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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第7章 刑期を終えて
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秘密な生活?2

「いくつか、大洋に頼み事がある、というよりも守って欲しい事でもあるが…」


未だに真剣で、重苦しい表情を見せる竜馬だが、顔が綺麗系だと歪む顔も綺麗である。俺が顔を歪めたとしても恐怖が勝ると昔、健次に言われたのが懐かしい。


「住む場所を提供してくれてるし、守る事とかあれば、守るよ。ただ、ちょっと俺も、き、聞きたい。365年、一回も外に出た事がないし、俺が、ど、どうなってるかの状況くらいは聞きたい、かも」


相変わらずのコミュ症な俺は、聞きづらい事の言葉を、途切れ途切れとさせながら伝える。


俺が聞きたいのは、俺の今現状の状態だ。俺の問い掛けに竜馬が頷き、答えてくれる。


「先ずは今の世界がどんな状態かは覚えておるか?」


「ん、異世界、宇宙、色々な人がゲート使ってくるっていうのは覚えてる」


「嗚呼、異世界、宇宙、地球と大きく分けての三つで協定を結んでおる。協定を纏めたのが俺様の祖先ゆえに協定間の協議等は俺様が今は代表で行っておる状況だ。異世界者、宇宙者の身分証の発行、移住手続き等も俺様が選んだ者で行っておる。だから、大洋の身分証の事は気にせずとも良い」


竜馬の言葉に少し安堵する、365年も経った俺の身分証とかどうなるかと思ったが、流石は王族、どうにでもなるようだ。


「前にも俺様は言ったが、大洋には国々の交流を含めた王も通う学園に通って貰う事にはなるが、学園に通うにあたり守って欲しい事がある。《《不老不死や長寿である事》》と口外せぬ事、大洋も気付いておるとは思うが、今まで最初の王が水無月で不老不死とは全く知らなかったであろう?」


「そ、うだな、知らなかった」


「神宮司がひた隠しにしていた事実だ、一般市民も知らぬ。俺様も不老不死で長寿とは知られておらぬ、極一部の側近や王族しかな。ゆえに大洋が不老不死の長寿と知られれば、他にも《《狙う》》者も出てくる。学の会社にSPを頼んだのもそれがある為だ」


「ね、狙うって具体的に?」


「俺様を王と認めぬ者もいれば、大洋を王とさせたくない者も、大洋が王の権利があれば様々と利用しようとするやからも出てくる。俺様の目がある内は平気だとは思うのだが、念には念を入れてだ。それでも、狙う者もおる。本当は、大洋も俺様とは一緒に居たくはないだろう……、だが俺様の近くにいた方が安全ゆえ……我慢してくれると助かる」


竜馬の告げた言葉に驚く、最初は人の話も聞かず自分の思い通りに、な人間かと思ったが俺の事を気にはしてくれていたようだ。俺がいくら王になりたくないと言っても周りがほっとかないのはあるかも知れない、竜馬も竜馬で王は大変だなぁと感じた。


ちょっと、しおらしい竜馬に笑ってはいけないが、自然と笑ってしまった。竜馬が俺の顔を見て驚いた風な表情をする。


「あ、悪い。いつもの竜馬じゃないから、ちょっとな。不老不死とか公言する気もないから平気だ」


「そうか、俺様も大洋の柔らかい顔は初めて見たゆえ驚いたが、良い顔だと思うぞ」


何と無くだが、竜馬と少し打ち解けられたかもと思いまた緩い表情をした。

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