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再生と発展に向けて 行き先決定ですよ

 朝からざわざわと人が交差するターミナル。


 「おはよう!」「ああ、おはよう。今日もいい一日でありますように」「うわ!間に合わない!」「ねえ、今日の予定って何だっけ?」「今日は朝から会議だわ。気が重い……」「ねえ!今日の朝ドラ見た?」「見た見た!あれターミナルのモニターでしか見れないんだもん。早起きして出てきちゃった!」「やっぱりファイ様よね!」「あら?ジュニアさんよ」……


 色んな声が聞こえてきます。活気が出てきましたねぇ。ん?「朝ドラ」って何って?いやぁ、ウチのAI遊んでましてね。増えてきたAI達で「グランデホテル物語」ってドラマやっていまして、何と主人公はファイなんですよ!新しく配属されたホテルにやって来た新人ホテルマンとして、個性豊かなスタッフに囲まれて、問題を乗り越えながら成長していくヒューマン?ドラマです。


 考えたものですねぇ。おかげでホテル内の宣伝にも一役買っているんです。まずは最近の職員さんや冒険者や商売人の間で話題になって来た「入館手続き」。実は、まだまだ「入館手続き」の解放はしてないですから。最近は商業職員であれば、勤務態度や勤続年数によってギルド長が発行、冒険者であれば依頼達成数100越えが条件でギルド長が発行。街の人はギルドに協力的、支援した方が面談によってどちらかのギルド長が発行という形になっているみたいです。


 次にパスポート。年間宿泊パスポートが特に人気になってきて、AI達の狙い通りステータス的な位置にあるそうです。とりわけエグゼクティブフロアですね。もちろんリゾートホテルAタイプコンドミニアムモデレートも人気です。が、高級感が溢れるエグゼクティブフロアが皆さん憧れだそうです。んー、だったらBタイプも早く設置した方が良さそうですねぇ。


 あ、そうそうもう一つ報告が。何と!僕のステータスがアップしたんですよ!みて下さい!


【ステータス】

 トシヤ (19) 男

 HP 900

 MP 10,000,000

 ギフト  亜空間ホテル

 称号   異世界からの来訪者


 気付きました?僕のステータスかなりスッキリしましたでしょう。実は今回朝起きたら、エアから報告があったんですよ。


 「おはようございます。オーナー。実は創造神様から打診がございました。スキルの「生活魔法」をご利用頂けていない様でしたので、全てオーナーのMPに統合させると大幅な増加が見込まれるそうですが、いかがなさいますか?」


 思わず「はい?」って言っちゃいましたねぇ。なんとエアに創造神様から打診があるとは!エアはやり取り出来るんですか?と聞いたら「今回のみでございます。それも回答だけでございますが、一言くらいはお伝えできます。いかがなさいますか?」とエアが言うものですからね。


 ……そうなんですよねぇ。ホテルが快適すぎて生活魔法要らなかったんです。最初は嬉しかったんですけど、ギフトが凄すぎました。と言う事で、感謝と共に、MPへの統合をお願いします、とエアに頼んだんですよ。「畏まりました」と言うエアの返事の後、僕の身体が一瞬ほわっと光に包まれたんです!あったかい力でしたね。そしてエアによって知らされた驚きの数字!そして身体が軽い、軽い!


 ピョンピョン跳ねていたら、「グリム一家開拓記」を見終わったライ君リラちゃんが「ライもはねる!」「リルも!」と混ざってきたんです。まあ、ジャンプの高さが変わるわけではなかったので、普通にライ君リラちゃんの方がジャンプ力あったんですけどね。朝から嬉しい報告と嬉しい時間でしたねぇ。


 「……トシヤ!おいトシヤ!聞いているのか?」


 僕の目の前をデノンさんの手が揺れています。おや?どうしました?あ、ここエグゼクティブクラスの会議室?


 「お前なぁ……目開けたまま寝てたのか?ほれ決まったぞ!」

 「おや?えーと……なんのことでしたっけ?」


 デノンさんの言葉に、思いっきり空想にふけっていた僕は恐る恐る聞き直します。すると、あちらこちらからため息と共に「やっぱりですか……」「ふふふ、楽しい夢を見ていたのですわね」「ああ、トシヤ君らしいね」「いつもこんな感じだからねぇ」「ふふっそうねぇ」とボードン一族の声が聞こえてきます。


 「良いですか、オーナー。もう一度言いますから今度は起きていて下さい」


 おわ!出てしまいました!氷のシュバルツNEWバージョン!冷笑のシュバルツ!これ笑っている顔なのにすごい冷気の圧を感じるんですよ。うあああ……さ、寒い。あ、はい!聞きますとも!


 「では最初から。ドルナウ復興と共に国の流通を図る案として「グランデターミナル」を「国営化」する話でここに集まっているのは覚えていますね」

 

 冷笑のシュバルツ様の話にブンブン頷く僕。


 「よろしい。そして話は「国営化」としてメインで動くのは、このメンバーです。ホテル総合管理職兼宰相代理の私と、ホテル・ターミナル総合会議室室長のユーリ、グランデホテル調理室長イクサ、亜空間ターミナル運輸・配送・宅配総合管理職デノン、補佐にカーヤ。商業・冒険者ギルド代表サム。そして最高権限のある総支配人のトシヤオーナーで運営していきます」


 あー……僕で良いのですかねぇ。ライル王様で良いんじゃないですか?と思っていたのがバレたのか、「ライルはこのメンバーの下の位置にいますからね」と釘を刺すシュバルツ様。うーんのんびり計画がぁ……と全て顔に出てしまう僕の様子に更にため息を吐くシュバルツ様。


 「全く……良いですか。基本的に私達が動きますから。オーナーは要所要所で動いて下さればそれで構いませんから」


 頭を抱えながら話を続けるシュバルツ様。その様子にクスクス笑いが起こります。うん、そうであれば変わりませんし良いですねぇ。顔色がすぐ変わる僕に呆れながらシュバルツ様が続けます。


 「そして正式にグランデホテル兼ターミナルの後ろ盾には、このエルセラ国がつきます。が、基本的にはホテル運営はいつも通りです。お好きなようにオーナーが動いてくださって構いません。但し!これだけは言いますよ。施設の設置には必ず私を呼ぶ事。これを破ったらわかりますね?」


 おお……シュバルツ様満面の笑み。これはアインさんを凌ぐ恐怖です!「はい!必ず!」と思わず立ち上がり敬礼ポーズをとってしまった僕。「何ですか?それは?」とシュバルツ様にすぐに座らせられ「あなたはいつも通りでいいんです」と今度は普通のシュバルツ様の笑顔になります。……ふう、何とか乗り切りましたか。


 「お前はわかりやすいなぁ」と何故かデノンさんに撫でられる僕。その様子に「そこがいいのですわ」とユーリ様。「そうだねぇ」とコーヒーを飲みながらイクサ様。笑顔で見守るカーヤ様。「それがトシヤ君だからね!」とサムさん。皆さん、何故か褒められている気がしないのですが……まぁ僕ですしねぇ。仕方ありません。


 「そして今後のターミナル開通予定地は次の通りです。1番目にクオーク海近隣の街からシームズの街。これはオーナーのメイン扉付きで専属護衛組に動いて頂きます。次にターミナル宅急便センターへ依頼をするのはワインの産地エヴァンスの街とブルガレアの街です。ここは重要なこの国の食を支える街でもありますから」


 シュバルツ様の説明についサムさんを見てしまう僕。「え?僕の一存じゃないよ!」と言って皆さんを見るサムさん。ああ、皆さん何気に微笑んでいますから全員の総意ですか、と納得する僕。


 「更に辺境の地フィフスの街とダンジョン資源の豊富さからディゼラの街。こちらも同時進行でターミナル宅急便センターへ依頼をかけます。こちらは軍備関係の為です」


 ん?何やら方向性が変わりましたか?とシュバルツ様を見ると「備えというものは何もない時こそ行っておくものですよ」と意味深な事を言っていましたねぇ。皆さんを見ても普通通りという事は、僕が知らなくていい事の様です。これは話してくれる時期を待ちましょうか。


 「この件は関係各所を優先的に知らせ、いずれ全ギルドに告知していく様サムに一任しています」というシュバルツ様の説明に「任せて!」とサムさん。頼もしいですねぇ。そしてベックさん頑張って下さいと心の中で激励を贈る僕。


 「依頼に関してはこちらで行いますし、資金も国持ちです。オーナーに入るお金は、あちこちに落として行って下されば国に循環しますから積極的にお使いください。現在潤沢にありすぎていますからね」更に笑顔のシュバルツ様。あ、これは宰相の側の笑顔でしょうね。まあ、許可出ましたし、張り切って使わせてもらいましょう!


 「と、これで以上です。細かいところは後は我々にお任せ下さい」シュバルツ様をはじめ皆さんが僕に頼もしい笑顔を見せて下さいます。


 嬉しいですねぇ。

 僕が僕らしくありながらも、進んでいけるなんて。

 頼もしい信頼出来る仲間があってこそです。


 よし!気合いを入れて進んでいきますよー!

アクセスありがとうございます!私事で急ですが、今回の回で毎日更新から週二日更新に切り替えさせて頂きます。毎日いつも見てくださった皆様ありがとうございます♪そしてまだまだ拡張が続くトシヤ達グランデホテルを引き続き宜しくお願いします。今度は毎週水曜日と土曜日更新とさせて頂きます。今週は水お休みで土曜日更新ですね。内容もまだまだ書くことがありますが、ちょっと一区切りにしてみました。これからも是非応援してくださいます様お願い致します(*´꒳`*)

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