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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第6章 禁固365年まで
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俺の心は秋の空

ウイッスくんではない看守さんから貰ったメモ紙、俺の頭を心を更に混乱させるような内容だった。


「王が裏切る、え、竜馬が?いや、神宮司か?いやいや、書いてあるのは、竜馬の事か?」


俺への謝罪をした竜馬が、裏切るって何を裏切るんだ?目下、俺は混乱中である。


メモ紙に書かれた文字を、言葉には出さず目で再度追って読む。


『王は貴方を裏切る、そしてまた一生を奪う。王になりたくないならば、私の方を。刑期を終える日に選択を』


『王は』、って竜馬だよな、多分。『そしてまた一生を奪う、()()()()()()()()()()()、』アレか?一生奪うって、俺は断ったが俺を王にして自由を奪って、竜馬は自由を手に入れる的な話しか?


……いやいや、無理無理!王になるとかほんと無理!この紙に書いてある解釈が合ってるかなら、俺が王様しないといけなくなる可能性があるって事だろ?有り難迷惑だ、勘弁願いたい。


……でも、解釈が違ったら?……もあるよなぁ。いやその前に看守さんのこの紙が惑わせる何かだったら、もある。そうなると、何で看守さんが?の疑問も生まれる。まさかと思うが、神宮司家のお家騒動に巻き込まれた系なのか、そうなのか!?


「……ないない、そうならもっと前にそーいう事が起こるだろうし、今になって何での話になるよ、うん」


『私の方を。刑期を終える日に選択を』、この部分は俺が刑期を終える日に、何かしらの接触があるって事か?


そういや、刑期を終える日って、俺はどうすれば良いんだろうか。ドアが空いて、出て下さいとか言われんのか?って、ちょっと待て、考えると何だか怖くね?こちらと、365年一回も外に出てないんだぞ、道とか全く解んないんだが。


新たな直面をし、俺は呆然とする。


いざ、独房から出れるってなって、最初に何処に行けば良いのか全く考えてなかった。まさか禁固365年って言い渡されて出れる訳ないと思うからね、普通は。


それがしぶとく365年の刑期を終えて、独房から出れますってなっても、困る。いや、ほんと困る!


俺は渡されたメモ紙は一旦置いとく事にし、考えるには最適ないつもの位置へ向かい腰を下ろして考える。


まず、独房に入る前の荷物は返して貰えるのかどうか。しかし保存状態がどうなってるのかも怪しい、帰ってこない物として考えよう。


服、今着てる服は流石にやばい。数年に一度、新しい服と交換してはくれていたが、これは捕まった人用の服と考えると、Tシャツとズボンくらいは支給してくれたりするのか?


衣食住だが、竜馬が一緒にと言っていた、最初は嫌ではあったが背に腹は代えられない、一先ずは竜馬に世話を頼み、後で家を探す。これで行こう。


「……結局、竜馬に頼る選択肢になっちまうか……」


色々な問題に軽く溜め息が出る、意外に出た後が大変そうだなぁと考えながら、俺は床に横たわった。

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