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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第6章 禁固365年まで
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閑話 ?年、もしもの世界

「お前らの所為で、ッ…、俺の、俺の人生は!」


赤い髪の男の瞳に宿るのは、憎しみのみ。


憎しみしかないその瞳、それを一身に受けるのは今現在の王、金の髪を揺らした神宮司竜馬だった。


「だから奪ってやった、何もかも!地位も、名誉も、信頼も、お前の大事なモノを全て!」


「み、水無月…」


「はは、ははははは!いや、嗚呼、うん、奪ったんじゃない、返して貰ったんだよ、本来の俺の場所を!!」


赤髪の男、水無月大洋は手を上げる、王に使えていた者達は全て、水無月と呼ばれた者に従った。


神宮司は、呆然と男を見詰めた。


一瞬、水無月は悲しみの表情を見せたかに見えたが、直ぐに歪んだ冷淡な表情を神宮司へ見せた。


悲しみの表情は、見間違えだったのか解らない。


「あの日、俺ではなくあの看守を信じた、ああ、そうだな、俺は信頼に値しない。だから看守を信じた。俺はやっていないと言っても。結局、お前らは繰り返す!俺の意思は関係なしに!」


上げた手を下ろす、それに反応したSP達が神宮司を押さえ付ける。


「俺が味わった、生きる苦しみを、お前も味わえば良い。一生、ずっとあの独房で今度はお前が」


「ま、待てみなづッ…っ」


「はいはーい、竜馬ちゃん暴れない暴れないィ」


銀髪の男が楽しそうに、神宮司を押さえ付ける。神宮司は押さえる男、佐渡に視線を向けた。


「離せっ、学!」


「いやいや、無理っしょ。俺の役目は《《王の護衛》》、言う事を聞くのは雇い主ィー」


笑っていた佐渡の表情が、目許が鋭く細められる。


「正直ィ、生温いアンタよりあっちの王様の方が俺には合ってるわ。まァ、色々と楽しかったけどォ」


唇を噛み締め悔しげな表情を見せる神宮司に、佐渡は再度笑みを見せる。楽しそうな表情で笑う。


神宮司と佐渡を見詰める水無月は、冷酷に告げる。


「いつか、俺が死ねばお前は出られるよ、神宮司。いつか、は解らないけどね」


水無月は、今までに見せた事もない、笑みを浮かべた。

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