館内設備を増強しましたーオープンラウンジとシューズボックスと自販機ー
設備説明回ですかね。
「「「すごーい!!!」」」
「こりゃすげえ!」
喫茶店内に四人の歓声が響きます。それはそうでしょう。喫茶店の左側の壁がガラス張りに変わり、喫茶店から休憩室が見える様になったのです。
「なぁ、見に行こうぜ!」
リーヤが珍しく子供っぽく興奮しています。「行きたい!」「私も行く!」と同じ様にはしゃぐミック君にサーシャさん。
エルさんは僕の顔を心配そうに見ています。看破スキルで僕の状態見えたんでしょう。大丈夫ですよ、エルさん。そう伝えようとした時「ピンポンパンポーン」と館内に電子音が響きます。
『館内にいるお客様にご連絡致します。新たな設備が設置されました。休憩所は、入館のみのお客様も無料でご利用頂ける施設です。また付随した設備、男女別トイレも設置致しました。こちらも館内で御用の際お気軽にご利用下さいませ。
また現在来館中のお客様にお願い致します。シューズボックス設置の為、館内は土足厳禁とさせて頂きます。御足労おかけ致しますが、正面フロント横シューズボックスにて館内靴に履き替えをお願い致します。
何かご質問ございましたら、ホテルフロントまでお越し下さいませ。本日も亜空間グランデホテルをご利用ありがとうございます』
グランの声でアナウンスが入り、話し終わりに「ピンポンパンポーン」とまた電子音が鳴り響きます。何か懐かしい音ですね。
「皆さん、まずは靴交換に行きませんか?」
「そうだな。グランさんがお願いしてきた事だし」
「靴替えるの?」「なんで?」
「掃除が楽になる為だって。さ、行こ」
僕の提案にも協力的な皆さん。考えが柔軟ですねぇ。そう言う事で、シューズボックスの確認から行きますか。
正面入り口まで行くと、今までなかった段差が有り、入り口から向かって右側に六足入りシューズボックスが二つ連結されて設置されていました。扉を開けると、ヒール部分がフラットなルームシューズが入ってます。
皆さん現在履いているのはブーツタイプですけど、余裕で入る大きさになっています。設置物はこの世界に対応してるんですね。
グランから「右端三つは子供用ルームシューズをご用意しています」と案内されたミック君やサーシャさん。嬉しそうに「僕たちの大きさだ!」「すっごいふわふわ」と早速履き心地に満足してくれているみたいですね。
リーヤもエルさんも「良いなこれ。足が気持ちいい」「うわぁ、面白いね」と高評価でホッとします。僕も室内ばきに履き替えます。つま先が見えないタイプでお風呂上がりも足が冷えませんね。これは良いものを出しましたと思っていたら、既に履き替えたみんなは休憩所の方へ移動しています。
僕も遅れて見に行きます。休憩所は広めに取られていて、一人用リクライニングチェアが前後に五台ずつ横に並び、椅子と椅子の間にテーブルが設置されています。
奥には男性用、女性用トイレ。共に個室が三つあるちょっと大きめサイズです。
「うわぁ!これ背中倒れるよ!」「フッカフカだね」と既に使い方を理解しているミック君と座り心地に満足気なサーシャさん。「トイレも広くなってるな」と相変わらずチェックが早いリーヤ。「女子トイレって良いね!綺麗な洗い場もあるし!」とエルさん。そうか、この世界男女別って考えがないのですね。
みんなが喜んでみているのを見てホッとしながらも、僕は自販機もエアに頼みます。エアが「畏まりました」と言った後、トイレ入り口横に現れたジュース・コーヒー専用自販機、お菓子専用自販機、各MP5,000。
「うおっ!いきなり出てきたこれなんだ?」「箱の中に何か入っているよ」「ボタンある」「キラキラしてるね」とみんな集まってきました。サーシャさんがキラキラしているというのは電気?がついて明るいからでしょう。
お!ジュースの種類増えてます。缶コーヒーも種類あっていいですね。コーヒー牛乳も入ってますよ!これは嬉しい。そしてもう一台は、ああ!ポテチがあります!板チョコレートにクッキー、フルーツキャンディ、袋菓子詰め合わせもあります。種類あって楽しいです。
と楽しんでいたのは僕一人。他のみんなはこれが何かわからず不思議そうです。試しにポテチ100ディア(MP1)とクッキー100ディア(MP1)、板チョコ100ディア(MP1)、コーラ100ディア(MP1)×3、リンゴジュース100ディア(MP1)×2を買って試食会を開きましょう。
「みんな食べてみて下さい」
一つのテーブルの上に置き、食べやすい様にセッティングしてジュースを配ります。リーヤは既に勘が働いているのか「これ美味そう…… 」と呟いています。
僕がポテチをパリパリ食べ始めると、みんなも食べ始めます。「「美味しい!」」と口を揃えていうのはミック君とサーシャちゃん。エルさんはチョコレートに挑戦して「甘~い」と笑顔になっています。リーヤは黙々と色々食べながらブツブツ呟いていますから、研究モードにスイッチが入ったんでしょう。
「みんな、この自販機って言う箱から出てきた食べ物は、持ち帰れますからね。宿で頑張っているみんなのお土産に、買っていっても大丈夫ですよ」
僕の説明に飛びついたのはミック君とサーシャちゃん。「みんなにお土産!」「ライやリルが食べても大丈夫だよね」と反応し、リーヤにお願いに行っています。リーヤもエルさんも持って帰る気満々で、四人で自販機の前を陣取り「アレ買おう」「コレ美味しいよ!」と選んでいます。
良いですねぇ、家族思いの姿を見るのは。微笑ましい。設置した僕も満足です。でも今日はこれ以上は無理ですね。夜は木陰の宿に食べにいきましょう。
それにもう一つ気になっているのが、《亜空間グランデホテル設定》の……
【名称】亜空間グランデホテル
【設定バージョン 1】カプセルホテル Aタイプ
【バージョンアップ】0/100(魔石数)←コレです!
【限定オプション店】喫茶店 設置済み
【空調設備】 ON /(OFF)一日MP100消費
【室内清掃】召喚時 ON/(OFF )一回MP1000消費
【カプセル内防音、消臭】ON/(OFF)一日MP100消費
【音声対応設定】ON/(OFF) 初期搭載機能
カプセルホテルもいいのですが、バージョンアップも試してみたいのです。何せ高級路線で行くわけですから。
自販機でワイワイしているみんなに聞いてみましょうか。魔石の入手方法。
あ、エルさんコーラ飲んで驚いてる…… 。
最初は驚いても病みつきになりますよ。
アクセスありがとうございます!物語が動く様に頑張ります。
今日は夕方もう一本更新出来そうです。