キャラ視点:我輩は自我がある
我輩は小説の……物語の登場人物である。
名前は未だ無い。
マダ・ナイではなく、未だ無い。
まあ大抵の作品でつけられてきた名前ならある。
最初につけられた名前は「スター」だったか「イエロー」だったか。家名はその頃作者が……オレをキャラデサした頃作者は未だ子供の頃だった……が好きな「月」をそのまま外国設定に合わせて英語にして……当時幼かった作者が知ってた唯一の外国語は簡単な英語だけだったので英語で「ムーン」だった。
世界観のイメージは古代ギリシャだったのに英語。
その後作者の姉の要望に合わせて「寒い地方」と言うことで世界舞台は中世北ヨーロッパになった。
ですが英語。
未だ子供だった作者にはギリシャ語やら北欧語やら調べるという、発想も無かったし、当時調べる方法もろくに無かったし分からなかった、んだと思う。
その後有名作品に「イエロー」という少女が登場したとかでそれらの名前は封印された。
当時一人称「オレ」の名前に合わせてカラーネーミングだったサブキャラたちも作者の姉に「全員色の名前なんておかしい」と言われたため、全員名前もキャラも封印された。
……………その有名作品に登場したキャラたちも全員色の名前だったのもあるが、逆に考えれば全員名前が色と言う世界観があってもおかしくはナイはずなのだが、兎に角封印された。
今残っている当時一緒に産み出されたカラーネーミングのキャラはグリーンとブルーという名前のキャラのみだ。
数年後作られたキャラで仮の名前がパープルと言うキャラもいるが、作者姉に見せない前提での仮の名前で、結果彼女は仮の名前のままで、しかもその作品そのものが途中でポシャったので現在まで世にでて居ないんで彼女の存在はカウント外だ。
さて、うっかり先程はオレは一人称を「我輩は」とか言ったけど、
実のところオレの今の一人称は「オレ」だ。
作品世界に寄っては「私」の時もある。
ここまでノリでぶっきらぼう口調を続けてきましたが実は大体敬語キャラ。
ノリで親しみのこもったと言うか、若い女の子のような口調だったときもあったけれど、正直作者のイメージ的に「オレ」と合わなかったらしくその部分は「別キャラとして」オレと別けられ別キャラとして独立した。ちょっと珍しい成り立ちの「新キャラ作成」だったんじゃないかと思う。
性別は両性具有。
両性具有だけど男の色気も女の色気も可愛げもない(前述した「別キャラとして」別けられた。キャラはそのため差別化の意図で「かわいい」キャラになったけど、「オレ」は「可愛が無い」)。
ただし常に「美形」。
そんなわけで服を脱がなければ
「繊細な」あるいは「女のような美形」で通るので男性キャラも、
「凛凛しい」あるいは「宝塚のような」あるいは「騎士のような」「貴公子のような」美人、で通るので女性キャラもやれる。
因みに主人公になったことは今のところ無い。
最初にキャラとして産み出されたときの作品含めて、主人公を予定されて設定を組まれたことなら何度もあるが「オレ」が主人公作は大体書き出される前につぶれる。最初に産み出されたときの作品含めて。
たぶんキャラ的に補佐キャラか謎キャラの方がオレには向いているんだと思う。
さて、オレは作者の産み出した最古参キャラの一人として色々な物語を作者が書こうとして作られた小説の中に登場しつづけた結果、いつのまにやら「自我」に目覚めてしまった。
オレは作者が作品を途中で投げたし、あるいは平行して別の世界の物語を書くようになると、オレはそちらの世界でも登場する事があるのでオレは複数の世界の記憶を持つようになった。
そしてオレは今、世界の狭間にいる。
前にもいたことがある、だから分かる。
作者が次の作品を作り始め、オレは今いる……前いた世界から次の作品の世界へと移るんでしょう。
昔からこういう「物語の世界の裏側」や「物語の世界の狭間に物語の登場人物達が暮らしている、と言う作品は実はちらほらあったので、オレもそういう状態に目覚めた時、「そう言うことか」と、理解できた。
できたが………
だか、真っ白ななにもない世界でただ一人自我を持つオレは呟いた。
「うっそでしょう……」
他に、誰もいないし、なにもない。
なんだこれ。
この状況。
前にも何度かいたことがある「世界の狭間」と違って何もなかった。
他に自我に目覚めた連中もいないし世界の狭間の世界でも無い。
たが、「世界の狭間」だと分かる……。
新しい「世界の狭間」だ。
なぜ「世界の狭間」が新しくなったのかはわからない、わからないが……オレは思う。
「次の世界」はどんな世界なんだ……?
そして「オレ」は一人でいつまでにここにいればいいんだ……?