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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第7章 刑期を終えて
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外に出かける禁固365年の男2

確かに外に出掛けるのを楽しみに俺はしていた、出掛けた時間が遅くても俺の年齢からして未成年でもないし、深夜まで騒ぐという暴挙に出ても多少は大丈夫だろうと。


俺の生きていた時代で、美月と出掛けた記憶を辿るとショッピングに付き合わされた、スーパーに付き合わされたが多い。


友達と呼べる相手は残念ながら記憶は薄く、健次と一応神宮司と出掛けた記憶が朧気にある。健次とは二十歳になった途端、居酒屋で酒を飲み交わす事をした。神宮司とは神宮司家御用達の高そうな場所で食事をした。


あの頃、テレビで若者が遊ぶ場所の特集をしてた時は渋谷、原宿、横浜、東京など。段々と思い出す昔の記憶。


何故、今、それを考えたのかというと、俺が佐渡さんと出掛けている場所は俺にとって、一生行かないんじゃないかと思う場所だ。


「やだー、顔怖いー、でも何か可愛いー!」


「佐渡さんのお友達?え?初めてなのー?」


俺が居る場所、綺麗なお姉さん、可愛い女の子が沢山居てお酒を注ぎ、お客様と呼ばれる男子を持ち上げつつ話す場所。俺の中の記憶にある言葉では()()()()()だ。


「大洋ちゃんって言うんだけどよォ、久々にこっち来たから、可愛がってやってくれよォ?」


「佐渡さんのお知り合いなら、私サービスしちゃう!」


隣に居た露出激しい、猫耳着けた女の子が俺の腕に腕を絡ませる。思わずビクッと体を揺らしてしまった。


ちょ、女の子に免疫が全くない俺はどうすりゃ良い!?


頼みの綱の佐渡さんは、酒をかなり飲み両隣に触手にょろにょろさせたよく分からない生物をはべらせている。


あれは、何だ(凄い真顔)


多分、此処は俺が知る呼び名で、キャバクラだとは思う。今現在の呼び名がどうなってるかは知らないが女の子を客の隣に座らせ酒をせっせと注ぎながら話すのはキャバクラだと。


ただ、俺の時代は所謂地球人、見た目人間しか知らない。だから俺の隣に居る猫耳着けた女の子、いや、あれは()()の猫耳だ。竜馬や佐渡さんから何となく聞いていたゲートを通ってきただろう獣人と呼ばれる種族何だと思う。ピクピク猫耳が動いているのを見る限り。


猫耳女の子とは反対に座るのは、見た目は人間に見える。多分地球人だとは思う。


「私も、サービスしちゃうわ」


猫耳じゃない方も俺の腕に腕を絡ませてくる。コミュ症が乏しい俺には直ぐにでも立ち去りたい衝動にかられた。話し掛けてくるが、何も言えずそれこそ悪い気がしてくる。


「や、そ、の、……」


「「やだー、どもってるー!可愛いー!」」


両隣で叫ばれる、居心地が悪すぎる。こんな悪役顔を見て何処が可愛いのか検討もつかない、いや、これは所謂お世辞だ。お世辞だろう、彼女達も仕事だからこんな悪役顔に可愛いなんて言えるんだな、俺には出来ない。


再度、佐渡さんに助けを求めようと見てみたが、触手にゅるにゅるとイチャイチャしている。


あれは、何だ(二度目)


佐渡さんがどんなつもりで俺を連れてきたか解らない、けど一応は遊びに連れてっている感覚ではあるんだよな?ただ、俺をこの場所に連れて来たのは間違いがなんじゃないかとは思う。


あれか、また姫川さんの時みたいにからかったりしてるのか?


女の子達とは余り話せず、得意の取り敢えず肯定しとけ戦法で相づちを打ちながら、俺は酒を飲み続けた。

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