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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第7章 刑期を終えて
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実施と言う名前のデートかも

「今日は実施するッス!なので姫川さん宜しくッス!」


「きゃは!はーい、大洋様の為に頑張ります!」


俺を挟んで両隣、ウイッスくんと姫川さんがそれはそれは楽しそうにはしゃいでいる。はしゃいでいる二人を他所に、俺は尋常じゃない緊張をしていた。


マイディーの使い方を覚える為の実施なのだが、それは別に構わないテストのような物だと俺は思っている。


しかし、一緒に出掛ける相手がウイッスくんではなく、姫川さんという事実。


ウイッスくんも一緒かと思ったが、実施に先生は見守るだけとか良く解らない理屈を述べられ、ただし護衛は必要の判断……なので一緒に出掛けるのは、姫川さんとなった訳だ。


護衛とは言ってるが、俺の中では監視だと思っている。俺が変な事をしないようにとか、いや、しないけど。


しかし、姫川さんと俺とで出掛ける…………女の子と二人で…………これは、デート……か?


そう意識した途端、緊張がピーク。


いやいや、デートとか烏滸がましい!そう監視、監視される側とする側の話だ、うん。しかし、二人で女の子と出掛けるのは妹の美月としかした事がなかったため、何をどう話せば良いのか解らない。


まさか、これも試験みたいなもんか?今の時代についていける会話を会得するための実施も含まれてるのか?ウイッスくんはそこまで?


ウイッスくんへと視線を向けると、眩しい笑顔を向けてくれる。ただ、竜馬のような輝かしさはないが、安堵するようなほっこりした笑みではある。


「それじゃあ、大洋さん。姫川さんを連れてマイディー勉強ッス!」


緊張しつつ、俺はウイッスくんの言葉に従ってマイディーを起動させた。えっと、ゲートを使うには……、


「大洋様、大洋様っ」


「へ?」


物凄い近い距離で俺に話し掛ける姫川さん、余りの近い距離感にビクッと肩を揺らした。大きな目が俺を見詰める、良く見なくても良く見ても顔立ちは可愛く美月とは違ったタイプの可愛さがある、無邪気だ。いや、小悪魔か。


「ゲートは外でしか使えませんよー?」


「…、そ、そうだった」


ちらりと、ウイッスくんを見るとうんうんっといったように頷いていた。ウイッスくんはスパルタ教育ではなく、優しい飴しか与えない教育だったので俺には凄く助かっている。


姫川さんに言われ俺は家から出る、周りは木々に囲まれた空気の良い場所。竜馬が言っていた秘密の小屋と言うくらいには成り立っている、しかし小屋ではない。


「え、っと、ゲートを選んで、場所を打ち込む…」


外に出てマイディーとにらめっこ、言葉で表した通りにゲートと書かれたのを指先で選び、キーボードの様な物で行き先を打ち込む。声で行き先を告げるのもあるらしいが、どのボタンか忘れた為に初心者に優しい方を選んだ。


今回行く場所は、秋葉原。姫川さんのリクエストだ。因みに俺が生きていた時代と今の時代の県名等の呼び名は余り変わっていないらしい。ただ、宇宙や異世界と言った場所の名前はさっぱりだったが。


忠実にウイッスくんに教えて貰った通りにマイディーを使うと、目の前に渦巻き状の真っ黒い何かが現れる。え、これ、通るの?


「成功ッスね、じゃあ、秋葉原を楽しんで来て下さい。門限は守るッスよ!」


子供かっ!とは突っ込むが、心の中で思う事にした。


「大洋様、行きましょ!」


姫川さんが俺の手を掴む、所謂手繋ぎだ。やっぱり姫川さんの距離感は近い、無邪気だからこそかも知れないが。


緊張する俺だが、姫川さんははしゃぎ捲っている。考え方を変えれば、お爺ちゃんが孫に手を引っ張られ買い物に行くという図にも思える。そう考えれば、多少の緊張は解れるだろう、要は気の持ちようだ。


「え、っと、行ってくる、な、ウイッスくん」


「ウイッス!」


姫川さんにリードされ、俺は初ゲートを潜った。

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