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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第7章 刑期を終えて
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世の中講座

佐渡さんとの外出から2日後、竜馬からとあるロボットが送り届けられた。それは良く知るロボット。


「ウイッス!お久し振りッス!看守だった|GMK-DOUBLE(ジーエムケーダブル)ッス!」


送り届けられたのは、俺の看守をしてくれていた、ウイッスくんだ。勝手に名前を付けていたが、本当の名前はジーエムケーダブルくんと言うようだが覚えづらい。


ウイッスくんじゃ駄目だろうかと思ってみるが、気軽に名前を呼び合える仲ではないため、ウイッスくんと口には出せず心の中で思う事にした。


ウイッスくん、何故俺の住む家に来たのかは姫川さんが説明をしてくれた。


「大洋様って今のご時世に疎いじゃないですか?王様が心配して、学園に入るまではある程度の知識を入れないと困るかなーって。だから王様が手配したみたいです、大洋様の家庭教師兼務のSPロボを」


「SPロボ?や、でも、ウ……彼は看守じゃ……?」


「ジーくん、社長が気に入っちゃって会社に引き抜いたって言ってましたよ!私も大洋様の護衛ですけど、女性と男性と着いて行ける場所も限られちゃうんで、もう一人って話で知識豊富なロボットSPのジーくんが選ばれたみたいです。それに大洋様とも面識あるって事も選ばれた要因みたいですね!」


「そーッス!」


二人のダブルスマイルに、何か言う事もなく頷いた。ということは、これから此処で三人で暮らすって事か?まぁ、俺としては姫川さんと二人きりはかなり気まずかったし、楽と言えば楽かも知れない。


「じゃ、宜しく、ウイ……ジーくん」


「はい!宜しくッス!」


久々に見たワンコのような笑みに、ちょっと気持ちが楽になる。確かに見知った相手がいるのは良い事かも知れない。


ウイッスくん曰くのジーくん、ロボットである為か知識はかなり豊富で、宇宙語やら異世界語やらも話せ、俺が生きた時代の歴史も知っていれば今の時代の事も解る家庭教師に向いたロボットだ。何で看守してたのか解らない。


見た目が図体デカイ男なため、体育会系っぽいが中身はかなり頭が良い。ロボットは皆そうなんだろうか?


「じゃあ、先ずは大洋さんに、今の時代の生き方を教えるッス」


リビングにホワイトボードを持ち込んだウイッスくんが説明をしてくれる。姫川さんはというと、俺の勉強会に付き合わせるのも何だし暇を出しておいた。


言わないとずっとひっついているためだ、いや、ひっつかれるのは嫌じゃない、しかし色々な意味で落ち着かないのは確かだが。


「先ずは大洋さんに王様から預かった物を渡すッスね」


ウイッスくんより手渡されたのは、電子辞書のような機械。大きさは内ポケットに入る手帳サイズになっている。


マイディーと言う名前らしく、これ一つが電話、買い物、ゲート使用と色んなのが出来るらしい。


ゲート使用とは、タクシーや電車みたいなもんで、特定のゲートを通って目的地に行けるとの事。佐渡さんと出掛けた時はハウスーを使ったため、ゲートは使わなかった。


ウイッスくんからの説明は、解りやすく今の時代の事も何と無くは理解出来た。


ただ、マイディーの使い方は機械音痴な俺には難しく、ウイッスくんが根気よく教えてくれるが、投げ出しそうになる。独房にあった三つのボタンだけにして欲しいもんだ。


「え、っと、で、これが何だっけ?ウイッスく…」


「ウイッス…?」


ついついウイッスくんの事を口に出して呼んでしまった。ハッとした表情で相手を見ると目を瞬いて首を傾げている。


「え、や、あ、うん、その、独房に居た頃は名前を知らなかったから、ね。勝手にウイッスくんって呼んでて」


誤魔化すのも出来ず、しどろもどろになりつつもウイッスくんに説明すると、段々とウイッスくんの目が輝きだし、表情は嬉しげではある。


「俺の名前って事ッスか!?」


「え、あ、まぁ、はい」


破綻させた表情で相手が問い掛けてくるため、思わず頷いた。


「俺、名前を個体名以外で呼ばれたの初めてッス!ウイッス…って名前ッスね!ウイッスで良いッス!」


「え?あ、良いんだ?じゃあ、ウイッスくん、この使い方がいまいち、解らなくて」


「ウイッス!」


ジーくん曰く、ウイッスくんと言う名前になり俺は安堵。ついつい、ウイッスくんって呼んじゃうからね、この方が楽だと思いながら俺は機能の説明を受けていた。

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