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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第8章 ノベルゲームの始まり
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閑話365年、私のおじさん

学園の授業が終わり、私は竜馬さんと初めて会った場所に来ている。初めてって言うのは私がゲームの世界に来ちゃった日の事。竜馬さんが一人で居た時の事。


後々聞くと、この場所は竜馬さんが気に入ってる場所で竜馬さんしか来ないって聞いていた。


今は、私とそして大洋おじさんが入る。


竜馬さんにお願いして、大洋おじさんと二人で話せる場所として提供して貰っている。私の動ける範囲って、この場所と学園しかない。学園だと大洋おじさんって気軽に呼べないし、二人きりって言うのが難しい。


誰に聞かれてるかも解らないし。


だからこの場所は、私や大洋おじさんにとって良い場所とも言える。私の知ってるお父さんからのゲーム内容とはちょっと違っているけれど。


「大洋おじさん、今日はどうだったの?」


テーブルを挟み、小さな噴水から流れる水の音を聞きながら向かいに座る大洋おじさんに問い掛ける。


正面から見る大洋おじさんの表情が歪められた様に見える。けど実際は困惑な表情かも知れない、大洋おじさんの顔は私から見たら怖い部類に入るし。でも、ちょっと笑った時は可愛いおじさんって感じにも見えた。時々しか見れない表情。


「あー……色んな人?いや、生物……に会ったなぁ」


「人、え、生物?」


大洋おじさんから詳しく聞く、私の認識が正しいならこれは佐渡さんルートに出てくる三馬鹿生物かも。佐渡さんを慕う宇宙人、佐渡さんの為だと思って色々しでかしちゃうっていう。確か主人公ちゃんに絡む筈だと思ったけど、大洋おじさんに絡んじゃったのかな?


「それで、熱血っぽいエルフの、確か……」


「……マンノールさん?」


「ああ、確かそんな名前だった」


三馬鹿生物に絡まれてマンノールさんに助けられるって、え、それ、主人公ちゃんポジション……?大洋おじさんが学園に居るから、色々ごちゃ混ぜしちゃってる?


考える私に大洋おじさんの言葉が続けられた。マンノールさんに会ってから、食堂に来て私と一緒に王妃様に絡まれて。


王妃様には私も何故か絡まれるんだけど、これは竜馬さんルートのために仕方がないから良い。ほんと、私も一緒なのは気になるけれど。


「それから、図書室行ってウイッスくん達を待つ間に本を読んでたら、誰か来て」


「誰か?え?どんな?」


「黒髪イケメン……かな、無表情で」


「黒髪イケメン……無表情……」


お父さんから教えて貰っていたノベルゲームの登場人物を思い浮かべる。確か、図書室に出没する異世界人のカルムくんが居た筈。大洋おじさんにカルムくんの名前を出したら肯定された。


こっちはカルムくんと主人公ちゃんが会うファーストコンタクト。これって、どういう事?


やっぱり、大洋おじさんが学園に居るから全く違うルートになったりしてる?未だに主人公ちゃんを見付けられてないし、本当に居るのかなー。


「洋子ちゃん、大丈夫か?」


「え?あ、うん!大丈夫だよ、大洋おじさん」


心配そうな声で私に問い掛けてくる、大洋おじさん。ルートが外れようと、どうなろうと、私の気持ちはお父さんやお母さんと一緒で大洋おじさんが幸せに過ごす事。


私は改めてそう思った。

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