往生際
往生際
後に残っていたのは結局マフィアの親分と船の船長の2人のみ、手下も用心棒もすでに地面とキスしたかもしくは瓦礫まみれ。
2名共に手には剣を取ってはいるが、その身は震えが止まらず逃げる事も考えられずにいた。
「まだやるんだ」
「う うるさい」
そこへ見回り姫ことアリスリアとラポーチが壊れた壁裏から到着する。
「ありゃ~はでにやったね~」
「あ おじちゃんおねえちゃん」
「ん?」
「もしかして隊長?」
「レドラじゃん、何してんのこんなとこで」
「いやそれはこっちが聞きたいよ」
「知り合い?」ポーチ
「元いた部隊の一番槍さ フレアフィールのね!レドラ」アリス
「あれがフレアフィールの赤槍姫だと」ボス
「は?嘘だろ!」船長
悪者2人はその言葉を聞き、ようやくやる気がうせたようだ。
その後は2人共に縛られ、アリスリアの奴隷魔法で二度と悪さができないようになった。
アリスリアは婚姻してから一人でも生きていくために色んな魔法を勉強していたのだ、その一つが奴隷紋の魔法。
勿論この時代ならば商売にも使える魔法である。
結局この港から出る船は奴隷船ばかりしかも隣のゴッゾニア行きばかりで、その向こうにあるエイジアル王国まで行く船は半年以上待たないと来ないというのが分かった。
「え じゃあ船は結局あさってには出ないの?」
「ああ全部嘘だったらしい、金は戻ったからよいが」
「まさか全員グルだとはね」
「それにしてもレドラが居たとは世の中も狭いね」
「あれそういや隊長は結婚したんだよね」
「あ~それなんだけどね」
そこに心配で見に来た現領主が駆けつける。
「あんたたち! …何?一体どういうこと?」
「あ おねえ 家のだんながきた」
「え?」
どうやら夫婦なのに姉妹と言うていで呼び合っているらしい。