表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁固365年の男  作者: 獅斬武
第7章 刑期を終えて
75/106

小屋ではない、認めない

竜馬と食事を終え世界KANの本店を後にする、またあの部屋みたいな乗り物に乗って竜馬が言っていた俺が住む小屋に向かった。


余談だが、この部屋みたいな乗り物はハウスーと言うらしい、名前をつけた相手に是非とも会ってみたい、そのまんまだなと。


ハウスーに乗り込むのは、変わらずのメンバーだ。竜馬、佐渡さん、姫川さん、俺。座る位置が決まっている訳じゃないが、俺が座った後ろに姫川さんが立ち、竜馬が座った後ろには佐渡さんが立っていた。


「学、場所の清掃は済んでおるか?」


初めて見るが、目の前に座る竜馬は眼鏡を描けている。テーブル上に広げられた書類を片手に背後にいる佐渡さんに話し掛けていた。見た目、重要そうな書類だが俺に見せて大丈夫なのか心配になる。


「へーい、済んでるぜェ。中も外もスッキリィ」


「うむ、ならば良い。後で宰相経緯で伝えておいてくれ」


「えー、俺の仕事じゃねーんだけどォ」


「特別給は出る筈だか?」


「ちぇ、りょーかいでーすぅ」


いつもの会話、のような雰囲気はある。佐渡さんは普段から見ている佐渡さんだが、竜馬は王らしいような雰囲気だ。いつもは俺様目線の少し子供っぽいような感じだが、今は違うように見える。


眼鏡をしてるから雰囲気が違うのか、つい竜馬を見詰めてしまった。


「俺様に見惚れたか、大洋!これでも王だからな!」


視線に気付いた竜馬が、これ見よがしに得意気に言ってくる。いつもの竜馬だ。俺もいつも通りに取り敢えず頷く戦法で肯定すれば、満足な表情をし仕事のような書類整理を始める。


黙っていれば、竜馬は美形な美しい雰囲気だ。話すと残念にも思えるが。そう言えば学園に竜馬も理事長とは隠して通っていると言っていた、現王だと言うのも隠してるんだろうか?


不老不死で長寿は秘密に、って俺に言うくらいだ色々と秘密事項もあるんだろうなぁと書類を片付ける竜馬を見ながら考えた。


世界KANでシチューを食い終え、いくつか竜馬に言われた事を考える。


不老不死を秘密にする事、捕まっていた事を公言しない事、そして俺は竜馬の知り合いという設定だ。


不老不死と捕まっていた事を知っているのは、竜馬、佐渡さん、姫川さん、そして洋子ちゃん。他は知らないらしいが、月名の子孫は知っているかも知れないと竜馬が言っていた。月名については解らない事が多いようである。


ガタンっ


考えている中で、ハウスーが止まる。竜馬が眼鏡を外しドアの方へ視線を向けた。


「着いたみたいだな、大洋、ゆくぞ」


竜馬が立ち上がると、俺も一緒に立ち上がる。ドアは止まったと同時に開けられてスムーズに外に出る事になった。


「すまん、大洋。小屋での生活になってしまうが、不自由はせぬようにしておる。俺も訪問するゆえ寂しくはないぞ」


得意気に言う竜馬に、俺は口を開けぽかんとした表情で竜馬が()()と呼ぶ南国リゾートみたいな家を見詰めた。


いやいやいや、これ、小屋じゃないからね!?心の中で突っ込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ