閑話 ?年、最初の王様
王と言う概念が無かった時代、この世界には12の月名を受けた者が居た。
睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走。
12人の月名はそれぞれ言った、人々が増えるこれからも。
束ねる者が必要だ。
優劣も必要だ。
いや、優劣は必要ないわ。
皆、平等に。
平等なんて無理よ。
今のままで、駄目なのかい?
いずれ、暴動が起こる。
奪われる前に、この中から。
12の名から、誰か?
我らの中から選ぶのか。
増える人々を、長く束ねられる者を。
12の、我らの中から。
12の月名達は三日三晩、話し合い、この12の中で長く生きる者を、と決めた。
それぞれの月名は、それぞれの役割を述べる。
睦月は愛を。
如月は自然を。
弥生は精霊を。
卯月は水を。
皐月は癒しを。
水無月は不老不死を。
文月は火を。
葉月は植物を。
長月は運を。
神無月は予知を。
霜月は知恵を。
師走は音を。
皆が言う、長い時王に為れる者を。
直ぐに変化する王では、混乱すると。
皆が言う、不老不死の水無月を王に。
長く生きる、水無月を王に。
水無月は言う、俺では王は務まらない、ただ、長く生きれるだけの器だと。
俺が王になっても、いつか奪われてしまうと。
12の月名が告げる。
12の月名がいる限り、裏切りがない限り、水無月が王になるであろうと。
月名達の話し合いにより、水無月が最初の王となる。
水無月が生きる限り、水無月は最初で最後の王になると。
それが、最初の王の始まり。
12の月名が決めた、最初の王。
続きがある、水無月は最初の王、しかし、奪われる。
神無月が言う。
私の予知は、絶対だ。
名を変え、裏切る12の月名、それは……(この先は黒く塗り潰されている)




