魔王城
魔王城
魔王国を下に見ながら進んで行く事さらに1時間、ようやく山が見えて来る。
そしてその手前にはかなり大きな町が見えて来た、そしてその奥にそびえたつ魔王城。
まるで険しい山をそのままくりぬいて作っているように見えるが、山肌とはまるで違う漆黒の壁を見ると、その城は魔族が作ったものだと言うのがよくわかる。
「ラターニャちゃん大丈夫?」
「うんまだ平気」
「疲れたら言ってね」
一応王妃のエアルータの後ろをついて飛んでいる為空気の流れから、それほど負担が無い飛び方だ。
まあそれでも2時間を超す飛空魔法は体より精神の方が疲弊する。
そして魔王城の上空へと到達するとさすがに魔王軍の飛空隊が待ち構えていた。
「とまれ!」
「ここから先は通さない!」
「どきなさい、わが名はエアルータ空の王者、この地に住まう魔王に話がある!」
「て 天竜!」
緊急指令により出動した飛竜に乗る飛空隊だがその数は10騎にも満たない。
そしてラポーチがエアルータの言葉に追い打ちをかける。
「わが名はラポーチ、聖女であるここを通さないとお仕置きよ!」
「聖女!天竜!」
「死にたくないものはそこを開けなさい!」マーベル
「う うるさいここは通さぬ 突撃!」
「ウオ~」
「ピシュピシュピシュ!」
「あ~」
だがマーベルの聖弓により9騎の飛竜はあっという間にやられてしまう。
「すごい俺の出番が無かった」トマス
トマスは一応弓使いではあるが、どちらかと言うとハンターに近い。
要するに弓だけでは無くナイフも使う職種、潜入捜査も得意な彼だが。
まさか味方の勇者に先を越されるとは思わなかった。
「矢が必要ないとはな」ゴードン
「しかもあの軌道、自動追尾の矢だぞ」トマス
「そういえばあこがれていたよな」
「ああ俺の弓もあそこまでとはいかないがかなり優秀だが、矢はつがえないと使えないからな」
一行はさらに進む、もちろんそこには魔族の兵士が待ち構えていた。
「ゴー」
「ビシュンビシュン」
「ヒュンヒュン」
「矢と魔法の攻撃が…」
「これ以上は進めません」エアルータ
「私に任せて」ラポーチ
(らいおうちゃん)
(出番か?)
(攻撃して来る子達全員ね)
(任しとき!)
「バリバリバリバリドシーン」
辺りが一瞬閃光にまみれたと思うと、下から矢を射かけていた兵士と魔法で攻撃してきた兵士全てが雷撃を受け沈黙する。
「すげ~」マリー
「さあ進みますわよ」エアルータ
下からの攻撃も、空からの攻撃も全て止み一行は魔王城へと突き進む、一方海から到着したドーンたちは、港で待ち構えていた魔王軍のジョーニ・サイプレス将軍(男124歳)とウッシー・Xエクザス将軍(?性?歳)に行く手を阻まれる。




