クライムの皆さんを歓待しましょう 其の壱
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「何だこの立派な建物は…… ここがギフトの中なのか?」
正面玄関から中に入って来たレイナさんが呟いています。「なんなの……」「こりゃ、楽しくなって来た!」「…… 何だここは?」とティアさん、ザックさん、ガレムさんまで驚きの声をあげています。
「ようこそ亜空間グランデホテルへお越し下さいました。当ホテル総合受付担当グランと申します。当ホテルでは靴を履き替え、より快適に過ごして頂いております。まずはシューズボックスより室内靴に履き替えをお願い致します」
そこにグランの挨拶が入り、入館したばかりの「クライム」メンバーはキョロキョロとしています。まぁフロントが喋るのは不思議ですからねぇ。
という事で、まずは僕が先にホテルに入り靴を履き替える様子をお見せします。それを見て、自分達も動き出す「クライム」のメンバーたち。そこへ奥からトテトテ走ってくる足音がします。
「おかえりなさーい」「あれ?おきゃくさま?」
ライ君、リルちゃんがお出迎えです。思わず顔が緩んでしまいますねぇ。
「あれぇ?レイナさんだぁ。「クライム」のみんなもいる」
遅れてサーシャさん。二人の後を追って来たんですね。
「まああ!ライちゃん、リルちゃんここに居たのねぇ!」
靴を素早く履き替え二人に近づき、同時に二人共抱き上げるティアさん。力持ちです。抱き上げられた二人はというと「たかいのー!」「たかいねー」ときゃっきゃと喜んでいます。この二人強者です。ティアさんを怖がってないですよ。
「ねえ、トシヤお兄ちゃん。私がみんなを案内しても良い?」
そこへ願ってもない事をサーシャさんが提案してくれます。これは嬉しい。僕の口から話すよりも効果的かも知れませんからね。「ええ、是非お願いします」とすぐさま頷きます。すると「やった!頑張る!」と言って、クライムメンバーの前に立つサーシャさん。
「こほん!ではようこそお越し下さいました、「クライム」の皆さん。当ホテルは現在入浴施設、食事が取れる喫茶店、休憩室を完備しております。まずは当ホテルが誇る喫茶店にて、館内説明をさせて頂きます」
サーシャさんが言い終わって満足気にグランの方を振り返ります。「サーシャ、先に名前を伝えて下さい」とグランの指導はもう始まっているみたいです。
「あ、忘れてた!皆さんをご案内させて頂きます。スタッフのサーシャです。宜しくお願い致します」
ぺこりと頭を下げて「さあこちらへどうぞ」とみんなを促すサーシャさん。良い感じじゃないですか!え?さっき教えたばかり?そりゃすごい!
僕がグランから先程までの報告を聞いている中、状況についていけない「クライム」のみなさん。ザックさんだけワクワク顔してますね。
「皆さん、まずは僕のギフトを体験してみてください。皆さんの協力が欲しい理由がよりわかると思いますから」
僕の言葉に顔を見合わせるメンバー達。そこを「さあどーじょ!」「どーじょ!」と可愛い後押しが入ります。これには「クライム」のみんなもやられたのか「よし、みてみるか」「そう言われるとなぁ」「ああ」とサーシャさんの後について行ってくれました。
勿論一番先頭切って歩いているのはティアさん。嬉しそうにライ君リルちゃん抱いたまま、サーシャさんの後を歩いて行っています。三人とも可愛いですからねぇ。
「さぁ、お好きな席にお座り下さい」
喫茶店のドアを開けて、みんなを迎えるサーシャさん。カランという鈴の音と共に「「いらっしゃいませ」」とミック君とキイの声がお出迎えします。
ティアさんに抱かれたライ君リルちゃんは「あっちライの」「あれリルの!」とカウンター席にある自分の席を指差します。ティアさんにこにこ顔でカウンター席へ。残りの三人はテーブル席へ座ります。僕はカウンター席についています。席につくとキイからの挨拶が入ります。
「「クライム」の皆さんようこそグランデ喫茶店へ。喫茶店総合責任者のキイと申します。こちらの店では軽めの食事や各種飲み物、甘いデザートを提供しています。どうぞご利用くださいませ」
「助手のミックです。宜しくお願い致します」
ミック君も挨拶をすると、こほん、と咳払いをしてみんなに話し始めます。
「お手元のメニューをご覧下さい。本日初入館キャンペーンの一環として飲み物一品サービスさせて頂きます。お好きなお飲み物をご注文下さいませ」
言えた!という顔で満足気な顔をしているミック君。「良かったですよ」と優しい声でキイに褒められています。こちらも始まっていたんですね。
「まぁ、美味しそうな絵がついているわ」「飲み物ってこんなにあったのか?」「なんか知らないのあるな!俺コーラってやつにするわ」「……酒はないのか?」とそれぞれ感想が口に出てます。
お酒はないのです、ガレムさん。新しいもの好きそうなザックさんはコーラ、レイナさんは無難に紅茶、ティアさんはブレンドコーヒー、意外にもガレムさんココアでした。僕はいつものお願いします。
注文を受けて嬉しそうに「はい!畏まりました!」と元気に動きだすミック君。
カウンターからはよく見えますからね。ティアさん驚きまくりです。カップやグラスを置くと一瞬のうちに飲み物が準備されるんですから。
ミック君は一つずつお盆に乗せてみんなに配って行きます。ちゃんと「お熱いのでお気をつけ下さいませ」まで言って置いていくんですよ。素晴らしい!因みにサーシャさんもミック君のお手伝いしています。この辺は流石宿屋の娘さんです。
配り終えるとサーシャさんがみんなが見える位置に立ち、話し始めます。
「では館内設備のご案内を致します。私の後方に見えます部屋が無料で開放している休憩所で御座います。奥には男女別のトイレもご用意しております。休憩所内では当喫茶店にはない飲み物、甘味も有料ですがご用意致しております。えー……と、後は……あ!
喫茶店入り口の横、布の掛かった出入り口の奥が大浴場へと続いています。「クライム」の皆様は初入館キャンペーン対象の為、本日は無料でご利用可能です。是非お試し下さい」
言い切ってぺこりと頭を下げるサーシャさん。初日でこれは凄い!と思わず僕は拍手でサーシャさんを労います。するとキイとグランからも拍手の音が聞こえてくるじゃないですか。これにはサーシャさんにっこり。嬉しそうにミック君のところに行ってハイタッチしています。
すると、黙ってみていたレイナさんが僕に話かけます。
「で、トシヤ。詳しく話してくれるか?」
うん、サーシャさんのおかげでつかみは良いですね。
「はい。僕のこのギフトである施設は未だ未完成です。この施設を増強する為に魔石がかなり必要となって来ます。また、この施設は後ろ盾がありません。僕は多くの人に楽しんで貰えるためにも冒険者ギルドと商業ギルドの後ろ盾がほしいと考えています。
そこで、全面協力をしてくださっている木陰の宿の皆さんに相談して、浮かび上がったのが皆さんです。勝手を言う様で申し訳ありませんが、魔石採取の専属契約と、冒険者ギルドのギルド長への繋ぎをお願いしたくてここにお連れしました」
「成る程ねぇ、これだけの施設が亜空間にあるってだけでも凄いのに、中の設備が今後更に発展していくのであれば後ろ盾はあった方が良いでしょうね」
僕の説明に一番に反応してくれたのはティアさんです。
「しかもこれだけの設備にかかる魔石ったらすげえ数だろうしなぁ。用意出来るのは高ランクパーティだろうし」
魔石の量も理解してくれたのはザックさん。
「……ギルド長に面識あるのは俺達だしな」
ガレムさんも理解してくれたみたいです。
「そしてそれらを明かせる信頼できるパーティって見てくれたのかい?……何とも嬉しい話じゃないか。だが私らはこれでもAランク冒険者だ。きちんと報酬はあるのかい?」
レイナさんも上手く乗って来てくれました。
「はい。魔石に関してはきちんと現金でお支払い致しますし、専属契約してくださるなら、この施設の年間入浴無料パスポートをおつけします。またギルド長への繋がりのお礼といたしまして、宿泊施設が出来た際には年間宿泊無料パスポートを進呈したいと考えています」
僕の言葉に考えるレイナさんは、しばらくしてからパーティメンバーに向けて話出します。
「なあ、みんな。この話受けるかどうかの前に、まずは入浴や休憩所も体験してみないか?そのあとみんなの意見を聞こうと思うがどうだい?」
「勿論よ」「当然試すっきゃないでしょ」「構わない」
レイナさんの言葉に好感触の肯定の返事をするクライムメンバー。
わかりました!では心ゆくまでおもてなしさせて頂きます!
日本人のおもてなしの凄さを見せつけてやりましょう!
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