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船の上2日目

船の上2日目


外海に出て二日目、船に積んである釣り竿を垂れているのはラポーチとレドラ。

針はなぜか聖剣作成で聖なる釣り針に変化した、釣り竿までは変化しなかったが。

それからは面白いように魚がかかり、エサもないのに魚が釣れるという。


「おいおいほんとかよ…」

「そこそこにしておけよ、あまり捕っても腐らせるだけだ」

「うふふ」王妃

「では私が調理しましょう」トッツイー


取れた魚は調理室に持ち込み第三王妃の付き人であるトッツアレーラ・ナンナカムが片っ端からさばいていく。

基本的には刺身ばかりになるのだが、取れた魚の種類も多いため。

白身赤身と食感は色々。そして鍋には身の付いた骨を入れてスープを作る。

火は魔法で付けるため燃料も魔法石に蓄えられた魔力を使用している。


「できたわよ」


船室に並べられていく刺身の数々、巨人族が腹いっぱいに食べても余るぐらいの量があった。


「それじゃあんたたちは交代で食事にしな」

「へい」

「すごーい」

「だてに姫様のお付きをしてるわけじゃないのよ」

「まあ、おいしそう」

「いただく」

「おいし~~」

「とれたては新鮮だね」

「そういや王妃様、話の続きは?」

「はい」


王妃のもとに半年前送られてきた、聖女教会とそこにいる指導者からの手紙は国が滅びかねない状況を指していた。

すでに引退した父王に代わりマリアの兄であるエイジアル王国の現王ハバウル・エイジアル・ローハイル(42歳)が突然お触れを出したことによる。

その内容は今後ゴッゾニア帝国と手を結び、今までの協定は白紙に戻すという事。

それに反対した他の兄弟や宰相は幽閉されることになり、王家に強い影響力があったはずの聖女教団も王室から立ち退き命令が下った。

そして聖女教のトップは現在マリアの姉が勤めている、彼女からの手紙には今のエイジアル王国の現状が事細かに記されていた。

そして王の居城には現在頻繁に魔族が出入りしているらしい。


「魔族か…」

「魔族って?」

「リューゲル魔王国というのが大陸を渡った北の島にある、その島の大きさはエイジアル王国とほぼ同じぐらい、ゴッゾニア帝国は魔王国と協定を結んでいると聞く」

「はい、帝国は魔族を使いわが兄を魔法にかけて操っているのではと思います」

「その線が濃厚だな、だがどうするんだ?」

「まずは魔族がどれだけ城を占領しているのか、そして兄にかけられた魔法がいかなるものか」

「できれば王様を正気に戻すのが一番だが、魔族の抵抗にあうのは避けられないだろうね」

「ではまずは魔族の排除からだな」

「ええそれができれば直接兄に会うことが可能となります」


船は順調に進んでいるように思えたのだがゴッゾニア帝国が海からの侵入者を放っておくわけがない。

それにこの海域には海賊も頻繁に出るという、港を出て四日後ラポーチ達の乗る船は海賊に見つかってしまう。


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