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確認しましょうか

 

 目の前を人?々が普通に歩いて行きます。もう獣人さんでいいでしょうか。


 獣人さんが近づいてきたので、一旦宙に浮いた文字に「消えてください」と念じると消えたんですよ。便利です。


 これはもっと検証しなくては。人目がないところでやりたいですね。


 広場からちょっと離れたところで良さそうな場所があります。怪しまれない様に移動しましょう。


 大木の影に隠れてまた呟いてみます。宙に浮く文字を改めてステータスボードと言いましょうか。


 ステータスボードのHPは生命力でしょうし、MPは定番で行けば魔力でしょう。僕にも魔力あるんですねぇ。比較出来ないので多いのかどうかはわかりませんが。


 さて「生活魔法」の方も気になりますが、何より気になる「亜空間ホテル」です。お金の無い僕にとっては当面の休み場にもなるでしょうし…… まずはステータスボードをタップできるか試しましょう。


 《亜空間ホテル》

 ーーーーーーーーーーーーー

 正式名称:亜空間グランデホテル


 設定バージョン:カプセルホテルAタイプ


 初期設備:オーナールーム(トイレ、クローク付き)、フロント。


 使用方法:オーナーのみ「ゲートオープン」で扉が出現し、「ゲートクローズ」で扉を収納。宿泊者はオーナーが許可した者のみ扉に魔力を記憶させて宿泊可能。


 注意事項:宿泊内部にてオーナーや入館、宿泊者に害すること、暴力、付属品の窃盗、脅迫行為は強制チェックアウトとなる。

 ーーーーーーーーーーーー


 おおお!!正に今僕が望んでいるものじゃないですか!これは中に入って検証しなければ!


「ゲートオープン!」


 興奮の余り声に力が入ってしまいました。すると観音開きをした木製の扉だけが空間に立っています。


 …… これ、扉だけこの場所にあると騒ぎになりませんかね?そう考えて扉に触れると情報が頭に流れ込んできました。


 《オーナー限定開示情報》

 ーーーーーーーーーーーー

 扉はオーナーと宿泊者にのみ見える設定。一般の人は通り抜ける為、そこに扉があるとは認知されない。防水、防火、魔法耐性有り。

 ーーーーーーーーーーーー


 うん、これはまごう事なくチートです。しかも詳細を教えてくれるとはなんて嬉しいのでしょう。有り難いです。


 早速入りましょう!


 …… おお、いい感じです。お上りさんの様にキョロキョロしてしまいます。


 内装はクリーム色の壁紙に焦茶のタイル状の絨毯マットが敷き詰められていますね。北欧風のウォールライトが優しく室内を照らし、正面には小さめのフロントがありました。


 僕も受付しないと行けないのでしょうか?


 横のスイングドアからフロントの中に入ると、内部カウンターにはノートパソコンサイズのウィンドウ二つとキーボードがあります。


 画面を見ると、「初めましてオーナートシヤ様。ようこそ亜空間グランデホテルへ」と画面に映し出されています。


 グランデって大きい、凄い、偉大な、という意味でしたね。ふむ、何か期待感が増してきました。


「ご丁寧にありがとうございます」


 思わず返答してしまいました。すると、


「これからよろしくお願い致します」

「まずはオーナールームの登録をお願いします。認証致しますので背後にある扉の前に移動をお願い致します」

「1秒程扉の前で立って頂くと認証終了後オーナールームが開きますので、中にお進み下さい」


 画面表示と共に音声で答えてくれます。会話可能なAI搭載なんですね。楽ですねぇ。


 え?気楽過ぎる?いいんですよ。細かい事は気にしないタイプなんです、僕は。


 さて、扉に向かい直して立つと、しばらくするとカチャッという音がしましたので、扉を開けて中に入ります。


 手前に横並びの畳二つくらいの通路空間があり、左壁の扉にはトイレ、右壁にはクロークがありましたね。奥には横長のカプセルルームが二つあります。


 カプセル内はシングルマットレス布団、薄がけ毛布、枕がセットされています。リネンもきちんとついています。照明に更にTV付きです!え?見れるんですか?と思い、電源をつけてみるとフロントの様子が映像で写し出されました。


 そうですよね…… 異世界でTV番組見れないですよねぇ。


 ちょっとガッカリしながらも入り口の扉の方向をみると、扉の横にタブレットが嵌め込まれています。


 近づいて見てみると、これは某りんご社タイプに似ているものですね。おや、壁から着脱可能みたいです。これはカプセルベッドに座りながら検証してみましょう。


 靴を脱ぎ、ベッドに上がって壁によりかかり楽な体勢になります。ちょっと一息ついて、タブレットの電源ボタンを押すと『ようこそ!』と文字と音声で歓迎されます。


『まずは魔力認証を行います。丸いホームボタンに人差し指を当てて下さい』


 画面の指示通りに人差し指を置くと、ふわりと何か身体から抜けた感じがしました。


『ようこそ!オーナートシヤ様』


 画面が切り替わり、メイン画面に移行しましたね。アプリが出て来ました。


 《亜空間グランデホテル設定》

 《追加オプション》

 《トランクルーム》

 《入館者登録》

 《入館者状況確認》


 ふむ、これまた一つずつ検証しなければいけません。まずは《亜空間グランデホテル設定》をタップしてみます。


 【名称】亜空間グランデホテル

 【設定バージョン 1】カプセルホテルAタイプ

 【バージョンアップ】0/100(魔石数)

 【限定オプション店】(喫茶店 MP40,000で追加可能)

 【空調設備】 ON /(OFF)一日MP100消費

 【室内清掃】召喚時 ON/(OFF )一回MP1000消費

 【カプセル内防音、消臭】ON/(OFF)一日MP100消費

 【音声対応設定】ON/(OFF) 初期搭載機能

        

 これは…… 現在のバージョン以外にも他に種類ありそうですね。初期はカプセルホテル Aタイプですか。バージョンアップに魔石が必要とは。これは熟考案件ですね。


 ん?この空間に喫茶店が出来るのですか!これは確実に欲しい!試したい案件ですが、落ち着きましょう。


 現在空調、清掃、防音、消臭、音声対応がONの状態なんですね。これはこのままにしておきましょう。


 それにしても当座の衣食住のうち、住が確定。食の見込みもあるのが嬉しいですね。ただ全体を把握しない事にはMPも使えません。


 …… 何とも不思議なギフトですねぇ。色々不安や疑問、先の心配も確かにありますけど、それほど慌てずに済んでいるのはこのギフトのおかげです。


 まずは足元を固めましょう。


 気持ちも切り替えて、期待の《追加オプション》をみてみましょうか。


アクセスありがとうございます。

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