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グランデスタッフのダンジョン慰安旅行 1

 「うおっしゃー!やっとストレス発散出来る!」

 「おや、デノン。ストレスなんてあったんですか?」

 「いやいや、シュバルツ様。あのデノンさんが視察にずっとついて来ているんですよ。これは労ってあげなければ!」

 「我がオーナーはお心がお優しい」

 「流石私達の生みの親ですわ」


 はい、皆さんお久しぶりです!トシヤです。今、会話していたのは、上からデノンさん、シュバルツ様、僕、グラン、キイのいつもの視察メンバーです。


 街の中をゾロゾロと歩きながら、会話する僕達。このメンバーだけでも目立つのに、まだ居るんですよねぇ。


 「私が本気を出すなら、一人で十分よぉ」

 「ビニーはそうねぇ。私も久しぶりに腕がなるわぁ」


 僕らの後ろを歩くのは、ビニーと元クライムメンバーティアさんのコンビです。ビニーは実体化してから、ジュニアのBARによく行きますからねぇ。そこで働くティアさんとは、もはや昔からの友達の様な雰囲気ですよ。


 その二人の後ろにもこれまた久しぶりの人達が。


 「おい、ガレム。お前大丈夫か?酒作りで手が離せないと思っていたんだけどよ」

 「たまには良いかと思ってな。正直、思いっきり身体動かしたかったところだった。それに、今日はジェイクが変わってくれたからな。心配はない」


 ガレムさんの肩に腕を回して、話しかけているのはザックさん。ザックさん漫画喫茶でゲームばかりやっているかと思ったら、フィットのジムで鍛えていたり、偶に風の痕跡への誘いに挑戦していたんですって。うーん、いつの間に……


 更に今日のメンバーにはこの人達もいます。


 「偶ニハ身体を動かサナイトいけマセンカラね!」

 「は?ティモのその体で動くの?」

 「馬鹿にシナイで下サーイ!新鮮な素材ヲ取りニ行くノモ料理人トシテ大事な事デス!」

 「いや、そういう事じゃないけど……ま、いっか」


 はい、やる気になっているのはティモ。そして会話していたのは今や、我がグランデホテルの防衛隊長となったアルコです。ティモがまさか来るとは予想外でしたが、アルコはこの企画に絶対乗ってくるだろうなぁって思ってたんですよ。


 そう、このメンバーで向かっているのはディゼラのダンジョンなんですよ!事の発端はデノンさんなんですけど……


             ****


 「トシヤ〜。情勢も落ち着いてきたし、そろそろ休み取ろうぜ」

 「ん?僕は大歓迎ですが……」


 ここに来る前グランデホテルの休憩所で、打ち合わせ中だった僕ら。アースメント国にも出張扉を設置しましたからね。問題は……


 「……何ですか?私はそんな了見の狭い男じゃないですよ」


 恐る恐る見る僕とデノンさんからの視線を感じた、我らがまとめ役のシュバルツ様。僕とデノンさんの反応が不満だったのか、ほほ笑みのシュバルツが少し出ましたね。


 ハッ!まずい!話題を変えないと!


 「うんうん、勿論ですとも!ところで、デノンさん何かやりたい事でもあるんですか?」

 「おうよ!セイロンがディゼラのダンジョンアタック行ったんだろ?結構面白かったって言ってたじゃねえか!そこに行かねえか?」


 おお!ダンジョンですか!とても興味深いですが……


 「うーん、じゃあ僕はお留守番ですねぇ。足引っ張るだけですし」


 そう、僕は今は普通の一般人です。デノンさん達についていく事なんて無理ですし、何より戦えませんからねぇ。


 「そうかぁ?おーい、アルコ!行けそうだぞ!」


 ニヤッとするデノンさんに呼ばれて、出てきたアルコ。

……まさかグルですか?


 「はいはーい!デノンさんようやくですね!あ、オーナーはお任せ下さい。私の風の痕跡への誘いがありますからね!」


そうでした……!アルコの装備がありましたか!しかし、まだ逃げ道が……


 「ふむ、そうであれば、スタッフも誘ってダンジョン慰安旅行でも行きましょうか?」

 「シュバルツ様ナイス!ね、オーナー。みんなも誘って行くのも面白そうじゃないですか?」


 まさかのシュバルツ様も乗ってきたじゃないですか!なんだか実体化してよりノリノリになったアルコが、僕を巻き込みます。


 ハッ!やばいですよ!慰安旅行と言われたらオーナーの僕も参加になってしまうじゃないですか!


 「いやぁ、それはいいですねぇ。皆さん行って来て下さい。まあ、僕は琴の温泉にでも浸かってゆっくりと……」

 「オーナーのお世話は、このグランが責任を持って致しましょう」

 「私も勿論協力致しますわ」


 どうしましょう。すっかり僕付きの執事とメイドになったグランとキイが乗り気です。そして僕があわあわしている間に、すかさず館内放送で幹部みんなを呼び出すグラン。


 そして提案にノリノリのメンバー達に連れられて、既に僕はディゼラの街を歩いているんですけどね。


 「大丈夫っすよ。俺っちの運転技術があればなんて事ないっすよ」

 「いやぁ……まあ、そうでしょうねぇ」

 「楽しみっスねぇ!俺アルコッちの車両でダンジョン潜ってみたかったんすよ!」


 楽しそうなレンの顔を見ていると言えませんが……いや、だから僕が居る意味あります?


 「まぁまぁ、トシヤ!お前まで絶対回ってこないだろうから、観光気分で行こうぜ!」


 不服そうな僕の表情に、背中を押すザックさん。


 まあ、確かにこのメンバーなら安心ですし。

 ちょっと楽しんできましょうかねぇ。



 二千文字くらいでダンジョン編更新開始です。明日も更新予定です。更新日は基本不定期ですが、あとがきでお知らせします。

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