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【二話】あーね。そうゆう感じね。

差し込む光に耐えかねて目を開けると、明らかに自分の部屋でも病室ではないのは直ぐに分かった。馬鹿みたいに広いベッド、馬鹿みたいに広い部屋、見たことがないくらいに大きいテレビ、外を見ようとしても全面ガラス張りのくせして自分の部屋より大きいベランダがあるせいで外の景色は見えなかった。


嫌な夢でも見ている気分だった。


体を起こして再度辺りを見渡していると枕元にカサリと音を立てる物があるのに気が付いた。それは良く見ると一枚のメモだった。


ただでさえ良く分からない状況の中、車に引かれたのも覚えているし、自分が助からないだろうレベルの負傷をしているのも覚えていた。

そんな中藁にも縋る気持ちでそのメモ帳を見ると何かのIDが書いてあってメモの端にLINEのIDです。と書いてあった。


「なんで、LINEのID?」


取り敢えずそのLINEのIDしか今は手掛かりがないし携帯を探す。

辺りをウロチョロと歩いているとテレビの前のガラスのテーブルにポツンと見たことのない黒色のスマホが置いてあった。

そのスマホを手に取り電源をつける。ロックは掛かっていないようで、何となく人の携帯を見ている気がしてLINEを開くのをためらってしまう。


「うーん。まあ開いてみないと分からんしなぁ」



少しだけ迷ってLINEを開く。LINEの方にもロックは掛かっていなかった。さんざん悩んでLINEを開いたものの、LINEには誰の連絡先も登録されて居なかった。

そのことに少し安心しながらも、枕元のメモに書いてあったIDを検索してみると「神」と書かれたユーザー名とトプ画は犬の画像だった。


「神様もLINEすんのかよ!」


その画面を見たらそう叫んでいた。


明らかに今自分に起きていることがあり得ない事だと理解していることもあり神ということに関して疑うことは無かった。


取り敢えず登録して連絡をしてみようかとトーク画面で、何と打とうか悩んでいると「神」からメッセージが送られてきた。


神『登録ありがとう!起きたんだ?』


「軽い!軽いよ神様!」


予想以上に軽いメッセージが来て驚いてしまった。


神『君自分に何が起きたか分かる?』


俺『どうも。全然分かってないです。教えてください』


神『おっけ。とりま、この世界は君のいた世界じゃないよ~』



取り敢えず神様に返信をしてみるとまあ何となく予想していた返事が来て安心している自分が居た。


さすがにあそこまでぐちゃぐちゃになって生きてると思うほど自分の体に対して自信はないし、起きたら体に傷一つ無いことから、読み漁ったライトノベル、WEB小説知識からして予想していた返答のうちの一つだったからだ。


俺『はあ』


神『んで、僕がぐちゃぐちゃの君を作り変えて僕の世界に連れてきたってわけ』


俺『なんでですか?』


神『君のラノベ知識とかだと、女子高生二人を助けた君に感動したとか、僕のせいであの事故が起きたとかが有り触れていると思うけど』


神『特に意味は無いよ!たまたま人の器を作って遊んでるときに日本人の君が死んで、魂を君の世界の神様が安く譲ってくれたから君の魂を器にぶち込んで世界に落としてみたってだけ』


「軽いなマジで」


俺『俺に何かしてほしいとかはあるんですか?』


神『無いよ!』


俺『だったらなんで俺を転生?させたんですか?』


神『特に意味は無いよ!』


俺『マ?』


神『マ』


どうやら時に意味もなくこの神様は俺のことを転生?させてくれたらしい。そのこと自体は感謝こそすれ恨むことはない。


神『あ、強いて言うならだけど君の体の性能は僕が作ったこともあって才能が有り余ってるから、それのテストをしてほしいかな?ほら好きでしょ?俺TUEEEとか無双とかこの世界はモンスター的なのもいるし』


ん?なんかえらく軽い口調でモンスターが居るとか言わなかったか?


俺『え?モンスターとかいるんですか?』


神『うん。いるよ?』


俺『世界がヤバイ的な?』


神『ん?いや全然?迷宮以外からは出てこないように設計したし』


「安全なんかい!!」


そのメッセージを見て三度目の大声を上げた。まあどうやらモンスターが居るにはいるが安全らしい。そのことが分かって安心した。


俺『じゃあ、取り敢えず好きにこの世界を楽しめばいいと?』


神『せやね。僕の作った世界を楽しんでよ』


俺『金とかはどうすればいいですか?バイトとかした方がいいですか?』


神『ん?必要ないよ。君名義の口座に人生50回遊んで暮らせるぐらいに入れてあるし?そこから君の家の家賃とか払ってもろて』


俺『そこまで至れり尽くせりだと、逆に何をすればいいか分からないんですけど…』


神『いやだから、何もしなくていいんだって。暇があればその体のポテンシャルで俺TUEEEしてくれればさ』


俺『了解です』


神『ま、なんか聞きたいことがあったらLINEしてよ!常識的な知識は全部頭に詰め込んどいたから!』



神とのLINEを辞めてとりあえずスマホの電源を落とした。

色々なことがありすぎて頭が痛くなってきたからだ。いきなり神様とLINEする仲にはなるし、転生してるらしいし、特に使命があるわけでもなく、遊んでくれとのことらしいし、金は腐るほどあるらしいし。



少し痛む頭を振り、何をするべきか考えていると再度神様からのLINEが来た。



神『あ、そういえば君の名前は硯 空(すずりそら)君です!前の名前思い出せないでしょ?』


どうやら自分の名前が思い出せないのはデフォだった。俺の名前は硯 空になったらしい。


神『あと君15歳の体に入れたから若返ってるから!』



そう言う事らしい。15歳に若返っていると知った時点で、俺の一つの目標が決まった。



せっかく何してもいいと言われているのだから青春をやり直す。と






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