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帝国再生その2

帝国再生その2


詰所で囚人服から文官が着る仕事服へと着替える、本来ならば風呂に入り収監されていた時の垢を落とし臭いを消してから望みたいところだが今はそんな余裕などない。

24人全員が着替えるとすぐに謁見の間へ、そこにはすでに帝王ジードが待っていた。

だが彼は王座に座っているのではなく立っていたのだ、文官達は全員それを見て唾を飲み込む。

次に発っせられた帝王の声は、自分たちが収監されるときに聞いた声と全く違っていた。


「皆すまない私は魔王に操られていた、だが聖女様のお力で魔王の支配から解放されたのだ、皆の力を借りたい、この国を取り戻すためにどうか力を貸してほしい」


そう言って帝王ジードは文官達に頭を下げた。


「ジード様、頭を上げてくださいわれら文官はもとよりこの国に命をささげております」宰相

「必ずや元の、いえ前より良い国にして見せましょう」

「お~」


そしてすぐに計画が全員に知らされた、文官達は手分けして指令書の作成をし、さらにそれを届ける伝達方法を決めて行った。

用意された羊皮紙は10枚、届ける場所は8か所だが2枚は予備と言った所。

文官は用意された文章をそのまま羊皮紙に書き入れて帝王の刻印を押す、そして8か所に2名ずつに分かれて帝城脇の通路から転移館へと行き、アリスリアの隷属魔法で魔族達を操り主要な市へと指令書を手に散って行った。


「うまく行くだろうか…」ジード

「大丈夫だよ私が付いてるんだから」ラポーチ

「ラポーチにそういわれてもね~」レドラ

「大丈夫ですよきっと」マーベル


転移館ではアリスリアが気絶していた魔族全員に隷属魔法を使用して協力させることにした。

魔族が国に帰るには全員この転移館に一度寄らなければならないからだ。

文官達が各地へ散ってから1時間後、各地の魔法陣を経由してどんどん魔族の部隊が転移館へとやってくる。

やってきた魔族はそのまま魔王国へと転移魔法陣を使用して帰還していく、その数約1万人。

まるで流れ作業のように一回に20人以上送り返していくと、あっという間に3時間が経過していた。


「どうはかどってる?」アリスリア

「ええ皆気付かないみたいね」ジャクライン

「魔力は持ちそう?」

「もう少しで切れるかも」

「じゃあ交代するわ」コッテロール


魔王国への転移魔法陣にはジャクラインとコッテロールが付いて転移魔法をかけていた、普通の魔族でもこの数を送る魔力は無いと言って良い。

それに何かあった時にはアリスリアの力も必要だ、彼女の命令で魔族の数人が転移門の管理を行っている。

もちろん今はジャクラインも割烹着を脱いで、コッテロールから魔族の法衣を貸してもらいそれを着ている、前よりかなりおとなしめの露出度のようだが彼女の肢体には若干胸がきつく見える。

約半分の魔族を送ったところで魔法陣が点滅しだした、点滅は転移魔法を使用できないことを示す。


「まずいわ感づかれたかも…」ジャクライン

「コッテちゃん魔王国には他の転移魔法陣って無い?」

「あるわよ」コッテロール

「じゃあ急遽送り先変更よ」ジャクライン


その場で魔法陣に書かれた送り先の文字を魔法で書き換える、本来の送り先は魔都にある魔王城から数キロ離れた魔王軍の本部だが、あちらもこの数の魔族が戻ってくれば気が付かない訳がない。

コッテロールは送り先を隣の州にある魔王軍の支部へと変更する。

まさか魔族の中に裏切り者がいるとは思わないだろうが、この数が送り返されればあちらもすぐには対応できないはずだ。

そのたくらみはうまく行き、文字を変更した後はサクサクと魔族が転移されて行った。

そして魔法陣が点滅するたびに転送先の文字を書き換え、約9千800人の魔族が魔王国の軍施設へと送り返された。

そこからは転移館へやってくる魔族の数も徐々にまばらになっていく。


「これで終わりかな~」コッテロール

「もう少しみたい」ジャクライン

「もう魔力が…」

「私もだわ」


もし魔力が切れた場合はアリスリアが変わることになっている、まあ奴隷化した魔族にやらせるのだが。

もうそろそろ魔王が起きて執政をする時間になるその頃、魔王国では転移魔法陣の管理官がパニックを起こしていた。


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