表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/116

帝国の災難

帝国の災難


帝国の王ガイザルは、すぐに異変には気づかなかった、まさか自分の息子が卵に毒され肉親を全て殺してしまうなどとは。

次男のジードはまず兄弟を手にかけて行った、まずは姉をその手で殺害し弟や妹を毒殺。

さらに自分の母親さえもその手で首を絞めた。

王が気付いたときはすでに遅く、ジードの凶行に恐れた従者や従士たちは彼の命令に逆らうことなど出来なくなっていた。

持つものに力を与えると言われていた虹の王卵、次代の竜王となる竜の卵だがその姿はすでに黒く変質し当初の能力もそして中に眠る竜の子もまるで悪霊に浸食されたように変化していた。

約2日が経ち王城の部屋そして廊下は飛び散った血で汚され、残ったのは現在王となったジード・ブラッツアール・G、彼の現在は誰も知らない。

だがいまだに残忍で容赦のない政治を行っているというのは確かなようだ。


そして帝国は周りの国々に宣戦布告をし、真っ先に魔王国が恭順を示した。

それは魔王であるバイパーク・ドラグラスの長年の計画が実った瞬間だった。

そう魔王は仕組んだ、わざとお宝を持ち帰らせそれこそが悪魔の罠だったのだ。

それは浸蝕の魔石と言う特大の魔石、持ち帰ったのは前王の長男であるシラール・ブラッツアール・G。

彼は魔王国と戦いの最中に輸送部隊とみられる魔族の部隊を襲い戦利品を持ち帰った、それは真っ赤な魔石であり大きさは20センチ以上はあった。

当然戦利品として王子は持ち帰り宝物庫へとその魔石は運ばれる、そう魔王はそうなると知っていた。

そこには虹の王卵もあることを、宝物庫の中でゆっくりと魔石により浸蝕される卵。

卵が完全に侵された時、触れた者の魂を洗脳する。

そう魔王は帝国の現王ジード・ブラッツアール・Gを操ることに成功したのだ。

表向きは敵対関係だったのが協力関係になりそして現在は魔王国が帝国を取り込もうとしている。

そして魔女と竜王に対し、魔王国に協力すれば虹の王卵を取り返してやると持ち掛けたのだ、彼らを利用するために。

それが魔王バイパークの作戦、そして今度はエイジアル王国を取り込もうとしている、竜王も魔女もそのことは知らない。

今は魔王に騙され協力しているに過ぎないのだが、魔王は彼らに後半年すれば虹の王卵が手にはいると伝えてあるためそれまで魔女達は協力するという約束をしている。


虹の竜王が転生を果たすまではあと一年、それまでに虹の王卵を手に入れることができなければ約束は反故になり魔女はその責任を負わなければならなくなる。

魔女と虹の竜王の約束それは契約と言って良い、魔法の契約それは守られなければ悲惨な死が訪れ魔女はその身を未来永劫焼かれるというもの。

魔女は必至に卵のありかを探したが、その場所はなかなか見つからなかった。

ゴッゾニア帝国の宝物庫には探索不可の魔法が欠けられていたためだ。

不本意ながらも魔王と協力しなければいけないとは、予知の魔法を使用した時は魔王の手を借りるように出ていたのだから、魔王の申し出を断ることができなかった。

だが彼女とて過去には魔王と一戦交えたことのある強者。

魔王の考えが分かっていたとしても今反旗を翻すのはまだ早いと、幾度となく占いをしたがその結果は変わらなかったのだ。


「それで今日の仕事は?」

「本日は味方になったこの国の爵位持ちへの褒章の儀です」

「そう」

「はいジャクライン様ならば簡単な仕事でしょう」


魔族の指揮官は現在宰相のようにふるまっているエイジアル王国の王は現在寝室にて軟禁状態。

普段は魔法により考えることも動くこともできないようにされている。

そして魔女ジャクラインが王妃役となり摂政を執り行っていると言う形、それは表向きにだが裏では全部魔族が命令しているのだ。

そしてあと数日すると今度は反政府同盟の本拠地へ攻撃に出る予定だと言う、そこへは現竜王のボルケールが参加する予定だ。


【わが力をくだらない戦いに使わなければならぬとは】

「我慢よボルケール、あと数日で終わるわ」


そう占いでは戦いが終わるのではなくこの状況が終わると示唆している。

果たしてそれはどういうことなのか、魔女ジャクラインは考えていた。


(占いでは2日で天の使いが参加すると出ている、天使?)


そうそれは褒章式典の最中、式典は3日間にわたる各地から帝国に賛同した貴族がやってくる。

2日目がちょうどトマス・コートマン伯爵が褒章を受け取る日だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ