見回り姫はかなりアバウト
見回り姫はかなりアバウト
敵の用心棒は身ぐるみをはがし港のやぐらにさかさまに縛りつけた、これで当分は動けないだろう。
「それでラポーチって言ったっけ、どうして助けてくれたの?」
「それはねうちのお姉ちゃんと同じ匂いがしたから」
「うちのおねえちゃん?」
この時アリスリアの頭に浮かんだのは金髪ののほほんとした感じのふっくらした女子だが。
その女子が自分と同じにおいと言われ複雑な気分だった。
「ああそうそう今お姉ちゃん達マフィアに会いに行ってるんだった」
「は~?」
的を得ないような話し方でラポーチはアリスリアに自分達が何をしようとしているかを話し出したが、いかんせん言っている事がアリスリアにはめちゃくちゃにしか伝わらなかった。
要約すると仲間の2人と浮浪児達が町を良くするためマフィアのアジトに行きやっつけると言う事。
アリスリアもこの港町のマフィアの事は気にしていたが、中々尻尾を見せないどころか住人に聞いても怖がって誰も話してはくれないので、この港町が今どんな問題を抱えているのかもはっきりと判らないでいた。
だからその闇をあぶりだそうと見回りをしていたのだが、危うくやつらに捕まり奴隷になってしまうところだった。
「それじゃすぐ行かないと」
「ちょっと待って」
そう言うとラポーチは捕まって奴隷になった父と娘に近寄った。
「えっと~、やっぱりこの紋章なのね、少し待っててね」
「え?何?」
そう言うと手を紋章にかざす、するとその紋章が見る見る消えていく。
更に鎖に手をかざすと鍵がカチャという音とともに外れてしまう。
「うそ!」
「え~?」
「これで奴隷じゃないよね」
「確かにそうだけど、今どうやったの?」
「それは内緒」
そう言われても目の前で起きた事をいまだ信じられない。
だがこれで親子は無事助ける事はできた。
「あ 有難うございます」
「おじちゃん達は領主様のお屋敷に行くと良いよ」
「何で家の?あたしは領主の妻なんだけど何で家?」
「なんだお姉ちゃんが姫様なんだ~」
「確かに今安全なのは家しかないけど…」
「じゃ良いでしょ、どうせマフィアが片付くまでだから」
「なんだか分からないけどそれじゃこれ持って行くと良いわ家の旦那が匿ってくれるから」
そう言うとアリスリアは髪飾りを渡した。
「よ よろしいのですか?」
「良いわよ、成り行きだけどこの子に全部責任持ってもらうから」
「え~おねえちゃん意地悪い~」
「まああれだ助けてくれたなら最後まで面倒見なさいということよ」
「いいの?それじゃず~といっしょに居る事になるかもよ」
「それはちょっとまずいかも」
「あ そうだすぐ行かなきゃ」
「何処に?」
「マフィアのアジト」
親子の道案内はポロンに頼んで、2人はマフィアのアジトへ。
ここからはラポーチの鼻の力を使いドーンとレドラがいる場所へと急いだ。
一方巨人族の2人は…




