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虹の王卵

虹の王卵


そこはエイジアル王国の王族が住む城、今はここには王様と魔族しかいない。

この一年でかなり様変わりしてしまったが、それはエイジアル王国に招き入れた魔族の計画だった。

魔王国からは魔族と一緒に魔女と竜王が同行していた。

魔女の名はジャクライン、血の魔女と恐れられ、魔王でさえも一目を置く。

だが彼女は最初戦争に加担しないはずだった。

魔王より強く賢い魔女が何故魔王の命令を聞かなければならなかったのだろうか。


「いいわそれで、ところで帝国からはまだ何も言ってこないのね」ジャクライン

「はいジャクライン様」

「ではあなたはそのまま警備していてちょうだい」

【魔女ジャクライン、このような悠長な計画でわが同胞を助けることができるのか?】

【待ちなさい、まだこれからなのですよ】

【もう20年も経つ、わが里から次代の長となる卵が盗まれてから】

【分かっているわよ、卵を見つけなければ私も困るのだから】


エイジアル王国の王城には現王だけではなく、魔女ジャクラインそして竜王ボルケールが変身能力を使い滞在していた。

彼らはどうやら卵を欲しているようだ、その卵 別名虹の王卵と言い数千年に一度生まれてくる竜族の長となるはずの卵だという話。

だがそれで何故魔女と竜王がこの城にいるのかと言う話になるが、それはまず帝国の魔王国侵略からお話しなければいけないことになる。


ゴッゾニア帝国の先代王は始め魔王国へ侵攻していた、それは魔王国からの度重なる帝国への侵略が発端だった。

帝国は海を渡り魔王国へと侵攻するはずだったが、その目論見は大きく躱され王様以下数人はある島へとたどり着く、その島は竜族たちの住む島だった。

そこで彼らは竜王の巣へと入り込み虹の卵を持ち出してしまったのだ、帝王ガイザル・ブラッツアール・ゴッゾニアは手ぶらで帰ることができなかった。

持ち出された卵の数は一個ではなかったが、その中でも珍しい虹色の卵。

竜の卵は通常の卵でも一つで金貨百枚はくだらない、魔王国への侵攻だったがその見返りとしては悪くない褒美となった、魔王国へは又侵攻すればよいと思い、後のことは考えずにいたのだが。

竜の里から持ち出された卵、その噂は魔王の耳にも入っていた。

別に竜王と魔王が仲がいいわけでは無く、お互いに手を出さないというのが暗黙の了解だった。

だがその均衡が崩れる、魔王はこの期に竜族へ話を持ち掛ける。


「卵を取り返してきてやろうか?」


その言葉を信じ同盟を結ぶ約束をする、だがそこに魔女が口をはさむ、魔女にも古い約束があった。


【今から千年後我は転生する、友よそれまでわが同胞を助け悪を退けて欲しい】


魔女は虹の竜王と呼ばれた古龍のおかげで今生きている、先々代の魔王ジゴルク・ガイオウに戦いで敗れ、命からがら竜族の島に逃げ込んだ、彼女はそこで竜の血を飲んだのだ。

その代わり追ってきた帝国の刺客により古龍は傷を負わされて死ぬこととなったが。

すぐに敵を討つという選択はできなかった、それはあまりにも味方となる竜族や魔法使いが少なかったから。

それからは魔女と竜族は手を取り合い仲間を増やすため努力してきたが、またもやそれを今度は帝国の王が妨げてしまう。

今度は竜族と魔王が手を組みまずは帝国を攻めようという話になって行く。

だがそう簡単な話ではなくなった、帝国の王は持ち帰った10個の卵の内、虹色の卵を残し全てを競売にかけ虹色の卵のみ残しておくことにしたのだ。


虹の王卵、持つものに力を与えると言われているが、その力は定かではない。

帝王の子は当時5人、長男は20歳、次男は16歳三男は10歳、長女は18歳次女はまだ5歳だった。

ある日次男は城の中を探索中誤って宝物庫へと迷い込む、そこで見たものは虹の王卵。

あまりにもきれいな卵を見て彼は持ち去ることにした、だがその卵がその夜どんどん黒く染まっていくとともに魔気を吐き出し始めた。

帝王の次男はその魔気にどんどん毒されて行き、まるで人が変わったように変化していく。


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