槍術使い
槍術使い
彼女の槍術は突くだけではなく、いなす切る突くの3つと、穂先を揺らせて突く変幻自在な型 更に2槍による戦闘が特徴だ。
しかも彼女は槍だけでなく剣の修行も戦場に出てからは力を入れた、混戦の中生き残るには近距離や目の前の敵に対する対応も迫られる、その頃支給されていた槍は1メートル70センチ以上あり木の先に鉄の刃が付けられた物だ、この長さだと槍をかいくぐり懐に入られるとなすすべが無い。
彼女は槍を常に2本使っていた、一本は1メートル70センチそしてもう一本は1メートル。
そう通常の長剣と同じ長さ、長槍をかい潜り懐に飛び込んできた敵を短槍で返り討ちにする。
勿論短い槍が無い時は細剣や短剣を使用する事もある。
戦場で戦えば武器など直ぐに使い捨てのような状況になる、時には剣のみで戦う事もしばしば、彼女は得物を選ばない騎士としても有名だった。
「かかってこい!」
ウラー
ギャン
キンッ
バンッ
背中に背負っていた短槍を手に持つと、向かってくるゴロツキめがけて突き入れる。
しかもわざと急所をはずすのだ、目の前に迫る槍先にゴロツキは恐怖する。
しかもその切っ先が何度も目の前を行き来する、更にいつの間にか切れて自分の頬から血が滴っているのが分かったとき、目の前の女流騎士が口角を上げニタリと笑っているのだ。
「クソッなんだこの女!」
「おれらじゃ刃がたたねえ」
「ど どうすんだ」
「なにやってんだおめーら、全員で飛び掛れ!」
「いけ~~」
ドン
まずは最初の一人を盾にし、次のゴロツキの目の前へ突き出す、そのまま位置を180度変えると残りのゴロツキを仲間を使い全ていなしていく、時には足で引っ掛け転ばし、腕をとり引き回す、あっと言う間にごろつき全員が目の前で這い蹲っていた。
そして彼らの目の前の地面に槍を突き刺す。
ズシャ
ヒエ~~~
「もう終わりか?」
「く、くそ~」
「どうした、助けが必要か?」
「お~あんたか、助けてくれあの女強すぎる」
「…」
その男は背の丈2メートルはある細身の男、薄気味の悪いやつだった、顔はやせているのか表情もよくわからない、体はマントを羽織りその体躯も痩せている様だった。
そして次に手の指で丸を作りクイクイと動かす。
「え?金か?」
「あの女は強そうだここから先は別料金だ」
「あ はい」
ジャラ
ゴロツキのリーダーはその気味悪さに圧され直ぐに金貨を5枚手のひらに乗せる。
「いいだろう」
細身の男はそう言うとゆらゆらとマントを揺らしながらアリスリアに近づいてきた。