表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メタ世界からこんにちは  作者: くくり姫7
世界が始まる前
3/5

キャラ視点:世界が始まる前―亡国?

 「オレ達」の作者は作品を作るとき、まずキャラデザインから入る。

 元々子供の頃から漫画を描いていた名残だ。

 だからイラスト無しで新キャラ作成は珍しい。


 オレはオレ以外には仔犬だけが楽しげにワフワフ跳ねるこの真っ白な空間で腕を組んで仔犬の顔を覗きこんだ。

 仔犬の瞳がルビーのような真っ赤になったり金色に成ったりする。

 作者は妙なところで迷っているらしい。

 たぶん瞳になにか特別な意味でも持たせるんだろう。と言うことはこの仔犬獣人は特別な何者かになる予定だな。


 主人公に持たせるべきでは?特別な設定。


 それともBでLなモノの予定でこの仔犬の将来と主人公がラブなカップルにでもなる予定でしょうか?

 主人公の恋人役なら()()な中2設定が与えられて当たり前だろう。


 ……BでL……ラブなカップルにでも……オレの口調が今までに比べて可也珍妙な気がする。


 自分を観察しかけたら仔犬の側に黒服の隙の無い黒髪の青年が現れた。

 クール系は久しぶりに見た。

 生真面目そうな、隠れ熱血と言う気がする。たぶん武人……騎士だ。

 この仔犬の護衛、と、言うことはこの仔犬は皇子とかかな?


 好きだな……追われている亡国皇子設定。

 国取り戻すほどのモチベーションを亡国皇子キャラが持てなくて物語が始まる前につぶれることばかりなのに。


 オレを含めて作者は「亡国皇子が国を乗っ取った相手を打ち倒して国を取り戻す」と言う話を書きたいらしく何度か挑戦するのだか、

どの亡国キャラも国を取り戻すモチベーションを持てなくて話が頓挫してばかりだった。


「物語を書いているとキャラクターが勝手に動き出す」と言うのを聴いたことがあるだろうか?


 ()()()()()()()()()()()()()()()


 いいや、ある意味その言葉通りだったのかもしれない。


 オレ達は、国を奪われ、亡くし、それを取り戻すモチベーションを持てなくて、作者がどんなに「物語」を進めようとしても勝手に諦め、亡くしたなら亡くしたで新しい国を人々が繋いでいくと、新しい歴史を享受していまって、「取り戻す」が出来ないのだ。


 国を未だ奪われる前なら足掻くのも分かる。でも奪われ、もう、終わってから足掻くなら、なぜ奪われる前に足掻かなかったのかと思ってしまうし、新しい国ができて体制ができてからひっくり返すのは、ただいたずらに世の中を混乱させるような気がするので、オレにはそこに意味を見いだせなかった。


 奪われた国の元国民が強いたげられていると言うのなら旗印にもなろう、だが、オレはそんな「元国民」を知らずと言うかいる影も形もなく、行き倒れたオレを拾ってくれた盗賊――義賊団しか味方がいない設定からスタートだった。

 旗印にしたがる生き残りすら居ないのなら、意味はないだろう?

 四面楚歌の、ガッチリと安定した政府――敵にすらなれない――を相手に追われながら反撃を繰り返し、ひっくり返す……無理でしょう、目処すらできないし、政府が安定しているのにひっくり返して誰か喜ぶのか?義賊達を道連れに、滅ぶ未来しかみえない。

 大体義賊達がそこでそんな危険性があるのに味方になってくれる意味が分からない。

 意味がわかっても生半可な意味ならオレは止める。彼らの命の責任がとれる気がしないし、彼らの命を懸けさせるそこまでする意義が見いだせない。


 作者はたぶんその頃に見た某怪盗アニメにでも憧れていたんじゃないのかと思う。怪盗かわ囚われのお姫様を救う話だ。

 しかしあのアニメに憧れた結果がオレの最初の物語だと言うのなら、オレはロリコン伯爵に囚われる悲劇のヒロインにはオレは向かないと思うし囚われなくてよかった。

 オレには囚われのヒロインのもつ健気さも足りない。


 兎に角、()()()はそんなわけで勝手に物語を動かすと言うか、動かなかった。


 たからこれ系(亡国皇子が国奪還)の物語は「オレ達」の作者は書き上げたことが無い、なのに、


「また、挑戦する気ですか……」


 だとしたら、物語は、始まる前に止まる姿しか見えない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ