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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第7章 刑期を終えて
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外出するなら

もう二度と、佐渡さんと出掛けたくないと強く強く思った。強く思った場所は、牢屋の中と言うわけだが。


「…………また、捕まるって」


刑期を終えて直ぐに捕まるとか、とことん牢屋独房関係に縁があるとしか思えない。まぁ、全部俺の所為じゃなく、誰かの所為で捕まってるんだけどな。


牢屋の隅に体育座りで座り込む。


佐渡さんは部下と思われる人達に連れて行かれ、殴られまくった人は魔法院と言う場所に連れて行かれたっぽい、飛び交う言葉での予想だが魔法院とは病院のようなものだと推測する。怪我人運ぶのは病院だという認識が俺にある為だ。


そして俺はただ一人、牢屋にぶちこまれた。


牢屋内は静かなため、独房に居た頃の事が思い起こされる。考えるのは最適で、そして俺はこの今の世の中にかなり疎いと感じざる終えない。


先ずはキャバクラだと思われる場所、結局何て呼び名かも解らず俺の認識は未だにキャバクラだ。ただ、雇われてるのは地球人以外も雇われている。俺の目に移っていた触手にゅるにゅるしたのや、獣人やら。


捕まっていた頃、竜馬や佐渡さんに聞いてはいたが、実際に目にするとなると世の中はかなり進んだなぁと感じるしかない。


佐渡さん、見た目は俺と同じ人間のように見えるがやはり宇宙人だと思う要素が沢山ある。主に、触手のニュル子ちゃんとイチャイチャしてる感性がもう違う。


でも洋子ちゃんを気にいる要素もあった訳なんだが、まさか洋子ちゃん触手にゅるにゅるしたりしてんのか!?え?マジか!?


まだ洋子ちゃんの顔を見た事がないため、美月のような顔を思い浮かべ、そこに手と足の代わりに触手とくっつけ、想像した。


想像し、一瞬で我に返る。


って、何を考えてるんだ、俺は。項垂れて、体育座りする足に顔を埋める。


何だか疲れた、そう思った俺は目を瞑り意識を眠りへと向けた。










※※※



「大洋様ー!おーきーてーくーだーさーい!」


耳許に届いた、最近知った声。びくりと肩を揺らし首を上げると目の前には姫川さん。俺が起きたのを確認すると手を差し出して来た。


「え、っと、姫川さん?」


「そーでーす!大洋様、散々でしたねー?もう出れますから大丈夫ですよ」


寝起きの美少女笑顔は良い目覚めだ、中々ない目覚めに少し気分は浮上する。差し出された姫川さんの手を取るのは緊張したが、慌てるのは逆に挙動不審者っぽいため何事もないような表情で手を取り立ち上がった。


「社長には王様がお叱りしましたけど、大洋様も怒って良いんですからね!全くもう、社長また異種女館倶楽部いしゅにょかんくらぶ行って!」


「い、異種女館倶楽部?」


姫川さんに手を引っ張られ、牢屋を出ると俺を見張っていた看守っぽい人が頭を下げる。下げたのは俺にではなく、姫川さんにっぽいが。


「はい!異種女館倶楽部、通称イクラですね。可愛い美人な女人達とお喋りしたり、時々お触りしたりっていう場所です。社長ってば、大洋様が女の子と直ぐにイチャイチャしたいって思ったのか解りませんけど、出掛け先を社長がお気に入りのイクラに行くとか何を考えてるのかさっぱりですよ!」


ぷりぷりと怒っている姫川さん、今のキャバクラは異種女館倶楽部、イクラと言うらしい。イクラと言えば食べ物を連想するが、今の時代はイクライコール異種女館倶楽部なんだろな。


姫川さんに連れられ外に出れば、ハウスーの側に竜馬が立っていた。王様がこんな場所に居て良いのか思うが、ある意味俺の保護者みたいなもので、迎えに来たのかも知れない。


「大洋!大丈夫か?学にはしっかり、言ったが大洋からも文句の100や200言っても良いぞ」


竜馬や姫川さんに促されハウスーに乗り込むと、物凄い落ち込みまくった佐渡さんが正座して中で待っていた。この姿を見ると、俺が何か言ったらまた落ち込むんじゃないかと思ってしまう。


俺に気付いた佐渡さんが顔を上げ、見た事もないような表情を見せている。これは本気で悪いと思っている顔に見えた。


「悪ィ!!いや、ちょっと、酔っ払いの自覚はあったんだけどよォ、その、なァ?」


「学……」


話びれた様子があるも、煮え切らない言い訳のような言葉も発する佐渡さんに竜馬が名を呼ぶ。呼ばれた名は重味があり、佐渡さんは苦虫を潰したような表情を見せる。


「あー…悪かった。酔うと俺ってばよォ、興奮したりィなァ?地球の酒は宇宙人には強いんだけどォ、美味いんだよなー」


謝ってくる佐渡さんだが、俺は頷いてからはっきり告げた。


「佐渡さん、外出の時は他も一緒でお願いします」


もう絶対に、佐渡さんと二人で出掛けないと心に誓った。

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