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366日目 ブツが出来た…?

 わたしが捕まってそろそろ一年経ったわ。あぁ、そうそう。前回の最後だけど、無事に終わったわ。うちの研究室が縛りプレイやらかしたがる変態の集まりだと思われなくてよかったわ…。



 え? 縛りプレイは別として変態の集まりでしかないって? どこがよ。うちのメンバーはわたしと、雷教授。咲に輪入道、クネクネに尺八様、ぬらりひょんに河童とこっくりさんよ? 変態の要素なんてないじゃない!



 あ。時間ね。えーと……、うーん、駄目っぽいかしら。



「メリー。どう?」

「駄目っぽいわ」

「やっぱ駄目なんじゃないの?」


 むぅ。いや、そんなはずはないのよ。これでいけると思うのよね。



「さすがの雷教授でもその発言は見過ごせないわよ」

「でもさぁ、BCS理論は既に廃れた理論だよ?」

「いやいやそんなことないわよ!?だって、2020年に発表されたアレ、高圧だけど常温で超電導発現するのよ!?だのにBCS……でいけるらしいのよ!?だったら、クーパー対つくってボーズ凝縮が」

「いや、メリー。あれ、微妙に信頼性ないだろ。そういう論文出てたろ」


 そりゃそうだけど……。え? 何言ってるか分からない? 雷教授とわたしの方向性が合わない! ってだけよ。



「ねぇ、メリー」

「何よ?」

「この作品、コメディなの。それ、コメディに関係あるの?」

「こっくりぃ!あんた、それを言ったら戦争よ!?」


 メタいのよ! てか、ナチュラルに心読んでくるんじゃないわよ! 



「こっくりさんとしての特性なの」

「知ってるわよ!?」


 じゃなきゃ中高の女の子たちがやって聞くような「何々ちゃんの好きな子誰ですか?」なんて質問に答えれないモノねぇ!



「まぁ、前の話では」

「いい加減しばくわよ」

「縛られるなら構わないの」

「ノータイムでキモイ発言を返してくるんじゃないわよ」


 ドン引くから。あーもう、わかってたけど、こいつやばいわ。マジで縛られることに喜びを覚える子じゃないの。最強ね? だって、大人しくさせようとして縛ったら喜ぶし、放置してたらウザいし。



「まさか、こっくり。貴方、うんざりさせて自由になろうとしてる?」

「そんな頭があったら「黙れ河童」げふっ」


 こっくりがぶん投げたビーカーが河童の頭にシュート! 頭に当たって皿がなんかひどいことに! 河童の扱いとしてはそれでいいけども! さすがに心配ね。大丈夫かしら。



「今時、暴力系モブとか……ガクッ」


 あ。大丈夫そうね。いつもの通りなんか余裕ありそうだし。



「というか、メリーもメリーで普通にメタいの」


 うん? あぁ、あれね。え? から始まる一連の件ね。いいじゃない。メタと言わなければメタにならないわ。



「いや、メタなの」

「だから心読むんじゃないわよ」

「こっくりですしお寿司」


 はぁ、こんなの出来るのに何で前……というか初対面の時、一切役立てられなかったのかしら。



「出てきた時点で死亡確定だからだと思うの」

「そうね。そのとおりね」


 わかってるじゃない。出てきてしまった時点で敗北確定。お疲れー。って場面よ。



「なのに何で出てきてしまったのか」

「だから馬k「ふんっ!」カフッ」


 河童が死んだ! この人でなし!



「死んでないの。後、あたしは人じゃないの。怪異なの」

「そうだったわね」


 いつもわたしも自分のこと人って言わずに怪異って言ってたのに、何言ってるのかしら。あ。マイクロピペットのチップ 無くなってるじゃないの…。



「ん」

「ありがと」


 こっくりさんが無造作に持ってくれてる袋の中のチップに直接、ピペットを押し付けてセット! 必要な量を取って、液をセルに入れてー。うげ。ワイプ…。



「ん」

「ありがと」


 こっくりさんからワイプの箱を差し出してくれるから、そこからワイプとって拭きとって…。こっくりさんは空になったの潰してくれてるわね。ありがと。



「こっくりさんがいてくれると楽ね!」


 一家に一台こっくりさん。そんな時代が来るかも!



「来ないの。そもそもこっくりは家電じゃねぇの」


 そっかー。いけるかと思ったんだけどね。さて、反応させるのにスターラー(マグネットスターラー)入れて、温度上げて放置してましょうか。



「いけると思った根拠を聞かせて欲しいの。こっくりは怪異なの。それをわかってるの?」


 わかってるわよ。でも、こっくりって複数存在出来る系の怪異でしょ? たぶん。だったらいけると思うのよ。



「ここが普通じゃないからどうしようもねぇから諦めているだけなの。ぬらりひょんとかいなけりゃ普通に、呪い殺してグッバイしてるの」

「物騒ねぇ…」

「怪異を呼んでおいて帰還させるまでちゃんとやらないほうが悪いの」


 それもそうね。わたしみたいに勝手に来る系じゃなくて、自分で呼ぶ系の怪異だもんね。後片付けまでしっかりできないようなら末路は……うん、って感じよねぇ。



「あれ?でも、なんでぬらりひょんがいたら駄目なのよ?ぬらりひょんは妖怪だけど、こっくりさんは霊でしょ?カテゴリー違わないかしら?」

「カテゴリーが違えば力が通用するなんて思わない方がいいの。圧倒的な力の前には、んなもん無力なの。無理が通れば通が引っ込む。なの。所詮、有名な霊にすぎないこっくりでは、妖怪の王みたいなぬらりひょんには勝てないの……って、メリーもだからいるんじゃないの?」


 はっは。それだったらまだ救いがあったのよねぇ。普通に買い出し行ったときに逃げれるし。



「わたしはわたし自身の在り方のせいで捕らわれてたのよ。メリーさんは電話をした相手のところまで電話しながら近づいていかないといけない。だのに、最後の最後、人の後ろに立つ前に電話できなかったのよ!」


 だから見事にバグって、哀れなわたしは逃げれなくなりましたとさ。ちゃんちゃん。



 って、聞いてないじゃないの! 何で携帯弄ってるのよ!?



「聞いたけど見直した方が早いなって…」

「だからメタいって!」


 このこっくり、容赦なくメタをぶち込んできやがる…。



「捕らわれた恨みを知るがいいの。てか、メリー。さっき捕らわれてたって言ってなかったの?」

「聞いてたんかい」

「聞いてたの」


 聞いてないと思ってたわ…。もろに携帯触ってたもの。



「こっくりはこっくりさんなの。たまーにこっくりを召喚した奴らが全員しゃべりだしたりするの。「どれに答えたらいいの、ふざけんなファッキン!なの」になるにしても、全部を聞いてやることは大事なの。だから二つの情報の処理くらいは余裕なの」


 へー。あ。そうだ。一応、もう一個作っときましょ。



「こら。あたしの質問を無視するんじゃねぇの」

「しないわよ。作りながらでも答えられるし……。というか、この行為自体が答えじゃない?」


 思いたったらすぐ行動。それが出来るのってやろうとしてることがめっちゃ興味あるか、好きかじゃない?



「いやでもやらないといけないことはあると思うの。パソコン死んだから復旧しないと駄目とか」

「そりゃそうでしょうよ」


 実際あったわよ。電話かけたのに「ごめん忙しい!やらなきゃいけないことがあああぁ、ガッシャーン!」って切られたこと。



「でも、この場合は当てはまらないわよ。そりゃ、結果が早く出るに越したとはないけど、好きだからやってんのよ。言わせないでよ、恥ずかしい」

「直接、(いかずち)とか咲に言えばいいと思うの」


 嫌よ。めっちゃうれしそうな顔をしてくれるでしょうけど、雷は距離感測るのへたくそだから、ウザがらみされそうだし。



「メリーに言われたら終わりなの」

「何でよ!?」


 わたしは結構、距離感測るのはうまいと思ってるのよ!?



「はっ、所詮、当社比なの。この研究室基準になってると思うの。それに、そもそもメリーはメリーさんなの。人の迷惑考えないで電話した挙句、近くまで来るやつが距離感測るのうまいとか片腹痛いの。鼻で笑えるの」


 ……確かに! やばいわ。反論する言葉が何も思い浮かばないわ。よし、こうなったら。



「雷!ちょっと買い出しに行ってくるわ!電話頂戴!」

「逃げるの?」


 うるさいの。あ。口調が……。



『買い物お願い』

「任されたわ!」


 いざ、出発! 今の実験は放置しても大丈夫なやつだしね!

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