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メタ世界からこんにちは  作者: くくり姫7
世界が始まる前
5/5

キャラ視点:いつもお蔵入りになるキャラ

 新たな空間に『聖女(治療役や~)』と言う文字が現れた。

 合わせて『聖女』が合わせて以前に『聖女』として作られたことがある『姫』の姿が仮にその役にあてられたのだろう、文字に重なるようにうっすらと幻のように現れた。

 聖女って作者は今回、何を書くつもりだ?虚空ゲームモノ?


『あれ?久しぶり?』


『聖女』こと『姫』が頬笑みながらにこやかにオレに手を振る。


「久しぶりです」


『また丁寧語』


 フフっと彼女が笑う。

 オレも基本懇に皇子の設定で、時には彼女は平民でオレが皇子だった時もオレが丁寧語だったから、つい今も丁寧語で接したら、おかしかったらしい。

 まあ切り替えるタイミングがつかめないオレの葛藤でも伝わっているのかもしれない。そしてそれをからかわれているのかもしれない。

 彼女は超能力モノのテレパシー能力者としてデザインされたことがあり、こういう物語の狭間では時時使えるんじゃないかと言う時がある。


『まあ良いけど、ねえ、ボク『キャラと書くつもりだったストーリーが似てる作品が出たから』お蔵入りになったんじゃ無かったっけ?』


「……ボクっ子平民男の子口調に戻ったんですね、良いんじゃないですか?その口調ならあの商業小説の姫の口調とは違いますし、ストーリーも別物を始め直すらしいですよ?」


 それにあの商業小説の姫のような強烈な個性も元々無いので姫カットの髪型と『聖女で騎士団を率いて巡礼の旅の水戸黄門』さえ止めれば元々そんなに被って無かった筈です。


『そうなんだ?』


 彼女は微笑みながらさらりと淡い金髪を揺らして小首をかしげた。

 頭を動かしたことで自分の髪に気がついたのか、彼女は腰ほどまである自分の髪を一掬い、自分の目によく見えるようにつまむ。彼女のキャラのデザイン遍歴的に思うところがあるのだろう、なんとも微妙なアルカイックスマイルで見つめている。


「……ピンクに戻りたいんですか?」


『ううん?別に?』


 彼女は首を横に振る。


『『そんな色、現実に無いのにオカシイ』んだから、別に?』


 活躍は諦めたように寂しく笑った。


 ピンクの髪のキャラなんて昔からいくらでもいたし、最近でも某宇宙漂流サバイバルアニメにも居たのに、彼女は、と言うかオレたちの作者は、その言葉に縛られている。言った相手が作者の姉だったからだ。


 でも彼女の元々のデザインイメージのコンセプトの代案が『ピンクイメージ縛りでキャラデザイン』だったので、それを否定することは『彼女』を否定するようなものだと感じてか、作者は感覚的に戻したがっている。

 しかし彼女の髪をピンクに戻したい以上に作者はその髪色を否定されたのを引きずっているので、作者的に相反する気持ちで『彼女』を活躍させるのに複雑な気持ちになるとかで、作者は『彼女以上にそこにふさわしいキャラがいない』と言う時以外、作品に登場予定も与えない。

 ふと使いたくなってこうやって『仮』と言うか、そこにあてられるキャラが固まるまでの……そこにあてられる役者が決まるまでの代役の役者のようにあてられは降板させられる。そんなキャラだ。


 そんな彼女は昔から何度も何度も色んな作品に『彼女を主人公にするための物語』を作者が考えては『彼女が主人公であるがゆえに』没にするのを繰り返しているので、それを繰り返された結果、『彼女』は『オレ』と同じように自我を持つようになり、物語の狭間で動くようになった。


 今回は『彼女を主人公にするための物語』では無いけれど、今回もきっと結局彼女は使われずにお蔵入りになるんだろう。


 彼女ももう、あきらめて、それで寂しく微笑んでいるのだろう。そしてその境遇の象徴があの髪にあるので、自然に視線が留まるんでしょう。


 と、彼女の耳がエルフらしく伸び、次に髪に花冠がのせられ彼女の髪が桜色に染まった。そして次に彼女の髪がオレンジ色に染まり直し、そして姿がハッキリとした。

 続いて彼女の背が縮まり、髪がショートカットになり、ピンクと言うか、ローズピンクに染まり、人間耳になった。

 彼女は目をぱちくりと動かす。


「……どうやら、今回は登場する予定のようですね?」

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