秘密ノート
暫く学園へ通うと、自分が行う行動のサイクルが見えてくる。
日課となるような事は一つか二つ出来るもんで、週に1回は竜馬だけしか入れない場所で何故か入れる洋子ちゃんと他愛ない話をする等が組み込まれている。
他にあるとすれば、食堂に行けば王妃様に絡まれる。
一方的に言われっぱなしだが、絡まれるのは決まって俺と洋子ちゃんが居る時のみ。
俺が単体で絡まれる事はない。
相変わらず、一人になると感じる視線も健在。
洋子ちゃん、王妃様、視線は学園内で常に起こっている事で。
熱血エルフや黒髪イケメン、三生物にはあれから会ってはいない。
会ってはいないが、熱血エルフは時々見掛ける事はある。
常に叫んで誰かを助けているのを見たりしている。
洋子ちゃんとの定期的な話で、俺には理解不能な話しもあれば、洋子ちゃんの口から聞く情報網は感心するばかりだ。
何処から来る情報かは知らないが、宇宙や異世界の事を良く知っていた。
俺に絡んだという三生物は見た目通りに宇宙人であり、佐渡さんと姫川さんが居た星の生物でもあると。
三生物合わせて、三馬鹿生物と一括りにされているようだ。
聞くところに寄ると、佐渡さんが地球に移住する前に住んでいた星の名はゴーモ星と言うらしく、その星では名を知らない者がいない程の佐渡さんは有名宇宙人。
噂によるとゴーモ星の王を暗殺、自分が王になったと聞いた。
これ、何で知ってるんだ?洋子ちゃんは。
佐渡さんが前に独房内でSPの王様的な話をしていてSPの王様なんて、な事を言ってはいたが本当はゴーモ星の王様だったんだなぁと認識する。
俺を助けた熱血エルフのマンノールさん、こちらもどうやらエルフの王らしい。
生きている年数も俺よりかなり上らしく、年上かと少し喜んだ事は内緒にしておく。
「しかし、洋子ちゃん……本当に何でも知ってるなぁ……」
俺の手には洋子ちゃんが手書きで書いてくれた、俺がさっきまで考えていた事柄が書かれているノートを手に持っている。
三馬鹿生物、熱血エルフ、佐渡さんに、そして王妃様と黒髪イケメン。
マイディーだと色々問題があるらしく、洋子ちゃんは手書きで書いて、ノートを渡してきたようだ。
これは無くしたら大変やばい代物だとは理解している。
「秘密、らしいしね。俺に知らせる意味がいまいち解らないけど、うん」
続きは自分の家に帰って読もうと俺はノートを鞄にしまう。
午後の授業は間が空いていて、俺は何処かで時間を潰そうと考えた。
前に美術室に行こうとしたらあの三生物に絡まれた、図書室だとまた黒髪イケメンに会うかも知れない、ただ、図書室は暇を潰すにはかなり良い物件。
俺は悩みに悩んだ結果、図書室へ向かう事にした。




