作者視点とキャラ視点:基本的設定……中
―― 作者 ――
真っ白なページの多いメモ帳を前に、シャーペンの先が迷うように動く。
敵国……敵、亡国があるのなら国を消したら敵がいる。
ただ、なぜか今回は唐突に亡国、にする気がしなくなってきた。
国を消す前に助けを求めた住民の願いに答えて女神が主人公を召喚した、そうしよう。
黒髪の従者に黒髪の皇子、
この国の住民はみんな黒髪にしよう、周辺の国は茶パツや赤毛が多目で、もっと北は金髪もいる。うーん、大昔に書きかけた、イエローの設定思い出すなぁ、色々捏ねているうちに巫女であるイエローだけ金髪で、だから名前がイエロー、とか言う設定つけたっけ(ゴールドは音がごつくて避けた)、
だから金髪が追っ手の目印で、金髪を隠すために茶パツに染めてる設定で「茶パツと金髪って地域的に一緒?」と気づいてからイエローの髪色を実在ではもっと珍しい銀髪に変えたからそもそも名前の意味がなくなったからシルバーに変えたけど、今思い返すと金髪のほうがこういう設定なら特別感あるなぁ、問題は「金髪は特別」設定にするとそれ以外の金髪キャラを出せなくなるからキャラデザインが大分制限されるし現実には「それなりにいる」からエジプト設定でも無い限り読者的には『特別に感じられない』ことだけど。
……仔犬の皇子の瞳は金色にしよう。
月の女神の加護設定……いや、太陽にしようかな?
黒の毛髪、夜をイメージさせるけど実際には黒い色素の体の色って南の国っぽいもンね。
いやでも、犬の獣人だもんな、月が良いか、アルテミスとかのイメージとかで……女神のイメージが「他力本願」設定と合わないな……アルテミスは狩りの女神だけあって自力でどうにかしそうだもんね。バチを当てるときも自ら果敢に当てにいくし。過保護な兄がいるけど。過保護と言うより加干渉かな?まあそれ(アポロンが過保護か加干渉かどうか)は兎も角、お話としては……主人公を仔犬の皇子の為に召喚して遣わすかどうかだよね、
皇子の国が危機に見回れてそれを回避するために黒髪の主人公が使わされる、主人公が使わさた者として分かりやすいように『黒髪は特別』にすると国の住民の体毛が黒が一般的と言う設定が覆るから『黒髪は王族、それ以外は黒に近い体毛』にしようか、あと人間で黒い色素の人は噂に聞こえる範囲でも無い設定、にしよう。
あとそれだけじゃ特別感が弱いから、住民のはだの色を褐色にして、主人公だけ象牙色、敵国は白……黒髪以外白肌だと白人さんの外見になるね……人間VS獣人で加えてそれだとなんかめんどくさくなりそうかな?
獣人VS人間なだけなら「なろうファンタジー」としてよくあるけど。
『人間の国の人間には黒髪がいない』だけで獣人の肌の色は敵国と、人間と変わらない色にしよう。褐色の肌の人間の国も遠い異国にはある設定にしておこう。
それで人間は黒い色素で獣と人の姿をもつこの国の住民を魔物と同一視して、『魔族の国の住民』は黒髪にしよう。魔族と言っても魔法を使う魔法使いの国……だと人間の国に魔法が無いのかという疑問が……、その戦力差で人間の国が侵略されてないのは魔法を使う人よりタフで頑健で攻撃性が高くて、そんな人間の国を支配するほうが面倒だからしない、とか、いや、やっぱり人間は魔法を使えて、獣人は強化魔法は使えるけど魔法は使えない、にしたほうがイメージが分かりやすいかな。
魔族云々は今回は止めておこう。
イメージからの差別とかではなく、単純に「強い国が近隣を侵略してやるぜ」にしよう。
侵略したがる動機は~~~~、単純に、飢餓かなぁ。もっと北の国に侵略されかけて、はね除けたモノの国民が減って兵力、生産力が減ったため奴隷を求めて侵略しやすそうな小国を~~小国でも獣人の国は強そうだ、この『VS敵国』設定を止めようか……。大体女神が『人VS獣人とは言え人の闘い』で、口出しするかな……(同じ世界の住民同士なら言わば生存競争だし)?他世界から主人公を召喚するほどの口出しなんてそれこそ、女神が、神がどちらかに助け手を送るなんて、自分の世界が話の通じない、邪神(神仲間ではない、話し合いができない)とかに侵略される時とかでないと……同じ世界の神なら邪神呼ばわりは変と言うか状況が想像できない、けど行きなり暴力振るってきて話し合いにも応じない奴……とかなら神同士にもいる設定にすれば……侵略邪神、
うーん?
普通?になろう異世界転位モノにしようと思ったんだけど、そういうことなら異世界転位勇者モノかなー?
主人公、おっさんから若返りの冒険者(虐げられていると獣人を救う)にするつもりが勇者に変更か……古典なろうだね……。
あ、邪神はなぜ獣人を真っ先に虐げるのかと言うと動物嫌い?動物アレルギー……アレルギーでもモフモフ好きはいるしそう言う人に失礼だからアレルギー邪神は止めよう、単純に動物嫌いか、この世界の女神を嫌いか。その辺は女神視点では『ワケわからん』で済ませるべきか、ワケわかるなら対策練れる筈だから。
まあ、兎に角、主人公は勇者か、神子だね。
元々のお人好し設定はこのキャラの根本だったわけだから無くしたくないから、神子かな?若しくは巫女(男性だから男巫)。
じゃあ勇者も考えるかな、血気盛んで敵なら敵を殺せる性格……この世界の住民が良いかな、自分の世界を護るのに他世界頼りというのも無責任だし。
主人公が黒髪の人間で獣人国に舞い降りた巫女だから、金髪で人間の国の王子にしよう。魔法も使える文武両道、魔法も使えるから三道。なんだろう、うーん、なんか金髪ナルシスキャラについでに挑戦したくなってきたな、ナルシスなら応援系にしたいな、文武魔法三道は三道でも敵を殺せるキャラじゃなく、バッファーにしようか、すると主人公は何をするのか問題、バッファーだと被ってしまうが敵を殺せないお人好し、巫女、勇者覚醒の旅とか魔王を、この場合邪神を、封じる能力解放の旅とか、最終アイテム巫女(男)。……異世界から召喚する必要性が……流行りのゲーム転位か転生で、主人公は邪神の弱点を知ってる設定にしようか?いっそ邪神は実は……
―― キャラ ――
なんか唐突に、金髪の前髪をかきあげている美形が現れた。
美形でもオレとは違うタイプだ、オレはアーモンド型の目だけど彼は少し珍しくタレ目で、可也珍しく泣き簿黒がある。『男性の』では無いけど色気がある、『ナルシストっぽいポーズ』だ。フッとか笑ってる。見たこと無いタイプだな。如何に見ても貴公子の身なりだ。王子二人目かもしれない。
主人公の仲間のバッファー(支援魔法使い)という気がする。
じゃあ主人公は支援される側?ああ見えて戦闘職なのかな?いや、治癒役かな?
戦闘職は皇子の護衛と別のキャラが?
そう言えば人間の王子がバッファーならこっちの獣人の皇子の仔犬はなんの役なんだろう?
―― 作者 ――
人間の王子がバッファー、
異世界からの主人公が巫(男)で治療、
皇子の護衛が剣士、
主人公になつく仔犬皇子が戦闘職で、主人公の能力でリミッター解除になって勇者、
……女子が居ないな、やっぱり聖女(治療役)を加えよう、あと攻撃魔法使いの魔導師長、森の魔法使いの魔女、魔導師は男で……長ほどの人なら自分の国を護る柵があるよね、国が送り出せるなら勇者が各国を回って味方を各国から募る、みたいな?
あと聖女と異世界からの巫女の主人公が被ってるかな、お人好しの主人公を巫女の役どころにしようと思ったけど勇者にしようか?なろうではその方が良いだろうし。でもそれだと仔犬の皇子はどうするかな……それに『勇者が他の世界の住民』だとやっぱり『この世界の住民では生き残れないのか』みたいな情けなさがあるし……でもゲーム転位だとしたら『ゲーム主人公である勇者が獣人』って一般的に無いよね……ゲームユーザーの感情移入的に。
あ、そう考えるとゲームユーザーの感情移入的にゲーム主人公は『突然抜擢された一般出身の人間』が良いのか。
……じゃあ、“この世界”では『ゲーム』と違い、邪神にそそのかされた人々により主人公が迫害され過ぎて『こんな下らない人間を助けるモチベーションを持てなくて』勇者出来なくなる、そんな勇者の心を、と言うかモチベーションを持たせるのが召喚された主人公、に、するには仔犬の皇子のところではなくてゲーム主人公の所に主人公が転位しないと変だよね……。