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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第6章 禁固365年まで
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閑話 ?年、見知らぬ者の独り言

彼を王にしてはいけない。


王と彼を一緒にはしていけない。


それがあの方の願い、あの方の想い、あの方の命令。


やっと手に入れた、あの方の幸せを。


王をずっと見ていたのはあの方だ、王の想いを知るのはあの方だ。


あの方の邪魔をする者は許さない。


彼を王にはさせない、彼は王ではない。


だからほんの少しの亀裂を、綻びを。


王になりたくないならば、彼は選ぶべきだ。


王を捨てるべきだ。


あの方がいれば、王に彼はいらない。


彼が全てを終える日まで、あと、少し。


あの方の幸せのため。


彼に、罪を。

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