聖女の力は万能です
聖女の力は万能です
道幅が狭くなっている洞窟内をやや時間を掛けながら進んで行く、本来ならば通路にも仕掛けが有ってもおかしくないと思うのだが。
特にその先の通路も敵の姿さえ見えてこない。
「何かあるわね」アリスリア
「確かに、敵が何もしかけて来ないのはおかしい」隊長
「ポーちゃん何か感じない?」
「う~ん…罠かな~」
「又 罠?」
「今度は洞窟全体に感じる、それと沢山の人が助けてって」
「人質か?」ドーン
「全員無理やり従わされてるみたい」
「まずいな」ドーン
「奴ら住人を使って俺達を足止めし、洞窟を崩すつもりだ」
「でも、どうすれば?」コッテロール
「任せて」
「いや魔剣の力でも、それは無理だろう」
「あ~王様たちは知らないんだっけ」レドラ
「聖女の力はまた別なのよ」
「任せて」ラポーチ
その作戦は普通に考えれば無謀と言える、待ち構える村人達は魔族により隷属化され戦闘員としてラポーチ達と無理やり戦わされることに。
だがラポーチには願いと言う聖女の中にいて、かなり特殊な能力を持っている。
彼女一人いれば魔族の洗脳魔法を解除してしまう事ができる。
そして魔剣エルアイスの力で爆裂魔法を仕掛けている場所を全て凍り付かせてしまおうと言うもの。
問題は村人をどこまで引きつけて無効化するのか、そしてこちらの攻撃に対してどのタイミングで魔族が爆破スイッチを押すのか、しっかり見極めて進まなければ全員が生き埋めになる。
「あたしが一人で行って最初に村の人全員洗脳魔法解除しちゃうね、その後エルちゃんに爆破魔法は止めてもらうから、大丈夫!」
「ポーちゃん一人だけならスイッチはそう簡単に押さない可能性に欠けるのね?」
「魔族も我々が村の中に全員入らなければ爆破はしないだろう」
「でもそのことに気づかれたらどうするの?」エアルータ
全員がラポーチの顔をうかがう。
「えへへ~」
「そこからは考えてないってことか…」ドーン
「私が何とかいたします」ミュール
「何とかって?」
「これでも水の神と言われていたのよ、氷雪魔法で一度凍らせられるなら仕掛けられた魔法がある場所は分かると思うし、仕掛けを水で流すことぐらいできるでしょう」
「分かった、一応その作戦で行こう ではラポーチを先頭に村人たちは魔法を解除次第後方へ送る、2番手にミュールさんについてもらい魔族の仕掛けた爆裂魔法を無効化、それでいいか」ドーン
「分かったわ」アリスリア
計画は簡単だが、ここにいる仲間が破格の能力を持つ者ばかりだからできる事。
ラポーチだけではここまでも、そしてこの先へ進むのも困難なことだ。




