港町の倉庫
港町の倉庫
ドーンとレドラは機をうかがっていた、倉庫から少し離れた家の陰に隠れ浮浪児達との共同作戦。
敵が全員中へ入るのを見計らい正面から突入一網打尽と言う寸法だが、
情報では敵の用心棒が後3人残っているという話だった。
「それじゃ金の分配をするか」
「俺達ゃ持ちつ持たれつだからな」
ドンドン
「だれだ?」
「山」
「川」
「かわ?…敵だ!」
ダガンッ!バキン!
入り口のドアが弾き飛ばされそこに立っていた手下はぺしゃんこに。
「グヘッ!」
「ごめん間違えちまった」ザック
「かまわん」
「とりあえず中に入るよ」
倉庫には8人の荒くれ者と仲間の商人と船の船長が2名そして先ほどアジトからやって来たマフィアの親分らがそこにいた。
「なんだテメーら」
「ただの巨人族だが」
「あ こいつらだ」
「奴隷候補か?」
「おまえら船に乗るんじゃなかったのか?」
「ん? ザック あの船長もか?」
「おじちゃんこいつら全員仲間だよ」
奴隷船の船長に商船の船長そしてマフィアのボス達、用心棒も2人手下が8人そいつらが一緒に居るしかも倉庫の後ろ側には檻が有り奴隷が数人鎖につながれている。
「そう言うことか」
「いまさら解っても手遅れだ、おまえらも奴隷にしてやる」
「やっちまえ!」
そう言われてマフィアの子分達は少し戸惑う。
倉庫の高さは巨人族が入っても天井に頭が付く事が無いが、それでも天井までの隙間は1メートルほどしかない、屋根は通常の板屋根でありドーンが剣を抜き上段に構えれば、当然のことながら屋根は壊れてしまうだろう。
それを横にいたレドラが見て何か話し出す。
「あんたの剣じゃ建物ごと壊われちまう、ここはアタイに任せなあんたはあぶれたやつをやっつけとくれ」
「フム その方がよさそうだな」
「てえことだが、かかって来ないならこっちから行くよクズども!」
「なんだと~」
「いくよ!」
ズドンッ!
聖拳にアシストされたその脚力は倍以上5メートル以上ある距離を一瞬で詰め、その瞬間敵の子分が3人同時に吹き飛んだ。
ドン!バキャン!
真後ろの板壁が子分3人の体重を受けきれず全て吹き飛んだ。
「あと5人、覚悟しな」
「くそっ!やられてたまるか!」
「そうそうその粋だ、かかってきやがれ!」
ガンッ バキン ドン バガン ダン バキャ
「あ 一人逃げた」
「任せろ」
バキッ!
「くそ これでも食らえ」
それは以前見たことがある、薬袋だった。
「おっと、そいつは無駄だよ」
レドラは放り投げられた薬袋を手のひらで上手い具合に受けとめた。
「くそっ」
「おまえも行け」
「おい どうした」
「分が悪いな」
「だからどうした?」
「悪いが俺は抜けさせてもらう」
「何だと今更逃げるだとー」
「そんな事許すわけないだろう」
ズシュ!
「き 貴様…」
商人の男が味方に刺され崩れ落ちる。
「なんだい、仲間割れかい?」
「誰でもいいあの女を殺したら金貨100枚だすぞ」
「しかたねえ、やるか」
その男は用心棒だった、見た目の歳はわからないがその頭からは長い耳が飛び出していた。
そして最初は壁際にある樽の上に座っていたのだが。