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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第8章 ノベルゲームの始まり
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全然隠してない

「大洋!入学めでたいな、一緒に教室にくぞ」


「…………え、あ、うん」


入学式後、俺は竜馬に笑顔で駆け寄られ声を掛けられる。そして周りが騒ぐ、何故こんな悪役顔の奴が今の()と仲が良いのかと。


不老不死を隠すようにと竜馬に言われていた、竜馬も不老不死だとは秘密にしていると言っていた。


だから俺はてっきりこの学園の理事長で王様である事も隠してるものかと思っていたが、思いっきり勘違いしていたようだ。


竜馬は王様って事は隠してねーのかよ!


いや、ただ、良く考えたら解る事だ。()()()()()()()()と銘打っている。神宮司って言っちゃってる辺り王族関係なんてバレバレだ。これは勘違いした俺が悪い、と結論付けた。


今の状況は、俺が神宮司学園に通ってた頃に良く似た感覚だ。王子であった神宮司が俺に話し掛けた事で周りから居心地の悪い目で見られている。


お構い無く、神宮司は何かと俺へ話し掛けてはいたが、竜馬も同じ事をしている。神宮司家の血筋はそんな感じなのか?


まぁ、竜馬だけで目立っている訳でもない。


「ひゃっひゃ!竜馬ちゃん、張り切ってんなァ、大洋ちゃんと学園通うのォ、楽しみにしてたみたいだぜェ?仕事中にそわそわしてたしィ」


「きゃは!かーわいーです!」


「ウイッス!」


佐渡さん、姫川さん、ウイッスくん。この三人に囲まれているのでも目立っている。そして俺のこの悪役顔でも目立っている。入学式をさっきまで行っていたが、右側に座った男が俺の顔を見て小さな悲鳴上げてたからね。


竜馬達に教室へと移動する中、俺は今日から通う学園の事などを思い返していた。


この学園は竜馬が理事長となる、王様や市民、異世界、宇宙との他交流を深める為の学園、アースインターナショナルとこれまた解りやすい名前だ。


習いたい教科等は自分で選べるらしい。俺が昔通ってた学園は普通科だったが、少し興味が出ている教科があったりする。


独房内で磨きに磨かれた絵、つまりは美術関係の教科に興味がある。後は普通に一般教科辺りだ。語学に宇宙やら異世界、魔法とかもあったが全く出来る気がしない。


だだ、ある程度の異世界語と宇宙語は習わないといけないらしい、憂鬱だ。


「大洋、疲れたか?入学式の後の説明が終われば帰れる。我慢してくれ」


「や、あ、うん、大丈夫だ、し」


心配そうな竜馬に、吃りながらも返事を返す。選ぶ教科は自由だが、皆が取らなければならない教科はクラスで分かれてはいる。


竜馬の理事長な力なのか、クラスは竜馬、佐渡さんと一緒だ。俺は入学式には参加したが、実際は転入扱いらしく、一年先に入学してあった佐渡さんとクラスが一緒のようだ。しかし、教科を選べる辺りで一緒のクラスだとしても余り接点はないようには思える。


竜馬と佐渡さんが俺と同じ教科を選ばない限りは。


「じゃ、私とジーくんはこっちなので!お迎えは終わった後にきまーす!」


「ウイッス!」


姫川さん、ウイッスくんは本当に今日が入学、一学年下だと聞いた。この学園に年齢の概念があるのかは微妙だが。


色々と考えている内に、俺と竜馬、佐渡さんは教室へとつく。


クラメイト達はどんなだろうかと考えながら俺は竜馬達と一緒に教室内へと足を運んだ。

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