精霊はコミュ障!
大変遅れました。生きてます
「我は精霊の女王。この森を統べる者だ。」
……どうしよう……私コミュ障かもしれない….
「………せい…れい…おうさま……?」
「ふむ…我のことを知らぬか…まぁ無理もない。我も今初めて人間を見たのだ…」
どうしよう。変な喋り方しかできない。
思っていることではあるけど喋り方がどことなく威圧的というかなんというか…
しばらく黙って考えていると目の前の少年は慌て出し
「っ!い、いえ!存じてはおります!様々な大地にて、精霊様の名は轟いております。」
おぉ!フェン達の名前がそこまで!それは嬉しいな!
ところでこの子は帰れるのだろうか?というかなぜこの森に?
「ほう……我の子達の名か…それはなかなか……さて、人の子よ…お主は何故この森に?」
「え、えと…お母さんが病気になりまして……薬が必要なのですがお金がなく、薬代を稼ぐために薬草を取ろうとこの森に入りました。」
なるほど…それは大変だ…あれ?それにしては何も持っていないような……そう思ってゴブリンだった物を見る…一つの死体のすぐ近くに血まみれになった小袋がある
近づいて中を見てみると袋から滲み出ていたのかゴブリンの血によって赤く、臭くなってしまった薬草らしきものが入っていた
「どうやら先ほどの小鬼どものせいで使い物にならなくなってしまったようだな…致し方ない。ここで暫し待っておるがいい。」
私は急いで飛んでいく
「ねぇアシストボードさん!薬草ってどんな形?」
『基本的には貴女の世界にある蓬と同じような見た目をしております』
ふむ…早速探そう……ただし…
私は泉に戻り、みんなを呼ぶ
「はーい!妖精のみんなー!お手伝いして欲しいことがあるんだけどー!手伝ってくれる子来てくれるー?」
そう呼ぶと、みんな「はーい!!」「なになにー?」「ママと一緒におってつっだいー!」と、ニコニコしながら寄ってきてくれる
「あのね、薬草が欲しいの!こう…葉の先が互い違いに生えていて面が緑色で、裏の方がちょっと濃い緑、それで産毛っぽいのがついてるやつ!えっと……」
言葉だけでなく実物を見せようとあたりを精霊眼で見てみる
うん、周りに精草しかない。
『精草であれば、薬草で作るよりもさらに高度な薬が作れます。』
なるほど
「みんな、予定変更!!この周りにある精草を集めて欲しいんだ!」
「わかったー!」「がってんがってんー!」
「きょうそうだー!」「いちばんおおくとったこがママにほめられるー!」
おうみんな張り切って集めてくれてる!だがな、終わったらみんな褒めてやるからな、競争しなくていいからなー!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
数分後、私の身長の1.5倍ほどの山ができるぐらいの量の精草が取れた
「み、みんな頑張ったね!これだけあれば足りるよ!ありがとう!あとでいーっぱい褒めてあげるね!」
みんなから喜びの声が溢れる。それを背に、私は急いでこの精草の山を精霊魔法で風を操り、運んだ
戻ると、先ほど待っていろと告げた場所に少年が座り込んで、こちらを待っていた
お待たせ!これだけあれば足りるかな?
「待たせたな、これだけあれば足りるであろう。好きなだけ持っていくがいい」
相変わらずの上から目線!治らんね…
「こ、こんなに?!……あれ…?でも薬草じゃないような……」
これは精草、薬草よりも効果の高い薬が作れるよ!
「これは精草…薬草なぞよりもさらに効果の高い薬が作れるであろう……」
「そ、そんな物を?!あ、ありがとうございます……!」
そういうと少年は泣きながら土下座をしてきた……
おおう…なかなかのハイテンション…
危ないし送ってあげようか?
「ここからこの量を持ち帰るのは危険であろう……どれ、我が送ってやろう」
「えぇ?!そ、そそそんな、そこまでしていただかなくとも……」
いいのいいの、単なる気まぐれだから
「よいよい、単なる我の気まぐれだ。黙ってされるがままになるがいい」
そうして村にまで送ってあげました
本来なら今日の午後7時に出す予定だったのですが。確認ボタンを押し忘れ、ずっと出せていませんでした。大変ながらお待たせしてしまい誠に申し訳ございません。