ラポーチ参上
ラポーチ参上
ラポーチは逃げた、足だけはいつの間にか速くなっていた、たぶん魔法かもしくはスキルでも手に入れていたのかもしれない、だがあまり早く逃げてはチンピラも諦めてしまう。
どうせなら2人ぐらい自分でやっつけたいと思ったラポーチ。
途中で走るのをやめてみた、そこは少し広い場所、ここなら魔剣を抜いても建物を壊したりしないだろう。
日ごろドーンとレドラに剣術の手ほどきを受け今はかなり腕も上がったはず。
それに手に入れた剣の力も解り今では好きなように雷を発生させることが出来る。
「おじょうちゃんもう逃げるのは終わりかい?」
「うんもう終わりだよ逃がすのはね」
ダンッ!
それは一瞬の出来事、ラポーチの体が一つの光となってチンピラの一人に向かうと同時に大きな音を立ててチンピラが崩れ落ちる。
バリバリバリッ!
「ぐあ~~~」
「な なんだ?」
「もう一人!」
バリバリバリッ!
「ぎゃ~~~~~」
ドサッドサッ
「えへっ!」
ラポーチの2人目の犠牲者は港町のチンピラ2人だった。
そこへ先に用心棒を片付けたアリスリアがやって来た。
「え~と、倉庫倉庫と」
「あらやるじゃない」
「あ 姫おねえちゃん」
「ウフッ」
「倉庫でしょ、こっちよ」
2人はチンピラの残骸を尻目に港町の倉庫へと歩き出した。
「あれその剣は?」
「ああさっきの用心棒が持ってたから戴いてきちゃった、欲しい?」
「うん」
「じゃああげるわ、私にはこれがあるから」
聖槍ロンドワールはいつの間にか又一つの槍へと姿を変えていた、まるで意思があるようにアリスリアの思考を汲み取る。
その柄からはわずかに光が溢れ出ていた、それは聖槍の使い手の誕生を喜んでいるかのようだった。




