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ラポーチ

ラポーチ


どのくらい神という者と話していただろうか、犬として生きてきたためさほど難しい考えなど持ち合わせていなかったが、その者の言うことは何となくわかった。

そして私は人族を選択し転生した、今度は救う側の人間という種族に。

だが転生した先の世界は前のような温かい世界とはかけ離れていた。


「おぎゃ~おぎゃ~」


前世の記憶からすればこれは赤ん坊の泣き声、どうやら声は私が出しているようだ、そのうち目の前には大きな人族の顔が現れた、私はびっくりしてしまい泣くのをやめた。

まるで前世で拾われた時とほぼ同じだが、違うのは次に乳白色の柔らかい肌が現れたことだ。

それが何か知っている、この少し赤みを帯びた突起を吸えばおなかを満たせるということだ。

私は吸いついた一心不乱に、まるで飢えをかき消すかのように。


「お~よしよし」

「ラポーチ、あなたの名前はラポーチよ、よしよし」


どうやらラポーチというのが私の名前の様だ、なぜか生前の名と発音が似ているのかは気のせいだろう。

この世界の言葉は生前とは違うようだ、犬として生きたことのある私にとってさほど違いはないが。

初めての経験だが言葉など徐々に覚えていけばよい、そう考えながらも目の前にある突起を吸い続ける。

大きなふくらみはかなりの量ミルクを私に与えてくれた、人族の乳房は2つらしい交互にそれを口に含み母乳をむさぼる。

どうやら数分で私のおなかは満ち足りたようだ、眠気が襲ってくる。

数回ゲップをした後目を閉じ眠りについた。


そんなことを数日している間に、いろいろなことが分かってきた。

私が転生したのは農家という植物を育てている人族。

そして私がこの家では3人目の子供であり両親はごく普通の農民。

そして予期しないことがある、それは私が牝だということ、どうして性別が違うのかはわからない。

神とやらがそうしたのか、それともそういう決まりなのかはわからない、私も特にどちらが良いとかはわからないので、この生を全うするしかないが。


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