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ダンジョン慰安旅行 3 ー4階層ー

 「オーナー、コーヒーのお代わりいかがですか?」

 「良いですねぇ」

 「シュバルツ様はいかがなさいます?」

 「私も頂きます」


 はい、皆さんこんにちは。ダンジョン移動中のトシヤです。


 目の前ではアルコとレンが撲滅戦をしている中、トゥクトゥクの中はほのぼのしています。


 キイがお菓子とコーヒー用意してくれているんですよ。いやあ、危険な場所にいるはずなんですけど、周りをのんびり見ることが出来るって良いですねぇ。


 ん?コボルトが消えた?


 「あれ?ドロップ品落ちてますねぇ。拾わないんですか?」

 『オーナー!ここのドロップ品は、コボルトの皮と骨ですよー!我がグランデホテル一行には必要無いものかと』


 僕の質問にアルコが無線で答えてくれましたが……アルコ今も戦闘中ですよねぇ。凄い余裕です。


 『そろそろ飽きてきたぞ』

 『やっぱり動きたいわぁ』


 おや、ヘルメット無線を使って、デノンさんとビニーもアルコに参戦の意思を伝えています。


 『駄目っすよ!ここは俺っちの出番っす!でも大丈夫っすよ。四階層はどうやらデノンの旦那達の出番になりそうっすから!』


 ふむ、レンも結構余裕ですね。かなりのハンドル捌きをしていますが、会話しながらとは見事なものです。


 そんな感じで三階層のボス、コボルトキングも瞬殺したアルコとレン。入った瞬間に息つく暇もなく連射に次ぐ連射で倒してましたよ。


 なんだか僕、ボスに同情してしまいました。


 ボスがドロップ品に変わると、ボス部屋から四階層に続く階段が現れました。アルコが車両から降りてみんなに声をかけます。


 「はーい!皆さんお待たせしました!四階層はオークですよー!しかも上質な赤身肉がドロップするレッドオーク、脂がのっているお肉のイエローオークもいます!狙い目ですよー!」


 案内するアルコの声に反応したのは、元クライムのメンバー達。


 「オークくらいならビニーやデノン様の出番じゃないわねぇ」

 「そういう事!」

 「俺達で十分だ」


 ティアさん、ザックさん、ガレムさんがバイクを降りて、既に戦闘態勢に入ってますねぇ。なんか格好良い登場です。


 「そう言われちゃあ出れねえな」

 「そうね。出番は後にとっておくわぁ」


 デノンさんとビニーは渋々引き下がりましたが、意外にも食い下がる人物が!


 「チョット待って下サーイ!私モ参戦シマース!」


 ティモがティアさん達に近づいていきます。おや?ティモ本当に戦えるんですか?


 「レイナサンの代わりになりマスヨ!私ノ武器も剣デスカラ!」


 そう言って交渉に入ったティモ。ティアさん達も困惑気味ですが、フォロー出来るだろうという事で四階層はこの4人に任せる事に。


 そしてレンがみんなの車両を一旦収納して、全員で階段を降りていきます。


 ん?今まではどうやって降りていたかって?そこはアルコですよ。快適な旅行をお届けする力を使って、階段をスロープ状にしてましたからね。


 おや、四階層に着きましたね。


 四階層も相変わらず神殿のような造りです。相変わらず通路は広いですねぇ。うん、オーク達の叫び声も聞こえます。


 「じゃ、この階層からはコレっすね!」


 レンがまたもや車を出してくれるみたいです。ん?コレ……水陸両用のバスじゃないですか!しかも小型!


 「やっぱり旅行気分大事にしたいっすから!グランデ特製オープンバスっす!どんな場所でも走れるフォルムに、オープンバス故の中から攻撃可能!勿論安心の亜空間設定!乗り心地は動いている事もわからないくらいっすね!シートもゆったり間隔で配置!カラオケもあるっすよ!」


 いやいや、ダンジョンでカラオケって……

 

 「お!良いねー!」

 「あらぁ、私の美声が聞きたいのぉ?」


 意外にもカラオケ人気です。戦いの邪魔になりませんかね?


 「お!なら激しめの曲頼むぜ!」

 「そおねえ、出来るなら雰囲気にあったものがいいわ」


 まさかのザックさんとティアさんからのリクエストが!ガレムさんは黙秘してますが、ティモもノリノリですね。じゃ、リクエストに応えながら出発しますか!


 4人以外全員バスに乗り込みいざ出発。前を行く4人の歩くペースでの移動ですから、ゆっくり進んでいきます。勿論運転はレン、そしてマイクを握るのはこの人。


 「さあ!始まりました、四階層オークの巣!解説は私アルコがお送り致します!

 さあ、メンバーの紹介です!前を行くのは元Aランクの斥候俊足のザック!その横には今や家庭持ちの雷光のティア!そして控えるは、セクトの酒は俺が作る!鉄壁のガレム!

 そしてー、我がグランデホテル料理長でありながら、見事な刀捌きを見せる高速の解体人ティモ!」


 ノリノリの実況を始めたアルコに、更にノリノリの4人。それぞれポーズをつけたりしてましたが、ガレムさんも拳を上げて応えてくれてましたよ。


 しかもバックグラウンドミュージックは、超有名!竜の冒険の旅のテーマソング。軽快な音楽に合わせてノってくれるものですから、車内は盛り上がりましたねぇ。


 ん?カラオケはって?

 

 まあ、良いじゃないですか。アルコノリノリですし。お!遂に遭遇ですね!


 「さあ、前方から走ってやってきたのはレッドオーク三匹!赤身肉の登場だ!」

 「任せろ!」


 アルコの実況より先に動き出したのは、ザックさん。素早い動きでオーク達の隙間を駆け抜けます。


 すると次の瞬間レッドオークが赤身肉に早代わり。


 「おおっと!まずは俊足のザック!的確に弱点を突いて瞬殺!やりますねぇ」

 

 アルコの実況に腕を上げて応えるザックさん。その後ろからイエローオークの集団がやってきます。


 「気を抜くな!」


 大盾を持っているとは思えない動きで、ガレムさんがフォロー。ついでにシールドバッシュをかけたんでしょう。弾き飛ばされたオーク達が肉に変わります。


 「ザックもガレムもやり過ぎよお!」


 今度はいつの間にか後方に回って、強烈な雷の雨を降らせるティアさん。しかもお肉に変わってからも雷が止まらなかったので、お肉の焼けた良い匂いが辺りに充満しています。


 「あらぁ?」とぺろっと舌を出すティアさん。その横を素早く誰かが通り抜けます。


 「食材ハ新鮮さガ命デスヨ!ティアサン!」


 なんと体格に似合わない動きをするティモ。更に後続から来たイエローオーク達に向かって行きます。


 「ギャ」「ギョ!」「ゴァッ」


 オーク達の悲鳴が聞こえると思ったら、素早い動きでオーク達の頷に掌底を喰らわし、素早くオークの頭の解体を始めるティモ。


 「OH!やっぱりデスカ!解体次第デドロップする部位ガ変わリマスヨ!」


 ホクホクした笑顔で、ドロップ品のオークの舌をみんなに見せるティモ。みんなはその技術に拍手喝采。


 いや、タンは食べたいですけど……


 なんとなく解体現場を見た僕には、オークの舌が美味しそうには見えなかったんですけどね。後ほどティモが、しっかりタンシチューにしてくれた時はお代わりまでしましたよ!美味しいには、勝てませんからねぇ。


 四階層はそんな4人が上手くフォローしながら、順調に進みボス部屋まで進みましたよ。


 四階層ボス部屋は、オークキングとイエローオーク、レッドオークの群れ。


 ここはカラオケで「We Will ◯ock You」を熱唱するビニーの美声で、盛り上がったメンバー。いやあ、格好良かった。リズムに合わせて戦う姿って見事ですねぇ。


 歌い切ったビニーにも拍手喝采!

 いやあ、良いものが聞けました!


 ん?ドロップ品はどうしたのかって?グランが瞬時に収納してくれているのでお肉を残す事はありません。ええ、うちには幾ら食材があっても良いですから。


 「さあて!次は五階層!ゴーレムゾーンですよ!」


 また地下へ続く階段が出現し、アルコの案内により五階層の魔物が判明。


 ……ゴーレムですか。

 そろそろウチのエースが動きますかねぇ?

アクセスありがとうございます♪明日も投稿予定です!

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