設備を増強しましょう
予定より早く出来ましたので更新します。PV2100突破!ありがとうございます♪
「…… ん?」
おはようございます。まだ寝ぼけているトシヤです。何やら呼ばれた気がして目を覚ましたのですが、頭が働きません。ボー…… っとしていると、エアが僕を呼んでいます。
「オーナー。おはようございます。早速報告させて頂きます。既に入館者が二名、グランデ喫茶店にリーヤ様、フロントにてエル様がいらっしゃいます。エル様が先程からオーナーをお待ちですが、いかがなさいますか?」
おお、昨日の今日で既に入ってくれているのですね。
「すぐに準備します。エルさんにちょっと待っていていただく様に伝言をお願い出来ますか?…… あれ?エア、ところで今何時ですか?」
「現在三の刻、日本時間で午前10時を過ぎたばかりでございます。エル様は現在グランが対応中です。グランよりエル様からの伝言が届いております。「急がなくて良いよ」と言付かっております」
「ありがとう、エア。グランにもありがとうって伝えておいて下さい」
どこまでも僕に従順なエアに感謝を伝えると「恐悦至極に存じます」と答えるエア。助かりますねぇ。そういえば僕、服ずっと着たままでした。下着も替えた方が良いですね。
「エア、【取り扱い備品】からワイシャツと、男性用下着出して貰えますか」
「畏まりました。【取り扱い備品】よりワイシャツ(M・L・LLサイズ×各10枚) MP600、男性用下着 各種サイズ×各3枚 MP30を消費致しましてベッドの上にお出し致します」
エアが言い終わると出現するワイシャツと下着。僕のサイズはLですから、その他のサイズは《トランクルーム》に入れておいてもらいましょう。
早速新しい下着とワイシャツに着替えて、クロークに残りのワイシャツと下着をしまいます。クロークからフェイスタオルを持ってきて、トイレで顔を洗ったら「エア」を待ってオーナールームを後にします。
「だからね、グランちゃん。今日入浴回数券買いに来ると思うんだけど、どうやってグランちゃんはお金を受け取るの?」
「はい。この様にお出ししますので、回数券をお取りになりましたら、中に硬貨を入れて頂けたら支払い完了となります」
ドアを開けたら、エルさんの質問にグランが対応しています。そしてフロントのカウンターの一部分がカパッと開いて閉じるといった会計方法のデモンストレーション中でした。
…… そんな仕組みだったんですか。もっと格好良く出てくる仕組みだと思ってましたよ。
「あ、トシヤ兄おはよ。良く寝てたね」
「おはようございます、オーナー」
二人が僕の存在に気づき挨拶をしてくれます。まぁ、グランは当然気づいていたでしょうけど。
「エルさん、グランおはようございます。エルさん、今日は何か約束してましたっけ?」
「ううん。でもね、ちょっと困った事になっててね。トシヤ兄、ウチの宿に戻ってもらっても良い?」
おや、なんでしょうね。まだ何も動いていないので問題が起こる事はない筈ですが…… ?
そう思いながら正面入り口から宿に戻ると、「なんで僕達が知らないのさ」「そうよね。起こしてくれたって良いのに」と、頬を膨らませ拗ねていたミック君次男(7)とサーシャちゃん四女(7)が、ベッドに腰掛けて待っていました。
そうか…… 君達もいましたね。
「だから朝説明したでしょう?ほら、トシヤ兄連れてきたから機嫌直してよ」
二人に声をかけてから、「トシヤ兄この二人も《入館者登録》して欲しいんだけど良いかな?」と僕にお願いしてくるエルさん。成る程、納得です。そりゃ、仲間ハズレは嫌ですよね。
これは二人には機嫌を直して貰わないと。改めて僕から挨拶をし、二人にも自己紹介して貰いましたが、意地になっちゃったのか目を合わせてくれません。それでも本気で怒ってないのが、チラチラと僕の様子を窺っていることからわかります。
なんとも微笑ましいものです。そう思いながら二人に魔力認証して貰い、二人とも亜空間グランデホテルの正面扉が見えた時には「「やったー!!」」と喜ぶ姿がまた可愛くてほっこりします。
「トシヤ兄ちゃん早く行こうよ!」「エルお姉ちゃんも早く!」と機嫌が直った二人に急かされて、また亜空間グランデホテルへと戻ります。
初めて入った二人は面白そうに周りをキョロキョロし、グランからの挨拶にしっかりとお辞儀をしながら「「宜しくお願いします!」」と元気にご挨拶。
どうやらエルさんによると、二人はメイさんフランさんにしっかりこのホテルについて聞いてきた様子。話が早くて良いですね。そろそろ僕もご飯が食べたいので、四人で喫茶店へ向かいます。
カランカラン。
喫茶店のドアを開けると、聞こえてきたのはリーヤさんとキイの話し声。
「じゃ、昨日の父さんの食べてたオムライスの上にかかっていた調味料、ケチャップだっけ?アレなら応用が効きそうだね」
「はい。パンに浸しても、スープにしても、お肉のソースにしても美味しいですよ。あら、いらっしゃいませ。オーナー、エルさん。そして初めまして、ミック君、サーシャさん。このグランデ喫茶店の総責任者キイと申します。宜しくお願い致します」
カウンター内にいるリーヤと話をしていたキイが、僕らに挨拶をしてくれます。キイの優しい声で挨拶を受けた二人も笑顔で「お願いします!」「綺麗な声!お願いします!」とキイに返事をしています。
「お、トシヤようやく起きたか。ミックもサーシャもホテルに入れて良かったな。すげーだろ、ここ」
自分の事のように自慢するリーヤに、「リーヤ兄ちゃんだって昨日知ったばかりのくせに」「ねー」と顔を見合わせてツッコミを入れるミック君とサーシャちゃん。
「おはようリーヤとキイ。キイ、お腹すいたんですが、サンドイッチとコーヒー、それにオレンジジュースを三つお願いします。リーヤはどうします?」
「あ、俺もコーヒーってやつ飲んでみたい」
「じゃ、コーヒー二つでお願いします」
そう言ってカウンター内に入って行こうとすると、リーヤにカウンター席に戻されました。どうやらリーヤが動いてくれるみたいです。
「キイさん。コーヒーとオレンジジュース三つの分、俺払うよ。いくら?」
「さっすがリーヤ兄!」とエルさんがリーヤをおだてると「「リーヤ兄ありがとう!」」とミック君とサーシャさんもちゃんとお礼を言います。家族内でもちゃんとお礼ができるのって良いですよね。
「リーヤ、僕が払っても良いですけど」
「トシヤは昨日いっぱい払ってくれたろ。お前とはフェアでありたいんだ。つってもこのホテル自体当てにしてるあたりから、お前に頼ってるけどよ」
リーヤがニッと笑いながら、なかなか嬉しい事を言ってくれます。親しくともお金関係をきちんとする人とは、長く付き合える様にしろ、と爺ちゃん言ってました。爺ちゃん異世界でも同じなんですね。
ちょっとほっこりしながらも、僕のMP残量も気になりました。
「キイ、リーヤに金額教えてあげて下さい。エア、全部引いた上で僕のMP残量教えて下さい」
僕の指示にまずキイが答えます。「はい、オーナー。リーヤさんはブレンドコーヒー 300ディア、オレンジジュース 300ディアが三つ、四品合わせて1,200ディアでございます」と言って、カウンターの一部をカパッと開けて「ここに入れて下さい」と伝えています。
リーヤはちゃんと細かいお金持ってきてくれたのか、銀貨一枚と銅貨二枚を丁度入れてくれました。この辺も良く気づいてくれて助かりますね。それが終わると、今度はエアが話し始めます。
「オーナーの本日の使用済み魔力は、【空調設備】と【カプセル内防音、消臭】のMP200、【大浴場・脱衣場管理】を総合してMP550、【取り扱い備品】からワイシャツ(M・L・LLサイズ×各10枚) MP600、男性用下着 各種サイズ×各3枚 MP30、ブレンドコーヒー 300ディア(MP3)、BLTサンド 700ディア(MP7)、以上でMP1,390でございます。そして、現時点のMP残量は48,610でございます」
「うん。ありがとうございます、エア」
僕とエアの会話を聞いていたエルさんは、「エア計算早い!」と驚いていますし、リーヤは「すげえ、魔力量…… 」と僕の魔力量に驚いています。ミック君サーシャさんは首を傾げてましたね。うん、ジュース飲んでいてくださいね。
それぞれが注文した物を口にしていると、僕の考えている事に気づいたエアが提案をしてきます。
「オーナー。本日【館内設備】を追加するのであれば、オープンラウンジ[一人用リクライニングチェア×10 サイドテーブル×5 コーヒーメーカー×1台 湯沸かしポット×2台 客用男女別トイレ付き] MP35,000を提案させて頂きます。
またシューズボックス[中型六人用 室内靴×6 鍵付き]MP900を二つご用意して頂けたら、館内掃除のMPの節約とお客様の快適さの向上に繋がるかと愚行致しますが、いかがでしょうか?」
流石エア。入館だけの人達の休憩所を優先してきましたか。それは僕も同じ考えだったので納得です。それに自販機も欲しいんですよね。
「トシヤ兄!もしかして設備増やすの?」
エルさんがワクワクした顔で僕に聞いてきます。
「昨日居なかったミック君とサーシャさんにも特別感をあげたいですからね。ミック君、サーシャさん。今から部屋が増えますよ。今ここに居ないご家族より先にお見せしますからね」
僕が二人に笑いかけながら言うと「やったぁ!メイお姉ちゃんとフランお姉ちゃんに今度は私が教えてあげるんだね!」「僕はお父さんとお母さんとライ、リルに伝えるよ!」と張り切ってくれます。いやぁ良い反応です。
「お!ラッキー!良い時に俺居たもんだ」「私も初めて見るから嬉しい!」とリーヤとエルさんまで喜んでいます。まあ、娯楽みたいな感じなんでしょうね。これ。
「では、エア。オープンラウンジ、シューズボックス二つの設置をお願いします」
「畏まりました」
さあて、どうなるでしょうねぇ。
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