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同乗者

同乗者


その2名は常に布で顔を隠していた、だがラポーチにはそんな隠し事もできなかった。

いつものように思ったことを口に出すラポーチ。


「お邪魔いたします」

「あら同乗者?」

「久しぶりのエイジアル行きらしいからな」

「よろしくね」

「こちらこそ」

「あ お姉ちゃんたちいい匂いがするね、ラファンダーかな?それにゴールデンローズ」

「??なんで」従者

「ずいぶんお高い香水だわね、確かゴールデンローズは王家御用達だったはずね」

「ポーチ失礼だぞ」

「だって~」

「すまないなこいつは鼻が利くんだ」

「いいえかまいません、いずれ分ることです」


そういうと2人の内一人が自分から話し出した。


「私はブリタス聖王国第三王妃マリアルーナ・ブリタス・エイジアル・クルスロー」

「王妃様!」

「良いのよ、多分いつかばれてしまうわ」

「あらら、なんか面倒な予感がしてきたわ」

「運命か…俺はドーン・ボルカノ」

「あたいはレドラ・ガリオン」

「あたしはラポーチ、聖女なんだって」

「こら!それは言うなと言っているだろうが」

「でもこのお姉ちゃんにはお見通しみたいだよ」

「やはり…」

「お告げがあったのです、エイジアル王国に危機が訪れると」


ブリタス聖王国は自国の力を強めるためと周辺の国との交渉をスムーズに行うため、王様や公爵位には他国の姫君や同じ爵位との婚姻を強く進めていた。

戦争になった場合の人質という見方もあるが、エイジアル王国とは直接国境線があるわけではなく、戦争時の協力や外交などの優位性を図るための婚姻と言われている。

特に第三王妃はまだ若く、ブリタス聖王国へ嫁いだのはまだ13歳の時だった。

その時、王はすでに60歳を超えており第一王妃には子供が4人、第二王妃には3人の子がいてそれぞれの子供の年齢も20歳を超えていた。

自分の子供達より若い妃を他国から娶ったと言う事、それは戦争の協力を得るためだと言われている。

実はこの話には裏話がある。

ある時、エイジアル王国からある話が舞い込んだ、それは王族の救出。

ブリタス聖王国とエイジアル王国との間には高い山々とゴッゾニア帝国が立ちはだかる。

問題なのはゴッゾニア帝国、この国が周辺諸国に対して宣戦布告してきたのだ、それが今から25年前、最初は国境線での領土争いぐらいで済んでいたのだが徐々にゴッゾニアは周辺小国を傘下に入れ。

ブリタス聖王国やエイジアル王国との戦いに勝利し領土を広げていった、そんな時エイジアル王国の王がさらわれたという話が裏情報で出回った、最初はどの国も噂話ぐらいに聞いていたが。

ある時エイジアル王国からブリタス聖王国へ密書が送られてくる、その内容はゴッゾニア帝国の国境線である5千メートル級の山々が連なる洞窟にエイジアル王国の王がとらわれているという話。

そしてブリタス聖王国へ王様奪還の協力、もしくは救出計画の協力を打診されたのだ。

もちろん敵であるゴッゾニアへの戦いの中、同盟国の王がさらわれたとなれば助けるのは当たり前だが、国境線を徐々に削られていた聖王国もうかつに行動できない状況だった。

だがこの時第一王子がそこに自ら志願する、彼はその時すでに英雄として数々の戦闘で勝利していた。


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