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水龍ミュール

水龍ミュール


ラポーチと聖竜そこに水龍が加わり、ラポーチはまずは結界の魔法を解いた。

辺り一面に虹のような靄がかかると徐々にその靄が透き通って行く。

そして岸まで来ると水龍はラポーチをあたまから降ろし、ミュールは変身魔法を使い人型に変化していく。

今までは祠に掛けられた魔法により自らの魔法も封じられていたようだ。


「え~~!」2回目


まあこのくだりはボルケールで経験済みなはず、竜種は年を重ねると変身(魔法)すると言う事は確認済みだ、もちろん水龍も人化の魔法を使える。

2千年前には彼女も変身ができなかった、それゆえに水龍の姿で暴れまわるしかできなかったが、今は違う人型に変身すれば彼女は美しい女性へと変身するのだ。


「見ちゃダメ!」


そこには100人からの兵士達、誰もがよだれを垂らすほどの美女が裸体で目の前に現れたのだから反応しない訳がない。

すぐにアリスリアがマリーに頼み着替えを出してもらうと着物をミュールの肩にかけてやる。


「ありがとうございます」ミュール

【まさか女性だとは】

「あら私は知ってたわよ」ジャクライン

「わーキレイな人~」マリー

「いや人じゃないのだが」ドーン

「あはは」レドラ

「驚きの連続だな」隊長


地底湖にはもともと魚が生息していたがその大きさは本来50センチが最大だった、3メートルもある魚など最初はいなかった。

聖女はこの湖に水龍を封印する為に魔法を使い餌を確保した、小さい魚ではすぐに枯渇してしまうからだが。

水龍もそれを知っていたがため乱獲するようなことはしなかった、普段は地底湖の底に身を沈めおとなしくしていたのだが。

ラポーチ達が洞窟へ入りこの地底湖へと近づくと聖竜の声が聞こえたと言う、ラポーチも湖の底に大きな生き物がいるのは分かっていた。

水龍は同族の声につられて湖の底から挨拶に出てきた、おなかも減っておりついでに魚を捕まえようと思ったがそこにラポーチ達がいたと言うわけだ、この地へ訪れたのが偶然なのか?封印した聖女は遠い未来の事を見越していたのだろうか。

当時の聖女はすでにこの世にはいない、今となっては誰も本当のことなど知ることはできないが、まるで水龍の力を借り海を渡れとでも言っているかのようだ。


服を着てようやく落ち着いたミュール、

その姿はまるで水の女神のよう、何故かボルケールが前かがみになりいつの間にか全員の後ろへと隠れてしまった。


「あんたなにしてんのよ」ジャクライン

【ま まずい】

「あ~おじちゃんどうしたの~」ラポーチ

【う~うるさいこっちへ来るな】

「あはは、ポーちゃんあまりからかったりしたら可哀そうよ」アリスリア


見ると半分の兵士が股間を押さえており、水龍ミュールを見て男ならだれもが虜になってしまうのも仕方がないことなのかもしれない。

ちなみに彼女は異性を惑わすサキュバスと同じような誘惑の魔法を使う事ができる。

思わぬところで仲間が増えた形だが、まるでおとぎ話の伝説のような話。


「お初にお目にかかりますミュールと申しますよしなに」

「あたしはラポーチ、こっちはオーパ」

「キュー」

「ジャクラインよ」

「私はコッテロールよ」

「私はアリスリアよろしくね」

「スゲーキレー、ってマリーです」

「聖女ラポーチ様の下僕マーベルと申します」

「ドーンだよろしくな」

「レドラよよろしくね」

【ボ ボルケールじゃ、ゥ収まらん…】

「近衛隊隊長ゼックだ」


ここからはミュールも加わり先を急いだ、水龍ミュールは転移魔法でこの場所へと連れて来られたため外=洞窟の中がどうなっているのかは分からないと言う。


「はい、聖女ノリアーナに封印されてからは外へ出たことはございません」

「いったい何をやらかしたの?」アリスリア

「港町を5つ破壊しました、それと海もかなり荒してしまったので…」

「だが今は反省したのだろう」ドーン

「はい2度とあのようなことは致しません」

「でも同族はいないのか…」

「その当時の事は分からないけど、原因は人族にありそうね」アリスリア

「討伐でしょうね」マーベル


水龍一族は場所が変われば海竜とも呼ばれていた、多いときは300体から500体が暮らしていたらしい。

そして海の生物の頂点でもあった。

だがその当時海へ出た人族から敵視されるとともに、どんどん捕獲されたり殺されたりと言う事が多くなって行く。

魚が採れる場所には必ず水龍一族がいたからだ、そこに人族の船が魚を求めて出向けば両者は否応なく遭遇する。

当然のことながら弱い方が犠牲になり、人族は水龍を退治するために賞金まで出したと言う。

当時の王は強者を募り海竜退治に乗り出した。

人族の力を侮っていた海竜たちは次々に捕縛又は殺されて最後の1頭になるまで減らされてしまった。

勿論海竜たちもその力を使い嵐を呼び人族の港町を壊しまわった、数と思考で勝る人族にはどんなに体が大きくともかなうことは無かった。

そこへ聖女が現れ海竜族の最後の1頭を助けることにした、当時の王様も水龍1頭にまで減った所でようやく聖女の話を聞き入れ討伐の命令を取りやめることにしたのだ。


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