魔王城侵入
魔王城侵入
ラポーチの持つ剣(雷王剣)の力で眼下に見えていた兵士達全員が一時的なショックを受け攻撃は止んだが。
中にはまだそれでも立ち向かおうとする魔族が数人いた。
「くそっ!どうしたお前達!」
「う う~」
残っていたのは元帥と一部の魔族のみ、迎え撃つはずの魔族の兵士はほぼ無力化されてしまっていた。
魔王城の中庭にラポーチ達一行が降り立つ、そこは一応城壁の内側にある庭園。
手前には高い壁がありその下には渓谷が有り橋がかけられている。
勿論橋を渡っても城門は閉じられているので入ることなど出来ない。
「バサッバサッ」
「着いたわ」
「よっと!」ラポーチ
「スタッ」
「ここが魔王城?」マリー
「さてと、魔王は何処かな?」ラーサー
魔王城の庭とはいえそこは魔王の部屋から約300メートル、そこに残っているのは魔王城防衛隊と数人の文官。
あわてて元帥は魔王城へと戻ろうとするが時すでに遅し。
城門は閉じられておりすでに防衛隊は侵入者の対応へと行動を起こしていた。
「こっちだ!」
「いたぞ!」防衛隊兵士
「おおようやく来たな」ラーサー
「王よお任せください」ゴードン
「では殿は任せる、こちらは聖女様と魔王のいる部屋へと進もう」
「お任せください」トマス
ラポーチそしてマリー、マーベルさらに変身を解いたラターニャとお妃さま。
殿をラーサーの護衛勇者が受け持つ、その強さはやはり思っていた通りだった。
「ギャイン!キャイン!キンキンズシュ!」
「久々に剣を交えるとこんな感じか…」
「あまり張り切るなよ、なんせ俺達5千歳なんだからな」トマス
「ビシュンビシュン!」
「まあ肩慣らしにはちょうど良い」ゴードン
目の前の敵はラーサーとマリーがやっつけて、背後から迫る敵はゴードンたちが屠って行く。
「もう少し先ね」ラポーチ
「ワクワク」ラターニャ
「コラ そんなにはしゃいではいけませんよ」エアルータ
一行はエアルータの防御魔法の為、敵が射る矢は全部弾かれてしまう。
石作りの長い廊下を奥へと進んで行くと、時折兵士が槍を持って飛び出してくるが。
マリーとラーサーの前ではまるで刃が立たない。
マリーはその外見からは想像もできない力を持っていた、道理で臆することなくラポーチ達についてくるはずだ。
「久々だぜ~」マリー
「あまり先走らない方がよろしいですよ」マーベル
案の定、敵が一人ならまだいいが3人同時にかかって来ると、その槌1本で防ぐのは難しい。
だがその体は敵よりかなり小さいため、一度組み合えば敵の陰に入り込みマリーの居場所は隠されてしまうため、他の兵士からは死角になる。
「なんだこいつ~」防衛隊兵士
「舐めてっと痛い目みるぜ」
「ガンッ!」
「なかなかやるな」ラーサー
「王様こそ」
地竜であるラーサーだが今は変身を解き剣を握る剣士となっている。
その手には由緒正しい王家御用達の愛剣ファランクスが握られている。
「クンクン、この先かな」ラポーチ
通路を約300メートル進むと中央に大きな扉が有り、中から嫌なにおいが漂ってくる。
「開けるぜ」マリー
「うん」
「バキャン!」
「マリー!」
扉を開けると同時に何かが突っ込んできた、その何かをマリーがもろに受け止めるが…
「ドガン!」
「大丈夫?」
「やばい、壊れた」
見るとマリーが手に持っていた槌が根元からポッキリ折れていた。
しかもマリーはその口からゲホゲホと息をするたび血がしたたり落ちる。
「マリー!今治してあげる!」
「こちらは任せろ」ラーサー
扉は半ば壊れてしまったのか、おかげで周囲は埃まみれになった。
そして数秒後いきなり突っ込んできた者の姿がようやくはっきり見えてきた。
その姿はトカゲの様、いわゆるリザードマン。
だが全体に黒い皮膚を見るとどうやらリザードマンの上位種であるリザードマンジェネラル。




