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第1話 魔法弱者

初めて小説を書いてみました

良かったら最後まで読んでくださると嬉しいです!

大きな木々が並び 燦々と輝く眩しい太陽 生き生きと育った草花 綺麗に透き通った青の池 これを幻想的だと思う人をもいるだろう

だが

そこでは生き物達の生と死を掛けた戦いに勝利した者と敗れた者の声が今日も聞こえてくる…




俺の名前はルアン(15)

魔物の住まう森に生えている薬草を摘む仕事を受けて来たが魔物に遭遇してしまった


「はぁはぁ…!」

息が上がる

滴り落ちてくる汗すらも拭う暇がないほど全力で逃げている

震える足を全力で動かすが追ってくるヤツはかなりの速度だ

「クソッ」

殺るしかない

護身用に持っていた短剣を構えて振り向くと

目の前には兎に角が生えた角兎(ホーンラビット)と言われる魔物がその鋭い角の先を俺の方に向けて全力で威嚇している


「はぁはぁ…!!やれるもんならやってみろ!!」

うおぉぉぉおおお!!!!

思い切り持っていた短剣を振りかぶる

スカッッッッ

空気を切り裂く音だけが聞こえる

「なっっ」


俺の全力の攻撃を躱した角兎はその見た目どおり角を突き刺そうと突進してくる


「なっ」

全力で短剣を振りかぶったせいで避けられそうにない

ドスッッッ

俺の右足にヤツの角が突き刺さる


「うわああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

あまりの痛みに情けない声が出てしまう


痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


だがよく見るとヤツは角が深く刺さりすぎて抜けなくなっている


すぐに痛みで落としかけていた短剣を持ち直してヤツの首を狙う

「クソッ!!!!!!!死ねっ!!!!!!!死ねっ!!!!!!!死ねっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」











「うぅ…」

「ここは……」


辺りを見渡すと手元に短剣が首に深く突き刺さった角兎、自分の足もかなりの出血

すぐに服を破いて太ももにキツく巻く

もう辺りは太陽が傾き茜色に染まっていた

あれからずっと気絶していたようだ


帰ろうと立ち上がる

「ッッッッ」

足に激痛が走るがここは魔物の住まう森この怪我でまた戦えばもう命はないだろう


痛む右足を引きずりながら〝初めて〟倒した角兎を持ち帰る

これでも皮や肉を売れば薬草摘みよりも儲かるからだ











幸いあの後魔物に会うことはなくようやく自分の家があるトンド町に帰ってこれた

石畳の道とレンガの家が立ち並ぶ綺麗な町だ


血だらけで町を歩く


「大丈夫ですか?」


なんて言葉はなく

「ルアンが帰ってきた気やがった」

「今日こそ死んで来ると思ってたのに」

「まだこの町に居るのかアイツ」

「汚ぇなw」

「さっさと死んでくれればいいのに」

「魔法弱者め」


汚物を見るかのような眼 嘲笑う者 わざと聞こえる様に言って来る


誰も助けようとしない


無言で走り出す 右足の痛みすら忘れてただただ走る


勢いよく開かれる腐れかけのボロい木の扉


かろうじて家の原型を留めているのは俺の家だ


持っていた荷物は全てほおり投げて

汚れた服すら気にせず布団に潜り込む


「クソッ」「クソッ」「クソッッッ!!!!!!!!!」

布団を殴る

悔しさから涙が溢れてくる





「強くなりたいっ………!!!!」














あれからどのくらい経ったのかまだ外は暗い泣き疲れて寝ていたようだ

体を拭こうと起き上がる

この家には風呂なんて贅沢な物は無い

まだかろうじて金を払えている水道だけはある

暗い部屋の中慣れた足運びで炊事場の蛇口まで行く

服を脱ぎ雑巾のようにボロボロになった布切れに水を含ませ体を拭いていく

走っていた時に出来たのか擦り傷や切り傷が凄く痛む



拭き終わり、右足の処置を出来るだけする

傷口を洗い流し この家では比較的綺麗な布を巻いていく これで暫くは大丈夫だろう

明日残り僅かな今月分の貯金を持って医者の所まで行こう

明日の予定を決め


帰ってきた時にほおり投げた持ち物の中にある角兎の死体を手に取り


腐れないように布団横に置いてあるこの家唯一の魔法道具の冷蔵庫という物に入れる


「はぁ…」

大きなため息がでる


こんな最弱とされる魔物すらギリギリの戦いになる俺

情けなくなる


おもむろに机の上に置いてある魔法紙を手に取る


この世界では15歳になると協会で神から魔法を授かることが出来る。その時に貰えるのがこの魔法紙という自分が授かった魔法名とその魔法の特徴が書いてある


魔法紙を差し込んでくる月明かりを使って見ると何時も見ているのと何も変わっていない文字が書いてある



名前[ルアン]


魔法名【収納スペース魔法】

特徴 〝収納スペースを開ける〟



そうこの魔法はただ収納出来るスペースを開けるだけの魔法

タンスの中に使っても無理やりスペースを開ける事無く開けられる分だけ開けられる

手作業でも出来る要らない魔法だ


魔法は大きく分けて3つある

戦闘などで使う 戦闘系魔法

料理などで使う 商業系魔法

ここで分かり易く言うと同じ炎魔法でも爆発したりデカい炎を出したりするのは戦闘系魔法

小さい火しか出せなくても火力を微調整できたりすると料理に使えたりするので商業系魔法となる


そしてあったら便利だけど金にもならない要らない魔法 便利魔法

これを授かった人は人々から魔法弱者と呼ばれ社会の除け者にする


俺の魔法この便利魔法に確実に該当する


「はは…w」

情けなくて自然と笑えてくる


皮肉な事にこの魔法のおかげで家の中は散らかってはいない

だがここは魔法が全ての世界

魔法で金が稼げないとなるとそれは死を意味する


「はぁ…」

もう一度大きなため息を吐いて

見ていても何も変わる訳が無い魔法紙を机に戻す


「寝るか。」

また眠りに着いた









真っ暗な世界に囚われている

自分の手を見ることすら困難な暗闇

遠くに見える1つの灯り

その灯りがどんどん大きくなっていく

大きくなってるんじゃなく近ずいて来てるとわかった時には遅かった


近くなってわかった

その灯りは松明の様なものであると

それを持っている人影のようなものは…



邪悪な角 爛々と輝く眼 不気味に光る牙 先が鋭い尻尾


見た者を震え上がらせる容姿ですぐにわかった


悪魔だ


不気味に笑いながら近ずいて来る


ケッケッケッケッケッwwwwwww


こっちに来るな!!!!!!!

叫ぼうとしても声が出ない

体も金縛りになったように動かない


悪魔は目と鼻の先まで来て

持っていた松明を俺の顔に近ずけて来る


うわああ!!!!!!!熱いっっっっ!!!!!!!やめろ!!!!!!!


声も出なく熱がる俺を見て悪魔はただ笑う


ケッケッケッケッケッケッケッwwwwwwww


どんどん近ずけてくる





もう駄目だ





そう思った時

ふと声が聞こえて来た


『 っと見 けた …!!』

なんだこの耳障りな甲高い子供のような声は


『あれ?死んでる????』


先程より声が鮮明に聞こえて来た



悪魔が形を崩して消えて行く

辺りも明るくなっていく







夢から覚醒する

「んん…」

嫌な夢を見たせいか汗が滝のように出ている

頭がぼぅとする



「は?」

家が炎に包まれている

なんで燃えているんだ?


というか


「だ…れだ……おま…え…」


煙をかなり吸っていたのか声が出にくい

意識が朦朧とする


『あれっ?生きてたの??よかった!!』


目の前には色々と際どい服を纏ってふわふわと浮かびながら眩しい笑顔を向けてくる女の子がいた

正直、目のやり場に困る



『ごめんねー!!!!』


いきなり顔が近くに来る


『その〜もっと早く来ようと思ってたんだけどね、その色々手続きとか必要で…

間違えちゃったのはわざとじゃないんだよ?変換ミスと言うかなんというか…』


何を言ってるんだ?


『あ、こんな事言ってもわかんないか!

簡単に言うとね、君の魔法間違えて授けちゃった✩てへぺろ✩』


てへぺろじゃねーよ

なんだ間違えって?


「どう…いう…ことだ?」


『ん〜』

『死にそうだからもうあげちゃうね!』


だからどういうこと…だ???

言う前に身体が不思議な光に包まれる


これは見たことがある

魔法を授かる時に現れる現象だ


何故これが?

もしかして目の前にいるのは神?


そう考えていると

身体を包んでいた光が消える




ドクンッッッ!!!!!!!!!!


心臓が跳ねる


「あああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


頭が割れるように痛い


『おっ!ちゃんと授けれてるみたいだね〜』

『じゃあね〜〜〜!』


「がぁぁああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


その場でのたうち回る






「はぁはぁ」



痛みが引いてきた





目を開ける


「なんだこれ?」


視界がおかしい


炎の揺らめきがわかる

風の流れがわかる


周囲の様子が鮮明に脳内でわかる



だがまだ周りは火の海だ


早く逃げなければ


はっとして気づく

風の流れを見て逃げれば…!


ぐるっと見回す



見つけた!あそこから逃げれる!


そう思い走りだす



バタッッ


転けてしまう


「クソッッ!!」

さっきの頭の痛みで意識はまだあるが

煙を吸いすぎてしまったようだ

身体が思うように動かせない


「嫌だっ…!!!!!」

「死にたくねぇよ!!!!!!!」


這いつくばってでも風の流れる方へ行く



バタンッ!!!!!!!


ガラガラと音を立てて唯一の逃げる道が崩れだす





絶望で声さえ出ない

自然と涙が溢れ出してくる



もう無理だったようだ




こんな所で死にたくなかったなぁ…




意識が薄れていく












バッッシャャャャャン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


いきなり轟音と共に大量の水が降り注ぐ


ごぽぽぽ


突然の大量の水に溺れそうになる

そのまま家の外まで流されていく




家の横にある道路に流し出される


大量の水が辺りに広がる



「かはっ」

「はぁはぁ」


やっと息を吸える


少し水を飲んでいたようだ咳が出る


「はぁはぁ」


息を整える


辺りを見渡す


周りには騒ぎになっていたのか野次馬ばかり

そしていつものやつが始まる

「死ねばよかったのに」

「誰が助けたんだ?」

「もう死にそうだからいいんじゃねw」

「あの光と水はなんだったんだ?」


ザワザワとうるさい奴らだ


………お前らが死んでしまえばいいのに…



こっちは死にかけたのにうるさい奴らについイラついてしまった

なんてことを考えて居るんだ自分は…


身体がキツいのでまた横になる







「きゃああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ぐああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

聞こえてくる悲鳴

悲痛な断末魔



なんだ???

聞こえて来た方を見ると


地面から生えた無数の土の槍があのうるさかった野次馬共を串刺しにしていた



も、もしかして

「俺がやったのか?」




いつの間にか手に魔法紙を握っている

恐る恐る広げる




名前[ルアン]


魔法名【宇宙魔法】

特徴 〝宇宙に在る全てを超越する〟



読んでわかった

俺の魔法が変わっていること

俺が強くなったこと


俺が殺してしまったこと



この国では人殺しはほぼ確実に死刑になってしまう



やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい



逃げなければ…!


ふらつく足を動かし

逃げることだけを考えて走る

町を取り囲む木の柵をよじ登り

町の横にある森の中へと逃げ込む

森の中にある俺しか知らない秘密の洞穴に隠れる


「はぁはぁ」


ここまで来れば何日かは持つだろう


息を整えながら

そのまま持ってきた魔法紙を見る



何度見ても変わらない【宇宙魔法】の文字


動揺で思考が纏まらない


まだ傷も癒えてないし

休んでから考えよう


この洞穴は人1人が横になるくらいの広さはある


小さい石をどけて横になる


すると右足に違和感が

すぐに起き上がって見る


「傷が…!」

傷が徐々に治っていっている


と同時に急に疲れがどっと来た

これまでの疲れなどもあるが

この感覚は前に収納スペース魔法に何か可能性はないのか色々な物に試した時に感じたことがある


これは魔力切れだ


魔力切れは倦怠感や目眩のような症状になる

これは寝ることですぐに回復する


すぐに横になり


睡魔に身を任せ眠りにつく



最後まで読んでくださってありがとうございます!

更新は1~2週間程で出来ると思います。

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