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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第8章 ノベルゲームの始まり
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知らぬ存ぜぬ事柄

つい最近、とんでもない魔力の持ち主が現れた、らしい。


「俺には関係ないけどね、そもそも魔力って何だ?」


教室の片隅、俺は授業を聞きながら器用に独り言。顔は凶悪だが、存在は薄いという特技のため、俺の独り言は気付かれない。


禁固刑を終わらせ、学園にもそれなりに慣れ、一旦落ち着く事を覚えた俺は周りの事を多少気にする事が出来てきた。


その中で周りの噂話と言うのが耳に入る。さっきの魔力関係の話しも噂話だ。


他にも、竜馬がなんやら、佐渡さんと誰々が喧嘩したやら、魔力持ちが異世界の魔法の王に追っ掛けられるやら、なんやら。


噂話は耐えず、勝手に俺の耳へと入ってくる。存在を気にされてないために、近くで話していくんだろうかと妙な納得をした。


そして、竜馬に言われていた、俺が禁固365年捕まって、長い時間を生きている事をバレないようにするにはどうすれば良いかも考える。


考えた結果、極力人に関わらないがベスト。


それでも俺に関わってくるのが、竜馬、佐渡さん、洋子ちゃんに、ウイッスくんと姫川さん。そして、何故か王妃様だ。


王妃様に洋子ちゃんとの仲を取り持つ会とかという、謎のメッセージが交換したその日の夜、マイディーに届いた。


取り持つ会って……、俺と洋子ちゃんは姪とおじさんの関係だ。見た目が妹に似てるため、恋愛感情に発展するのは難しい、いや、無理だ。


姪なんです、と王妃様に伝えるべきだと思うが、それを伝えた結果どうなるのか想像がつかない。理不尽に発狂されたりしないか、それを心配している。


然り気無く、竜馬や佐渡さんに王妃様について聞いてみた。三人三様とはこの事で竜馬からは何事にも一生懸命、竜馬を立てる大和撫子のような、ただしっかりとした意思のある、と良い事ばかり。


佐渡さんは、とんでもない腹黒野心家、ただ、竜馬に()()は優しいらしい。好きな相手だからだろうと言ってはいた。


洋子ちゃんノートには、身分を弁えてはいるが、悪役王妃と書いてあった。悪役王妃って何だとばかりに俺は頭を抱える。


何にせよ、無難にいつもの取り敢えず頷いておけ戦法を使って王妃様の話を聞いておこう。


色んな噂があるが、美人なので良いとは思う、俺も男なため美人には弱い。 そして王妃様ゆえに、人妻の響きがエロいなと真顔でぐだらない事を授業中に考えていた。


「……次は、あれか」


「行こうぜー」


ふと、近くにいた男達の声で、意識を戻す。授業が終わったらしく、周りは騒がしい。


「……行かないと、なぁ……はぁ」


小さな声と軽い溜め息。 俺は王妃様に呼び出されていたため、立ち上がり呼び出された場所へと足を向けた。

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