食べているのを見て、同じ物を注文し食べ始めます。食べながらよくよく聞いて見るとやはり抜け出して来たギルド長。本人笑って「いつもの事だ」と言っていますが…… これは冒険者ギルドに着いたら怒りのヤンさんが待っている事は予想がつきます。飛び火が来ない様に早く出発した方が良さそうですねぇ。
僕が最後に食べ終わると、みんなで動きだします。「「行ってらっしゃいませ!」」「「いってらっしゃいましぇ」」とサーシャさんとグラン、ライ君リルちゃんに見送られ、宿から冒険者ギルドへ。
まだ薄暗い中、道中はワイワイと昨日の事で盛り上がっています。ギルド長もみんなに「魔石いっぱい持って来いよ」と声をかけています。そんなギルド長ですが、やはりギルドが近づいて来ると静かになって来ましたね。
冒険者ギルド前に着くと、ギルド長は足がピタッと止まってしまいました。よく見て見ると、ギルド入り口で仁王立ちしたヤンさんが笑顔で待っているじゃないですか。
「よくぞ戻ってこれましたねぇ、お気楽ギルド長。さぞ昨日はお楽しみだった事でしょう」
ヤンさん笑顔で言ってますが、それが余計に怖いです。
「いや、あのな「さ、行きますよ」…… はい」
言い訳しようとしたギルド長の言葉に被せて来るヤンさん。有無を言わさずギルド長を連れて行きます。あの人また帰れなかったんでしょう。ギルド長死ぬ気で頑張って下さい。
そんな哀愁ある二人の背中を見送っていると、他のパーティも集まって来ました。そうそう、ちゃんと正面玄関に馬車を用意していたんですよ、ヤンさん。「中に軽食も用意してますから」と言伝もして。働き者ですねぇ。是非見習って下さい、ギルド長。
そんな事を思っていると、既に三パーティで予定を話しあっています。おお、僕も聞いておかないと。
一応ギルド長も仕事してたんですよ。クライムメンバーに討伐場所や規模の詳細を伝えていたんです。ですからメインはクライムパーティになるそうです。
予定としては、スレイプニル馬車で半日かけて現地に行き、着いたら斥候を派遣して規模を掌握。翌日早朝に討伐に動き出すそうです。今話しあっているのは、道中の御者を誰がやるかというもの。
スレイプニルは、ゴブリンくらいなら走りながら倒してしまう機動力ある馬種。後は援護が出来る魔法使いが御者に適しているそうですよ。
で、結果「クライム」からティアさんと「セイロン」から獣人女性で魔法使いのケニーさんが最初を務める事に。二時間毎休憩を挟んで「テラ」の魔法使い青年グレッグさんと交代しながら行くんですって。
で、スレイプニル馬車は12人乗りなんですけど……空間拡張されていてもこの人達が乗ると狭いでしょうねぇ。この中に半日…… 皆さん慣れていても僕はきつそうです。ここはもう、エアを持ちながら皆さんを入館登録と行きましょう。
僕は「初めまして」と一人一人に声をかけながら、名前と年齢と聞いて行きます。まとめるとこんな感じです。あと僕から見た外見の感想付き。
〈テラ〉
・ボルク(22) 男性 リーダー 青い髪で精悍な顔つき。人間、剣士
・グレッグ(23) 男性 火と水の魔法使い 緑の長髪で整った顔でモテるでしょうね。人間。
・スレイン(19) 男性 斥候 安心の普通顔で明るい茶髪の普通体型。狼獣人。
・ジェイク(20) 男性 盾使い 筋肉質の大柄体型、黒髪で漢らしい熊獣人。
〈セイロン〉
・ゼノ(20) 男性 リーダー(ティアさんの舎弟) 筋肉が凄い大柄体型、紫の髪で顔に傷持ち男前。盾使いの獅子獣人。
・ケニー(18) 女性 雷と光の魔法使い 小柄で金髪ショートヘアの可愛らしい犬獣人さん。
・ハック(24) 男性 斥候 細身体型の安定の優しそうな顔で、狐獣人。
・ヒース(21) 男性 剣士 程よく筋肉がついたグレーの髪の色男。寡黙な狼獣人。
って感じです。すみませんね、雑な紹介で。これから親しくなっていけばもっとわかるでしょうからお待ち下さい。あ、因みにレイナさんは剣士で、ザックさん斥候、ガレムさん盾使いらしいですよ。僕知りませんでしたけど。
さて後は馬車内の空間にゲートを召喚させて貰って、と。
僕が何をやっているのかわかるクライムのメンバーは、魔力登録に一役買ってくれます。皆に乗る前に「エア」に指で触ってから入る様促してくれたんです。まぁ、怪しまれましたけどね。
で、中に先に入っているザックさん、レイナさんが正面玄関に誘導してくれたんです。ガレムさんはシューズボックス誘導係をしてくれてました。
馬車に入ったら不思議な扉がある事に「は?」「なんだ?」「うおっ!」「おいおい…… 」「嘘だろ」「……っ!」「ん?」と声を上げながらも入館完了。
唯一内情を知らない御者席にいるケニーさんは「え?なに?どうしたの?」と不安な声をあげていたんですが、ティアさんが上手くフォロー。宥めながらようやく出発しました。
さ、道中皆さんを歓待しますよ。
♪───O(≧∇≦)O────♪
アクセスありがとうございます!皆さんが喜びの驚きを下さいます!評価11、ブックマーク33までUPしてたんです!しかも本日現時点でPVが1500越え!土曜日マジックですか!?累計でいつのまにか8000越えなんですよ!?
……何度も目を擦ってしまいました…… 本当にありがとうございます!!!!
明日も更新頑張りますよ〜!予定と仕事があって明日は一本になるかもしれませんが、宜しければ明日もお付き合い下さいませ♪