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計画実行

計画実行


レドラ達の計画はさほど難しくは無い、だが遊撃隊が盗まれた薬の捜索にさほど力を入れていないのが気になった。

遊撃隊の隊長は一応子爵位を戴く貴族様、この世界は魔法もあるので貴族が何もしないで我々の現われるのを待つとは考えにくい。

今まで彼らが痺れ薬だけで戦場を生き抜いて来たとは思えない。

ラポーチのようなスキルと言う、生まれながらの能力も有るが、この世界には魔法もある、使い方はどちらかと言うとこの時代スクロールを使用して魔法を発言する方がポピュラーだが。

中には魔力量が豊富で詠唱さえすれば魔法を発言できる者も居る。

一応遊撃隊の部下を全て片付けてから隊長と戦う算段だが、子爵をレドラに任せる為、端から助けに入るのは出来れば避けたい所、勿論危なくなれば必ず助けに入る事は事前に知らせてあるが、狡猾な子爵相手だ何があるかは分からない。


レドラは町の管理官トッドの屋敷を出ると直ぐに又山へと足を運んだ。

遊撃隊の部下達は徐々に人数を減らし、1週間もたたずに残すところ10人以下にまで少なくなっていた。


「おいまだ見つからないのか!」

「申しわけございません」

「くそっ!忌々しい巨人め」

「まあいい、それでこの町の管理官には話をつけたのか?」

「へい、やつはビビッて我々の言いなりです」

「そうか、部下の捜索は進んでいるのか?」

「へ へい」


部下の額からは冷や汗が流れていた、実は部下が行方不明になり始めてからすでに一週間が経ち、残っている部下は後10人前後しか居ない。

これがばれれば責任を追及されて拷問が待っている、だから本当のことが言えないでいた。

それに数人の部下が飯の後寝入ってしまい起きて来ないというアクシデントまで起きていた。


(じょうだんじゃねえ、あの巨人達のせいだ、やられる前に逃げねえと)


この部下は翌日この町を出る、遊撃隊からの脱走を考えていた。

これだけ部下が居なくなれば自分が居なくなっても分かりはしない、全部巨人にやられた事にすればいい。

こうして遊撃隊の兵士達はレドラやドーンに捕まって縛られるだけでなく、脱走兵も増えて行く、残る兵士は若い見習いばかりとなって行った。


「おい!」


隊長が窓から顔を出し部下を呼ぶ、そこには見習いの兵士が一人。


「はい命令ですか?」

「バリルを呼べ!」

「班長は捜索に出かけましたが…」

「くそ、本当に役たたずばかりだ」


子爵位、彼が子爵になれたのは先祖代々続く世襲制度の恩恵、決して手柄を立てて子爵になったわけではなく、伯爵位の父からの勧めで手に入れた爵位、彼は三男のため伯爵位は継げなかった、だが彼はうまいこと立ち回り子爵位と同時に魔剣の一つ雷王剣を受け継いでいた。

彼の家に代々伝わる家宝の一つだが、100年前に祖父が王から下賜された由緒正しい宝剣。

先代まではりっぱな貴族だったがこの男はその栄光を全て黒く塗りつぶしていった。


(まあこの剣があれば何とでもなる)


このときは子爵もそう考えていた、相手の持つ武器が聖拳とは知らずに。

その日の夜、手下である兵士からの報告が入るはずが、いくら待ち続けても一向に戻ってこない。


「おい!誰もおらんのか!」


そこへ戸を叩く音が。


「誰だ!」


部屋の戸がゆっくりと開け放たれ、大きな体が子爵の目の前に現れた。


「あたしだが」

「おまえ!まだ生きていたのか」


そう言うと子爵は家宝である剣を構えた。


「へ~一応 剣の心得はあるんだね」

「当たり前だ、おまえふざけているのか!」

「あ!ふざけているのはおまえだろう、あたしが簡単にやられるわけが無いだろ」

「ふん!フレアフィールだったか、たかが女ばかりの傭兵に二つ名までつけやがって、本当はたいした事は無いのだろう」

「あら、知ってたのかい」

「まあな、だからと言って手は抜かんがな」

「それは自分が男だからかい、あたしにゃあんたは子どもにしか見えないがね」

「ほざけ!」


そう言うと子爵は剣を突き出したレドラの隙を突いて出された剣はまっすぐにレドラの腹へと吸い込まれると思ったが。


キィン!

「な なんだと!」


突き出された剣はレドラの腹に突き刺さらずその手前で彼女の聖拳によってはじかれてしまう。


「な なぜだ!」

「ん?あんたの剣、魔法剣かい」

「おまえこそなんだその手袋は!」

「ああこれか、さるお方から下賜された聖拳さ」

「ばかな!おまえのようなやつに魔法を帯びた道具が使えるわけが無い」

「その言葉そっくりそのまま返すよ」

「なんだとー」

キンッ!


売り言葉に買い言葉、ゴーホーンは怒りに任せて雷王剣をレドラに突き続けるが全てはじかれてしまう。

息を切らせても尚剣を前に向けるが、それもここまでだった。


「どうした、もうおしまいかい?」

「はあはあ、くそー」

「今度はこっちから行くよ!」

ドンッ!

「グハッ!」

ズバキャ!

「あら、一発かいこりゃ手加減も大変だね」


レドラが手に入れた聖拳は通常の魔法付与された道具とは違う、この世界この時代に現存している魔法付与された武器は、せいぜい1つか2つの魔法を付与されているぐらい、それ以上の付与や聖剣のような絶対魔法に近い付与魔法を持つ道具は無いに等しい。

聖拳と言う名の通り魔力パワーだけではなく防御力も数倍アシストしてくれるほどの性能を持つ。


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