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セブンス村の罠

セブンス村の罠


村がもうすぐと言う所で通路の先にはバリケードが見えて来る、高さ約2メートルほどの格子状の柵が有りその向こう側には魔術師と見られるローブを来た兵士。

そして柵の手前には明らかに踏み込むと沈み込みそうな藁が敷き詰められている。


「どうするの?」コッテロール

「こうするのよ、やっちゃって雷王ちゃん」

(出番か?いくぞ~)

「バリバリバリ!」

「ギャ~~」

「ドサッ!ドサッドサッ!」


柵の向こう側にいた魔族の魔法師があっという間にバタバタと倒れていく。

だがさらにラポーチは追撃を行う。


「次はエルちゃん、いっけー」

(かしこまりましたフリーズンワールド!)

「ピキッ!」

「すげー」マリー


罠は載せてあった竹の網ごと凍り付く、50k前後の体重では落とし穴には落ちないぐらいに固まった。


「これで大丈夫だよ」

「よし行きましょう」アリスリア


渡り終えた後でマリーが槌を使い凍った罠を壊すと、下には鋭利な竹槍が30本以上穴の中に植えられていた。


「うわー痛たそー」


村の入り口から中へ入ると、先ほど雷に打たれて気を失った魔族の兵士が30人近く転がっていた。


「こいつらは囮の様ですね」コッテロール

「奥の建物の中に村人がいるよ、でも罠がある」ラポーチ

(キュ~)


どうやら人質を救出しようとすると火をつけて燃やす算段になっている様子。


「ポーちゃんもう一度行ける」

「人質以外を凍らせるのね、分かった!エルちゃんお願い」

(仰せのままに)


かなり遠くからなのに200メートルほど先に有った小屋の外壁は真っ白に変化する、もちろん中は凍らないように手加減してある。


「ピシン!」

「よし行くわよ」アリスリア


アリスリアは聖槍を背中から取り出すと右手に持ち換え軽装鎧のまま走り始めた。

すぐ後ろをマリーとマーベルが続く。


「聖弓よ敵を貫け!」マーベル

「ビシュビシュビシュ!」

「ア~グア~」


迎え撃とうと近寄る兵士はマーベルの矢を受けて次々と地面に倒れていく。


「ソレッ!」アリスリア

「ビュン!」

「ズシュ!」

「グア!」


小屋に着くと戸は凍り付いていたが、マリーが戦槌で叩き壊す、中にいた人質は全部で13人、この数はこの村の半分の人数より少ない、もちろん他の場所に捉えられているのだろう。

これから他の人質を救出するのは手の内を明かした以上、難しくなって行くことを示している。


「まずいかも?」コッテロール

「大丈夫よ、ポーちゃんの能力はこれぐらいじゃないし」アリスリア

「そうです、私たちの後ろからはさらに強い元王様も控えているのですから」マーベル


よみがえらせた元王様と家臣3名の能力はまだ分からないが、殺せずに石化と言う呪いを使用したところを見ると、罠にはめる以外に排除する方法が無かったとみられる。

竜族は自身が病気や呪いにかからなければ約5千年は生きると言われている。

2千年ぐらいで死ぬのは殆どが病気だと言う話だ、ボルケールの親も当時の魔王と戦い死んでしまったのは、半分は病のせいだと言う話も聞いている。


「やっと追いついた」レドラ

「どうだ?戦局は?」ドーン

「人質の数が少ないわ」アリスリア

「敵は先にも罠を張っているようですね」隊長

「そうすると次の村か?」ドーン

「通路の罠ももうばれていますからね」ジャクライン

「とりあえず先頭は私達に任せて」アリスリア

「分かった」ドーン

「分かりました」隊長


セブンス村にいた人質は13人、斥侯の話ではこの村にいる村人は40人近い。

後27人がまだ見つかっていない、そうするとこの先の通路には隠す場所などないのでエイト村に全員捉えられている可能性が高い。


「私たちはどうすれば」村人1

「この先は私達だけで行く、あなた方は後方の村に身を寄せてくれ」

「分かりました」


人質だった村人はシクス村へと送り、一行は先を急ぐ。

セブンス村で待ち構えていた罠と魔族達は大した数ではないが、次の村にはこの数倍の魔族の兵が待ち構えているだろう。


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