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アジト

アジト


港町から少し離れた岬の手前に洞窟を利用した建物が建っていた、地上2階地下は階段で洞窟とつながり崎の先に出られる自然を利用した隠れ家。

ここには数人の男達が集っていた。


「おい領主はまだ懐柔できないのか?」

「ありゃオカマだぜ、あんなの懐柔しても意味ないだろう」

「もしものときにそう言うつてが無いとすぐに組織なんて物はつぶされてしまうんだ、おまえらだって分かっているだろう、どれだけ後ろ盾が大事かってな」


戦火を逃れようやく手に入れた裏家業の地位、元々は大きな町で浮浪児を集めスリや盗みなどを行なっていたが、徴兵隊に捕まり戦争へと借り出された。

数年後何とか軍から逃げ出し色んな町を渡り歩きようやくこの港町で裏家業のグループを発足させたのだ。

構成員は50人、それほど大きくは無いが彼は魔法を使う事ができた、それは盗みにはもってこいの魔法、闇魔法のハイディングとスティール。

彼はこの魔法を駆使しマフィアの親分になり上がった。


「あの領主が来なきゃもっといい汁を吸えたんだが、見てみろ今回の収穫はこないだの半分だぞ」

「もっと金目のものを漁って来いよ」

「へい」

「それから奴隷の取引は上手く行ってるのか?」

「それはトルマのやつが今日親子ともども奴隷にするってことで」

「あああの親子か、娘は高く売れそうだな」

「そうなんですよ、だから少し時間かけて逃げられないようにしてますんで」

「わかった、そいつは期待してるぞ」


マフィアの親分はいまその親子がラポーチ達によって自由になったのも知らずに居たが、そこに逃げてきた手下数人が駆け込んだ。


ドンドン!

「だれだ!」

「海」

「山」

「よし入れ」

はあはあ

「なんだ?」

「奴隷が…」

「おちついて話せ!」

「親分あの奴隷親子が見回り女剣士に取られやした」

「あ~なんだと、おめーらそれでのこのこ手ぶらで戻ってきたのか?」

「用心棒の先生もやられちゃいやして」

「ほんとか?」


それを聞いて部屋の隅で酒を飲んでいた初老の男がすっと立ち上がる。


「俺の出番だな」

「先生お願いします」


マフィア達は用心棒を数人雇っていた、だがそれは先ほどよりも更にやばい相手だった。

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